第59話

「ちっ!

 結婚してたかぁ~

 ヤッパリ、良い男って売約済みよねぇ」ってミーシャちゃんがね。


女の子って、早熟だよねぇ。

5歳だと思うミーシャちゃんって、本当に、おしゃまさん、だね。


そう思ってたらな。

「だって、母さま。

 人族だったら結婚してるよ?」って、そんなことを。


したらな、おっさんがさ。

「他所は他所っ!

 家は家だっ!

 私の目の黒い内は、嫁にはやらん!」っうことをね。


っかさ、アンタの目、青いやんね。

指摘されたらダメなんじゃね?

まぁ言わんけど。


「アナタは話が、ややっこしくなるから、黙ってなさいっ!」って、サマンサさんがハリセン1つ。


さっきとは、明らかに威力が違う!

んだぁ、あのハリセンはぁっ!

旦那がフッ飛んでったんだが…大丈夫なのか、アレ?


心配そうに見てたらな。

「大丈夫ですわ。

 無駄に…ほんとぉうぅにぃ無駄に頑丈ですから。

 少しでも効けば、多少は反省するんでしょうけど…」


この人…絶対に怒らせてはダメな人だわ。

つか、ミーシャちゃんが硬直してんですが…大丈夫なのか、これ?


「ミーシャ」

「はい、マム!」

「良い、お返事ね」って、うふふって笑うサマンサさん。


って、こえっ!


「ミーシャの体は女性として育ってないから、結婚はできないのよ」

「でも人族は同い年で結婚してるもん!」

「それはね、人族とエルフでは寿命が違うからなの。

 エルフによるけど、エルフは数千年から数万年生きるでしょ?」


いやいや、一般的なエルフの寿命は4、5百年だからっ!


ハイ・エルフで2千年生きれば長生きで、エンシエント・エルフでの最長老が7千年近いて話の筈だ。


まぁ、魔術学術院の導師様から聞いたことだけどなっ!


数万年って、なんの冗談だ、それ?


「寿命が長いのは知ってるよ。

 だってママは…「ミーシャ?」」

あっこれ…ダメなヤツだ。


ミーシャちゃん硬直、パートⅡ。


「つまり、寿命が長いため成長も緩やかと?」

うん、話題を逸らしましたよ。

当たり前でしょ。


サマンサさんが、にっこり微笑んでね。

「そう言うことですわ」って、微笑みを。


(よう話し逸らしたのぅ、われぇ、誉めたるけぇのぅ)って副音が…

幻の姉御が幻影として見えるような…ハッ!あれが、スタ○ドかっ!


「う~ん、ミーシャ21歳なのにぃ」


いや、種族寿命の差か?


まぁ、いわゆる紳士に知られたら拙いやも。

完全に合法ロリだからな。


「サマンサさん」

「なにかしら?」

「人族には変態が居ましてね。

 そやつらには、知られないようにした方がよろしいかと」って告げたら、首を傾げられた。


「幼女に懸想する汚物が居るんですわ。

 中には幼女好きだけど、世間体を気にして黙ってるのも、潜んでいるとか。


 だが、人族としての年齢が合法ならばと勘違いするキチガイが、現れないとも限りません。

 年齢を知られないようにするなどの対策を講じることを、お勧めしますね」


この手の輩は貴族に多い。

以前に調査討伐依頼された時、黒かつ抵抗した場合は討伐と指示されたことがな。


結果、真っ黒ってね。


抵抗して斬り掛かって来たから、返り討ちにしたけど…キモいよ、アンタら。


その話をしたらな、サマンサさんもミーシャちゃんめ青くなってたよ。

ホント、変態死すべし!


「あたたたたっ。

 サマンサ、酷いでは…ないか。

 って、ん?


 君、いや、貴様ぁっ…サマンサとミーシャにぃなにをしたぁ!」


帰って来るなり激昂すんなしっ!

っか、殴り掛かんなっ!


いや、精霊魔術を行使しようとしてませんかねぇ?

喰らったら、洒落にならんぜっ!


したらな、ハリセン、パートⅢにて直撃した頭を抱えて踞るダメオヤジ。


「いい加減になさいっ!

 ダリルさんは、忠告してくださったのよ。

 ミーシャの年齢が知れたら、求婚を迫る変態がいるから、年齢は秘匿した方が良いらしいわ」


「はぁ?

 そこに居るではないか!」


んっ?

もしかして…俺?


あっ、ブチッて血管切れたら音が…気付いたら、おっさん殴ってたわ。


「くっ!

 私に気付かせずに一撃入れるとは…やるではないか」

オヤジが拳を振り上げ、俺も迎え打たんと…2人してハリセンで吹き飛ばされましたとさ。


「あたたっ」って、俺が起き上がるのと、オヤジが起き上がるのは同時だったんだが…


同時に俺達2人へ声が掛かった。

「正座!」ってな。


おっさんが、即座に床へ座る。

アレが正座と言うものか?


サマンサさんに逆らえそうに無いため、俺も真似して正座を。

って、この座り方、ツラいんですが!


それから2人してサマンサさんから説教されましたとさ。

ツラたん。

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