第101話

第101話 鳥人族のこだわり

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ジャンヌ:騎士団長

フィスト:近衛兵長

サリー:魔法使い

マリン:海の冒険者

ブラド:吸血鬼の姫

ローズ:貴族令嬢

キャッツ:トレジャーハンター

マリア:シスター

リーフ:エルフ

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リーフはこれまでのいきさつを語り始めました。

アウルは黙って聞いています。


リーフ「ドワーフの里にあったレッドオーブは、仲間のマリンに託されました」


マリン「そーゆーことよ。見たい?」


マリンが首から下げたキューブのチェーンをつまんで見せましたが、アウルはそちらをチラリとも見ません。


アウル「なるほど……ここにオーブがあることを知っているのも当然か」


マリン「チッ……なによ」


アウルはしばらくうつむいて、口を開きました。


アウル「ついてきなさい。オーブを見せてあげよう。君、開けてくれ」


衛兵「!?……は、はい!」


衛兵が牢を開けました。

アウルと衛兵数人は9人を見ることなく、歩きはじめました。

9人はリーフとジャンヌを先頭に、鳥人たちについていきました。


ブラド「ここって、お城のどの辺なんかな?」


マリア「ブラド、見てなかったの?ここはお城から少し外れた建物の地下よ?」


フィスト「城の真下で罪人を捕まえとくのも気持ち悪いんでしょ?」


キャッツ「高飛車なわりに肝は小さいのね」


サリー「キ、キャッツちゃん……」


キャッツ「いいじゃん、無視してくれてるんだからさ。それにこっちが黙っとく義理はないわよ」


ローズ「でもほんとに、私たちのことはいないみたいに無視してるね。ある意味すごい……」


リーフが後方のやり取りを気にしながら、アウルに話しかけた。


リーフ「あ、あの……オーブはお城に置いているんですか?どなたか、見張りを立てて」


アウル「…………ふふふっ、こちらから情報を引き出す腹が見え見えだよ。そういう『良くないこと』は、森の外で覚えたのかね?」


キャッツ「うわーすごい。よくまぁここまで私たちの存在を排除したまま会話できるわね」


サリー「頭いいんだねー」


老いた鳥人は短い沈黙を挟んで、再び口を開きました。


アウル「今城には誰もいない。オーブはこの国の神殿にある祭壇に祀ってある」


リーフ「城に人がいないって、そんなこと、あるんですか?」


アウル「……今の国王様のご意志だよ」


ジャンヌ(喋らなくてもいいことをスラスラと……ずいぶん不満がありそうね)

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