第15話 白い狼の子

ク~ンク~ン・・・

ヨシヨシ・・・


「爺ちゃん?おはよう」俺


「お!レイン!おはよう。こいつらに朝飯やっていた所だ!」ポール


「ありがとう!食べた?」俺


「ああ!野菜をムシャムシャ食べたぞ!

なんだかワシにも慣れてくれてるようだし、可愛いの」ポール


「良かったね~!俺達のご飯は?」俺


「おお待っとれ!すぐに出来る」ポール


パンとサラダと鶏肉のスープだった。

厳つい顔に似合わない、優しい味付けの朝飯だ。

ペロリと平らげて、俺達は直ぐに狩りに行く。

途中畑の様子を見て、

水まきをしてから森の中に入っていくのだが、ソナーを発動する。

小物の魔物は多いが大物は奥にいるようだ。

狼たちは後ろをついてきている。


「レインあいつらに名前はないのか?」ポール


「ああ考えてなかったな・・・」俺


「つけないのか?」ポール


「真っ白の子はシロで、

頭に一個だけ黒いブチのある子はマルにしようかな」俺


「シロとマルか!分かりやすくていいな」ポール


「うん。おいで~」俺


ワンワン!

走って近付いてきた。

「君はシロって名前ね!そして君はマルだ!早く覚えてね」俺

ワン!ワン!


「自由に遊んでいていいからね。」俺


「よしレイン、今日は奥の大物を狙うぞ!奥の薬草も採りたいしな」ポール


「はい」俺


小物を簡単に蹴散らしながら、奥にむかった。

シロとマルは倒した小物の魔石を抜き取り食べているようだ。

肉は食べないけど魔石は食べるんだもんな。変なの・・・。


お?なんかスゲー早い奴が近付いてきている!

「爺ちゃん早いのが真っすぐ来てる!気を付けて!」俺


「なに?グワッ!!」ポール

ドン!と爺ちゃんが吹っ飛ばされた!


「爺ちゃん!」俺


バう!!!

ドン・・・・。


え?なんか爺ちゃんをぶっ飛ばした魔物がつぶれている・・・。

「マルお前がやったのか?」俺


「イテテテ・・・魔フライか!

こいつら早いんじゃが、よく倒せたの!」ポール


「いや、マルがほえたと思ったらつぶれちゃった!」俺


「なに?魔法か!

これは何かに潰されたような跡ができているな!闇魔法かの?」ポール


「重力でも操作したのかな?」俺


バう!

そうみたいだね・・・。

マルは重力操作なんだ!

強力な力だな。シロは何かね。


クウ~ン・・・

爺ちゃんにクンクンしている。


「おお!シロ!ケガを治してくれているのか!

お前は回復魔法を使えるのか!魔物がまさかの光魔法とは」ポール


「マルは重力を操作したみたいだよ」俺


「重力?」ポール


「そうかこの世界にはない概念かもね。後で教えるよ爺ちゃん」俺


この巨大なハエの魔物からは魔石だけを取って、奥を目指した。

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