第87話
ロンダルトさんが食事を終え、出されたお茶を啜っていると来客がな。
いゃぁ~ギリギリってか?
逆に食い終わるタイミングで現れたような…
現れたのは戦士団の者達であり、庭に放置していたミノムシを担いでるな。
「ロンダルト様。
この度の騒ぎを、ご存じで?」
そう尋ねてきた。
「それは知っておるに決まっておろう。
あれだけ精霊新聞に記事が載れば、里の者ならば誰でも知っておるのではないのかね?」
ロンダルトさんが呆れたようにな。
告げた者も、後ろ頭を掻きつつ。
「
「それで、コイツが忍び込んできた暗殺者でやすね?」
賊を担いでる者が、ロンダルトさんに確認を。
「ああ、真夜中に忍んできたな。
ダリルがターゲットだったみたいだが…ダリルが居なく私が狙われてたら、死んでいたであろう。
精霊魔術の腕前は、俺達以上らしいのでな」
んっ?
らしい?
「ロンダルトさん。
その情報は誰から聞いたんです?」
思わず尋ねたらな。
「精霊新聞からだな」っと。
「なら、皆さんご存じなのでは?」だよね?
俺が尋ねるとな、ロンダルトさんが合点したようにな。
「それはな、家庭別に精霊新聞の内容がことなるからだな。
個人的な情報は、その者の新聞にか載らないもなのだ。
ただし、里中に知らせるような場合は、その旨が書かれておるから、皆が知っているのかは分かる訳だ」
精霊新聞…何気に高性能だな。
俺も欲しくなるが…基本的に留守がちな俺が手に入れても、活用できんだろうが…
その後は戦士団と共にロンダルト邸から出て、里の広場へと。
里長一族の者が里人たちによって、広場へと連れ出されていた。
里長は殴られた痕もあり、結構な騒ぎだったのだと知れたよ。
「あの精霊新聞は偽物だっ!
真実である筈がなかろう?
誰かが魔術にて干渉し、嘘の情報が記載されたのだっ!」
そんなことを里長がな。
そして、さらに…
「だいたい証拠がなかろう?
物的証拠もなしに、憶測にて犯罪と決めつける気か?」ってことをな。
「残念なことに、証拠がある。
暗殺者が里長からの暗殺依頼書を保持しておった」
そうロンダルトさんが告げるとな。
「捏造したのだろう?
だいたい依頼書が残る筈がないからな」
おいおい、それって…
「んっ?
なぜ依頼書が残らんと思うのだ?」
ロンダルトさんが不思議そうにな。
したら里長がバカにしたようにな。
「ものを知らんヤツだ。
そのような依頼書は、読み終えたら発火して燃え尽きるのだぞ。
残る筈があるまい」
いやいや、アンタ…バカ?
ロンダルトさんが呆れたようにね。
「皆の衆。
私は依頼した書を、相手が読むと燃えるなどは、昨日までしらなかった!
知っている者はおるかっ!」
「知らん!」
「俺も初めて知ったぞ!」
「だいたい依頼書を燃やす意味が分からんのだが?」
などなど、依頼書発火についての疑問の声が。
「証拠隠滅のためですよ。
暗殺者が持っていた依頼書にも、隠滅用の発火術式が仕込まれていましたが、旧式です。
今では容易く無効化できるため、隠滅術式を無効化して保持していました。
過去の暗殺依頼書もです。
まぁ、その辺は精霊新聞に書かれているのでしょうけど」
「捏造品だっ!
儂は認めんぞっ!」
往生際が悪いなぁ…仕方ない。
「ロンダルトさん。
賊の猿轡を外しても良いですかね?」
「舌を噛むやもしれんが?」
「そのへんは大丈夫ですから」ったら、許可を貰えた。
なので、賊の顎を外した後で、無理矢理に飲ませる。
んっ?
なにを飲ませたって?
「ダリル?
なにをしたのだ?」
「命の危険はないですよ。
ただの自白剤ですから。
少々強力ですけど」
でぇ、顎を嵌めたらさ、罪の自白から、己の性癖などの恥ずかしい話までを、全てな。
薬が切れる頃には、精神的ダメージのためか、燃え尽きたようにな。
まぁ、社会的に死ぬようなことまで自白すればな。
「これ、忍者崩れの先輩から習ったヤツですが、なかなかの品でしょ?
作るの苦労するんですわ。
さて、里長?
身の潔白を晴らしましょうか?
これを飲めば、罪を犯してないと証明できますからね」って、わざとジリジリって里長へと。
「ち、近付くなっ!
なっ!離せ、貴様らぁ!無礼であろう!
止めろぉぉっ!」
……… 独演会中 ………しばらくお待ちください。
いやぁ~語るねぇ。
犯した犯罪の数がえげつない。
本人自白にて言い逃れもできないてか?
まぁ、後は里者がなんとかするだろ。
「ロンダルトさん。
俺は帰っときますんで」ったらな。
仕方ないヤツって感じで見られたよ。
そしてな。
「サマンサに、忍術資料を渡すように告げておいたから、受け取って読んでると良い。
私は、しばらく帰れそうにないのでな」って、溜め息1つ。
ご苦労様で~す、っうことでぇ…離脱です。
アデュー!
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