102:一瞬で過ぎ去る文化祭二日目
文化祭一日目も終了を迎え、家に帰り今日着ていた衣装を洗濯にかけ乾燥もセットした僕は安心してしまったのか気付いたらすぐに眠ってしまっていた。
ふと目が覚めると昨日とほぼ同じ時間に目が覚めてしまった。
僕はお腹が減っていたのもあって、軽くシャワーを浴びてから朝ごはんを食べる事にした。
普段起きないこんな時間だとテレビもろくなものがやっていなくて、少し暇に感じた僕はふわちゃんのアーカイブを見ながらごはんを食べ始めた。
「す、凄く僕のこと話してるよふわちゃん⋯⋯」
でも途中で正気に戻ったふわちゃんはメインのアイクラ人狼を始めた。
アイクラ人狼はI'm craft manのサーバーMODの一つでこれを導入すると特殊なフィールドが作られる。
メンバーをコマンドに入力する事でその入力されたメンバーで人狼ゲームをする事が出来るんだ。
僕もやってみたさはあるけれど、流石にコラボする人が足りないのでいつかやってみたいなーと考えていたり。
ルールは基本的な人狼と同じなんだけど、このゲームは少し変わっていてどの陣営のどの役職でも弓を使ったり、最初に配られるアイテムを使用して相手を殺すことが出来るんだ。
代わりに吊る行為が無くなっているので腕に自信のある人狼が無双したり、こっそり占って人狼を発見した占い師が人狼を殺しに行って霊媒師から信用を得ようとしたりなど色々な行動が可能になっていて意外と戦略性があったり。
でもパーティーゲームとしての側面も強いので結構茶番が多くなったりすることも。
そんなゲームの配信を見ながらご飯を食べていた僕は気付けば学校へ向かわないといけない時間に。
準備を整えた僕は今日も自転車で学校へ向かった。
今日も仕込みのメニューはほぼ同じで唯一違う点と言えばペペロンチーノがジェノベーゼになったくらいかな?ジェノベーゼに至ってはこれは市販のソースでも十分美味しいから市販の物に少しだけ手を加えるよ⋯⋯と言っても粉チーズを溶かすだけなんだけど。
これでチーズのクリーミーさが追加されて結構美味しいんだよね! ただ、好みの分かれるソースだから量は少なめに用意して、ミートソースとボロネーゼをかなり多めに仕込んでいくよ。
昨日と比べて人も多いからスムーズに作業も進んで大量の仕込みも完了。
あとは休憩しながら開始時間を待つだけ。
そして開始までの時間気付けば僕はうとうととしていた。 自分では気付いてなかったけど寝てたかも。
でも瞬間的にでも眠れたからか頭が冴えてきてちょうど良かった。
開始してからは模擬店の手伝いをしていたんだけどこれがまた忙しくて大変だった。
前日の噂を聞いてきたのだろうか沢山の人がやって来ててんやわんやとしていた。
本来午前中は自由の人もこっちに顔を出そうものなら駆り出される始末。
と言っても回転させるのにも席が足りない状況でどうしようかと思っていたらクラスメイトの一人がテイクアウトにしてはどうかと提案が。
いいよと言ってくれた人が多かったのでテイクアウトでもいい人の列と中で食べたい人の列に分けることに。
これが功を奏したのか行列の捌けるスピードがかなり早くなり結果的に回転効率もアップ。
この手法を提案したクラスメイトはものすごくクラス内で褒められて恥ずかしそうにしていた。
それから落ち着いたのは終了の一時間ちょっと前くらい。
そんなタイミングで見慣れた人がやってきた。
「やっほー優希くん、頑張ってるね!」
由良さんだ。
「あっ、由良さんこんにちは!」
「お姉ちゃんにここの場所聞いててお昼前くらいに来たのは良かったんだけど、お店混んでたから時間置いてきたんだ!」
「気を使ってもらってありがとうございます⋯⋯」
「いーのいーの!それに私が来たくて来ただけだし!
ただ、落ち着いたって言ってもまだ結構お客さん多いね。ささっと食べて退散するとしようかな!」
「なんだか申し訳ないです、それじゃあどれにしますか?」
「お姉ちゃんがミートソースって言ってたし、私はボロネーゼにしようかな!」
「それじゃ今から準備してくるので待っててくださいね!」
「うん、私には構わなくて大丈夫だからね!」
「助かります!」
そして僕は、由良さんの注文を通すとお客さんの入り始めた店内を注文を取るために駆け巡る。
そして完成したパスタを忙しさのせいで渡しに行く事が出来なかったのは少し残念だったけど横目でチラリと見てみると美味しそうな顔をしていたので僕は少し安心した。
そしてそんな忙しい二日目も気付けばもう終了の時間。
ぶっちゃけ今日は模擬店の手伝いしかやってない気がするけど。
そして昨日のように解散するタイミングで今日多めに作ったパスタのソースが少し余っている事が発覚。
クラスで食べきっちゃおうと言う話になり皆で分けて食べることに。
まるで給食を食べているような感じだけど、ワイワイと大勢で食べるパスタはとても美味しかった。
後に家に戻ってきた僕は疲れ果てて泥のように眠ってしまった。
⋯⋯本来、衣装の洗濯をしないといけないのにそれを忘れながら。
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