第19話 ファブールの図書館

俺は11歳になっていた。ステータスが変化していて分かった。


俺達は山を下り、街に出てきている。

フォースター領の首都ファブールの街。

魔力覚醒の儀式以来だな・・・1年前か。


相変わらず賑やかだ。

俺は山で静かに暮らすのが好きだな・・・


「ホレ図書館はあそこじゃ!レイン」ポール


「フォエ~!デカいね!」俺


「そうじゃろう!

ワシが頑張って大きなものをと思って建てたんじゃぞ」ポール


「爺ちゃんは立派な領主様だったんだね!」俺


「まあ、そんなこともないじゃろ」ポール


はは!恥ずかしがってる。顔が赤い!

ニヤニヤしてると、小突かれた!


図書館は一人保証金金貨1枚で入館できて、自由に読むことができる。

帰る時に読んだ本を受付に渡して、

破損が無ければ金貨が戻ってくる仕組みだった。

ふぉえ~!


「じゃあな!ワシはギルドにこれを売っぱらって来るからの!

昼めし時に迎えに来るぞ!」ポール


「は~い!」俺


こうして爺ちゃんは魔物の魔石やら皮や牙を売りにいった。

俺は読書をさせてもらいましょう。


「すみません。お伺いしてもよろしいでしょうか」俺


「はい」受付


「この図書館内にある本の、大まかな種目や種類は、

どのように分かれていて、どこにそれらがあるのか、

お教えいただけませんか」俺


「かしこまりました。

まず、当館は1~3階がございます。


・一階:魔物関係、鉱石関係、魔石、素材関係

・二階:魔法関係、魔道具、魔法陣

・三階:鍛冶、木工、調薬、植物、他書籍


となっております」受付


「ありがとうございます!」俺


おお!魔道具だって!?

見に行くしかないだろう!


その前に植物をサラッと見て行こう。

中央の螺旋階段を上って3階に着くと、まったく人が居ない。

どこの図書館も一緒なんだな・・・。

植物図鑑をサラッと見たのだけれど、

やはりどれも、ガルシアさんの本には負けてしまう。

今は魔道具だな!


魔道具魔道具と・・・2階に降りてきた。

おお!少ししかないな・・・。


【はじめての魔道具!】

これを読んでみよう。


魔道具とは魔法陣と魔石を組み合わせて魔法効果を発現させる道具である。

魔石は魔法発動のエネルギーとして。

魔法陣は魔石の魔力から魔法に構築する。か・・・。

うん・・・魔法陣が回路で魔石が電池って感じかな・・・

後は、なんか色々な構造が載っているけど、

直接的な原理に関わるものではない様だ。

これは魔法陣が大切ってことじゃんね・・・。


この本を籠に入れて、

今度は魔法陣学の所を探す。


【はじめての魔法陣学。】見つけた!


魔法陣とは。

古代の遺跡から発見される古代文字を使って構築されたもの。

古代文字は魔法を言語化したものと予想されている。

ただ現在も研究されているが、

その文字がどのような意味を持っているのかは、

まったく解明されていない。


代表的な魔法陣・・・火の魔法陣、水の魔法陣、風の魔法陣、光の魔法陣。

と魔法陣のイラストが描いてあった。

あれ?

古代文字、読めちゃいますけど・・・。

火の魔法陣を見てみると、円の中に古代文字で、

(振動し発熱せよ魔石の魔素を糧に収束し炎となれ)

とかいてあった。

あれあれ?見たことない言語が分かるのですが・・・

これは、俺の言語理解は不思議な力が働いているようですね。


「レイン!昼じゃ。一旦出よう。」ポール


「あ!爺ちゃん。は~い」俺


受付に今まで見ていた本を籠に入れ返すと金貨が帰ってきた。

というかこれで運営できるのかと爺ちゃんに聞くと、

領主が維持費を負担しているんだとか・・・。

素晴らしすぎるだろ!皆もっと利用しろよ!

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