第103話

第103話 鳥人族の国

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ジャンヌ:騎士団長

フィスト:近衛兵長

サリー:魔法使い

マリン:海の冒険者

ブラド:吸血鬼の姫

ローズ:貴族令嬢

キャッツ:トレジャーハンター

マリア:シスター

リーフ:エルフ

**********


ブラド「?ねえ、あれ、なに?あの屋根の壁?についてるやつ」


8人がブラドの指す先に視線を移します。

神殿の正面に立つ場所からは、屋根の部分が作る三角形の中央に、大きな円形のレリーフがついているのが見えます。

そのレリーフは、ふたりの鳥人が地上を見下ろしている様子が描かれていました。


マリン「見下してるわねー」


フィスト「神殿からしてコレかぁ」


マリア「さすが鳥人さまね」


ローズ「ちょっと(笑)、マリアまで」


キャッツ「マリアにここまで言わせるのがすごいわよ」


神殿の前に立つ一行に、一人の鳥人が飛んできました。

彼はアウルに近づくと、何かを手渡し、すぐにどこかへ飛んで行ってしまいました。

アウルはリーフの方を向いて言いました。


アウル「手紙だよ。ドワーフの里に出した使いが戻ってきたらしい」


彼は手紙に目を通したあと、声に出しました。


アウル「『マリン、ジャンヌ、フィスト、キャッツ、サリー、ブラド、マリア、リーフ、ローズ……この9人はさっきまでドワーフの里にいた賓客だ。丁重に扱え。城は今度直してやる。ごめんなさい』と書いているな」


アウルは手紙を懐にしまうと、再び歩き出しました。

リーフを先頭に、9人は慌ててついていきます。

アウルが階段を昇りながら言います。


アウル「あの砲撃が故意ではないのはわかった。今からは国王様に会ってもらう。オーブを見せる許可をいただかなくてはな」


アウルとその衛兵の鳥人の後に続き、9人が歩きます。

キャッツはもの珍しそうにキョロキョロと辺りを見渡します。


キャッツ「へー!すごいね。お城もそうだけどさ、こんな上空にどうやってこれだけの建材を持ってきたんだろ」


ローズ「建ててから浮かべたんじゃない?」


ブラド「おー!確かにー!」


マリア「やっぱりローズって頭いいわよねー」


サリー「そっか、この浮遊石の結晶の元になった、おおきな浮遊石が、ここにあるのかも」


マリン「海に浮島ってあるけど、ここは空の浮島ってわけね」


キャッツ「ね!見て、この神殿、すごい端っこにあるみたい!」


フィスト「なんなのよ、すごい端っこって」


ローズ「わ!ほんとだ!地上が見えるよ」


リーフは8人のやり取りが気にはなるものの、一緒に下を覗こうという気にはなりませんでした。


リーフ(下……絶対見たくない……)


アウル「さて、エルフのお嬢さん、ここからは特に静かにしてもらえるかな」

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