第77話  スタンピード

「王様、緊急伝令です!」兵

「うむ。どうした。」王

「はっ・・・。川宿近辺で魔物が更に増えており、王都にも向かっているようです」兵

「なに?あれ以上に多いのか!!川宿は大丈夫なのか?」王

「は!結界によって、近寄れない様です」兵

「おおそうか!さっそくレインの結界が効いているようだ。

至急王都周辺にもこの結界をっ配備するのだ!」王

「は。すでに取り掛かっております」兵

「じゃ!俺達は川宿に行こうか爺ちゃん!!」俺

「そうじゃな!」ポール

「なぜじゃ?」王

「はい。おそらくあの辺がダンジョンなのでしょう!

魔物の発生源を潰さないとこのスタンピードは停まりませんから!」俺

「そうか、だから以前からあそこは魔物が多かったのか・・・。」王

「どうでしょうね。元々強い魔物の群れが多かっただけかもしれませんしね」俺

「まあ、どちらにしてもあのあたりを駆除せにゃならんだろう」ポール

「そうだね!」俺

「では明日朝に出発とする。兵士長!準備を!」王

「あ!王様!兵は要らないです!兵には全力で溢れた魔物の対処をお願いしたい」俺

「ダンジョンは俺と爺ちゃん二人で大丈夫です」俺

「しかし・・・。」王

「大丈夫ですよ」俺

王に両手で肩をつかみニコッと見つめる。

「レイン・・・。わわわかった・・・。」王

なんだかみるみる顔が赤くなっているが、肩を強く握り過ぎたかな・・・?

「ヤダ!あなた!赤くなって~!レインちゃ~ん!お婆様にも同じことやって!

見つめて~!!いや~ん!あなただけズルいわ~!

そんなにレインちゃんの目は可愛かったの~!」王妃

「これ!赤くなどなっとらん!酒を飲んだな!!」王

「飲みましたよ!だってレインちゃんと会ったのですもの嬉しいじゃないですか!」王妃

「弱いくせに・・・。」王

「弱くありません~あなたレインちゃんに見つめられてどうでしたの~」王妃

「うむむ・・・うれしかった。」王

「ガシッと肩を抱かれて、ズルいです~逞しかったですか?愛してますか?」王妃

「うむむ・・・逞しかったな・・・。あいあいあい・・・」王

「や~ん・・・zzz」王妃

なんだか俺には魔性の者が憑りついているのでしょうか・・・。


翌朝、

俺達は酔い止めポーションで王妃の二日酔いを治して、さっそく船に乗り込んだ。

「レイン・・・。ごめんなさいね!」王妃

「お婆様・・・。ずっと抱きつかれていては・・・。」俺

「やだわ!!私はもうレインと離れられない様です!あなた!さようなら!!」王妃

「駄目じゃ!レイン!ワシも一緒に行く!」王

「あら!あなたは国民を統べる王よ!離れちゃダメじゃない!」王妃

「それは昨日でレオンハルトに譲っておる~」王

「王様に王妃様!!今は緊急時です。国難ですよ!!しっかりしてください。

これが終わればしばらくは一緒にユックリできるでしょうから、

サッサと終わらせますよ!!」俺

「う、うむ!そうだの!!」王

「カッコイイわ・・・。もう。私の孫はこんなに立派に・・・。」王妃

「ほっ・・・。」レオンハルト

(まったく、我慢して何も言わんでやると調子に乗り追って!!

レインに怒られて、ざまあないの!!)ポール

(ははは・・・。爺ちゃん・・・。)俺

(フン!いいから行くぞ!二人っきりでな!!がはは・・・)ポール

そして俺と爺ちゃんで川宿まで船で移動したのだ!

今回は戦闘ありきだからね、予め爺ちゃんは酔い止めを飲んで乗っていたよ。

まあ、やはり川下りの方が断然速度は早くて、3時間程で現場に到着した!

うわ!

ヨツムンガルドのダンジョンの時と一緒だな・・・。

俺達はまずは広範囲に駆除しながら、どこから溢れてきているのかを確認していく。

あれだ!!

少し先の大岩と大岩の間だ!!

そこまで特大の雷で道を開く。

ピカ!!!ドッゴ――――――――――――――――ン!!

俺達は姿を消しながら、入り口に入った。

溢れた魔物は王国兵で何とかしてもらう事にして、

俺達はダンジョンを何とかしなければならない。


ダンジョン内に入ってしまえば爺ちゃんの爆炎魔法が心置きなく使える。

ドッカーンドッカ―ンドッカ―ン!!

爺ちゃん張り切ってるなw

魔物は猿とヘビの魔物が多いように思う。

やっと階段終えて、地下一階フロアに到着だ!

やっぱりギッシリ魔物が詰まってますね・・・。

俺と爺ちゃんは競い合うように手前のサルやヘビの魔物、時々鳥を駆除していった!

ここはヨツムンガルドの所よりも数が多くてちょっと手こずった。

3時間はずっと魔法を打ちっぱなしだった。もちろん爺ちゃんと代わるがわるだけど。


「ふう・・・結構きついの」ポール

「そうだね!一匹一匹は弱いんだけど、数がとにかく厄介だね」俺

「ああ!死体が残らないからまだいいな・・・。」ポール

ゴゴゴゴゴ・・・・。出た出た・・・。次の階段。

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