第59話 グランビークの街

俺達は次の街を目指して、馬車で移動している。

丁度乗合馬車が運航していたようで、乗せてもらえたのだ!

俺と爺ちゃんは、無言のまま、念話も探りを入れずに馬車に揺られた。


夢だ!

そうあれは夢!現実じゃない!と心に言い聞かせながら、

忘れよう!二人は心の片隅に片付けた。


丸一日馬車に揺られ、

ケツが痛くなってくるころに次の街グランピークに到着した!

ここは帝都と港町グランディスをつなぐ商業都市となっている大きな街だ。

俺達は直ぐにこの街の教会に行き、結界を張った。

悪魔の気配はないものの、結界はジュワジュワ周りを浄化している。


俺達はなんだか気持ちの悪い浮遊感が取れないでいた・・・。


宿に入っても、爺ちゃんとはギクシャクしていて、

いつも一緒に入る風呂も二人とも何かを恐れて別々に入った。

それぞれベッドに入るも、

険しい顔をした爺ちゃんの姿をみて俺は悔しくなった!


「爺ちゃん。そんな悲しい顔しないでくれ。」俺

「レイン!済まないな・・・。」ポール

「ポール・・・愛してる」俺

「ワシもじゃ。レイン」ポール

自然とキスをして二人おなじベッドで抱き合った。

濃厚なキスだった・・・。

爺ちゃんはとても嬉しそうに微笑んで・・・。

「ハッ!!」俺

「がハッツ!!」ポール

又かよ!どうしたというんだ!!

俺達はいつの間にか寝ており、又変な夢を見せられたのだ!


「爺ちゃんまた汚した?」俺


「レインもか?」ポール


「うん・・・。おかしいよこれ!」俺


「悪魔か!!」ポール


「分からない!」俺

俺達は、気持ちを切り替えるために朝風呂に入った!

二人でさっぱりして、旅支度を始めようとしていると、

「・・・レイン!」ポール

爺ちゃんが抱きしめてきた!


「爺ちゃん!?」俺

(レイン!愛しておる。愛おしくて愛おしくてたまらん!

お前が望むならどんなことでもしてあげれる!

レイン。ワシはお前のすべてを受け入れるぞ。)ポール


(爺ちゃん。俺も爺ちゃんがとても愛おしいよ!

でも夢のような、あんなことをしたいわけじゃない!)俺


(そうか!俺はお前に全てを捧げている。

レインも、勇策も、どちらもワシの一番大切なものじゃ!)ポール


(俺も爺ちゃんがいつも笑顔でいて欲しい。爺ちゃんの笑顔が大好きなんだ)俺


抱き合うとこうやって包み隠さない本当の心がお互い伝わってくる。

二人の深い心の思いをしっかり感じあったのだ。

決してあんな夢のような性欲だけのものではない、

ただただ、愛おしく、それに見返りは要らなく、この人のためならば・・・

無償の愛そのものだった。

二人して涙を流し、より強く抱きしめあった時だった!

心の奥から熱い何かが溢れ出してきて、二人して発光した!

ピカ――――!!!

・・・・・・・・・パリン!!

ジュワジュワジュワ・・・。

俺達の身体から、ジュワジュワジュワジュワ・・・・

紫の蒸気が抜けていった!!


「へ?」俺

「ほ?」ポール


「あれ?なんかスッキリした!」俺

「そうじゃな!なんか霧が晴れたようじゃな!」ポール


(・・・ちっ菌が死んだか・・・

せっかく良い感じで増殖していたのに・・・くそが・・・。)???


俺達は何かの術にかかっていたようだ!!

ハグハグしながら、爺ちゃんをムニュムニュして確かめた!


「レイン!やめないかクスグッタイ!慰めてくれるのか?

どれレインのもムム!デカイ!」ポール


と爺ちゃんも俺のをまさぐってくる。

お互い反応しない股間にホットしながら・・・。


「いいよ!別に!」俺


「冗談はさておき、ホレ!教会に行くぞ!!」ポール


「そうだね!!行こう!!」俺


俺達はなにか吹っ切れたかのように教会に行き、結界を張った。

この街は大きいため、数か所の主要な所に結界を設置させてもらって、

帝都に向かうことになった!

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