第6話

話を聞き終わると、私の顔を見たエディ先生がすっとハンカチを差し出してくれた。涙が止まらなかった。この胸の苦しみはリリアの境遇を嘆いた私の気持ちなのか、リリアに残る深い悲しみなのか。


涙をぬぐったハンカチはすぐにびしょびしょになる。エディ先生は静かにこちらに向き合う。


「お嬢さんの人生はこれからもっともっと続いて幸せになるはずだった。だからこそ、奇跡みたいにお嬢さんの命を繋いでくれた君には、幸せになってほしい。好きなことを我慢せずになんでもやってほしい。いつかは元の世界へ戻るかもしれない君にこんなお願いは身勝手だと分かっているけど、それでも」


そう言うと深く頭を下げた。エディ先生にとってもリリアちゃんが大切な存在というのが痛いほど伝わってきた。


「……エディ先生、頭を上げてください。私、頑張りますから!リリアちゃんとして幸せに生きてみせまゴホッウェッッ」


自分を鼓舞するように大きい声を出そうとしたら、喉が枯れて思い切り咳込んでしまった。慌てて背中をさすってくれる。


「よしよし、半年も動いていないから身体がびっくりしちゃったんだね。……ありがとう、そう言ってくれて。とりあえず、まずは落ちた筋肉をつけるためにリハビリからかな」
















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