第13話工場を建設
バレイ都市から新たに募集にこたえて、6家族がやって来た。
6家族はスラム出身で、新たな希望を託して俺の村にやって来た。
道中の費用や冒険者の護衛も、全て俺が負担することに成っている。
ロバートを来た家族の世話役に任命。
今その家族に家を案内して相談にも乗っている。
ロバートには農業の教育を頼み、奥さんのマリアには女性陣の相談役と弓の訓練を頼んだ。
俺は野生の馬を飼いならして、荷馬車を引かせている。
初めての大豆をバレイ領主に収める為にバーラーの町へのんびりと運んでいる。
荷馬車も異世界通販で購入。
バネで上下の揺れも軽減され、乗り心地は良い。
ジニーが倉庫の前で待っていた。
「それが村で収穫された大豆か?」
「ああそうだよ。いい大豆にそだったよ」
次々と倉庫に運ばれる大豆の袋。
「5袋はオルド執行官に渡してくれ」
「本当にいいのか?調べて見たが高く売れそうな大豆だ」
「お世話になってるからな。それでは帰らせて貰うよ」
「元気でなーー」
村に戻るとロニード商会のバーモンドが来ていた。
倉庫から荷馬車10台に大豆の袋を積み込んでいる。
ロニード商会は何処で知ったのか、大鏡を仕入れる為にバレイ都市からやって来た。
余り沢山売れば、バレイ領主もいい顔をしないだろうと思い、年3枚売る契約を交わした。
その伝手で今回の大豆も、ロニード商会に売ることにした。
バレイ都市でも2位を走る商会で有名。
後で知ったのだが、バレイ領主と遠い血縁関係らしい。
まんまとしてやられた気分だ。
なんとかギルドの伝手を頼って、ここからも近いマロンニーの港町の商業組合と商売の話しを開始。
ロニード商会と商業組合に分散して販売する。
リスクの分散が目的で、商業組合とようやく契約を交わした。
機械化の農業と腐葉土や化学肥料の導入。
それとこっちの種をまくと、更なる成長速度が速まることが確認され驚いた。
それも収穫量が2倍にも成って笑いが止まらない。
まだまだ知らない事が多い。
その為に、機械に合わせて栽培方法を試行錯誤して栽培を確立してゆく。
その中のサテン大根は、すり潰して絞ることで砂糖もどきの甘い汁が出来る。
この世界にも砂糖はあるが外国産で、薄い茶色で値段も高く一般には手が出せない。
その代用に使われるのがサテン汁。
俺はサテン汁をもっと甘く出来ないか、異世界通販で色々調べた結果。
【超高速遠心分離機】を購入した。
筒を高速で回転させ遠心力で、比重の小さな液体を内側、比重の大きな液体または個体を外側に分離する。
液は連続注入可能。遠心沈殿を利用して分離困難な混合液を短時間で完全分離がこの機械の特徴。
出来上がった液は非常に甘く合格点。
残った固体は丸型で貫いて、丸い板にして焼きあげると美味しい菓子の誕生。
この菓子は村の子供達にも人気であった。
しかし液状は、色々な面で保存には向いていない。
そこで又も異世界通販で調べた結果。
【多段旋回気流乾燥粉砕】を購入。
高速の渦流中で水分を含んだ物を瞬間的に乾燥して粉砕してしまう。
野菜・果物・魚・肉なども瞬時に乾燥して粉砕。
出来上がった粉は、熱湯に入れるとすぐに溶けてその味わいを出すスープになる。
女性陣に瓶詰めにして、販売を開始している。
始めは塩化ビニール袋に詰めて販売しようかと考えたが、塩化ビニール自体がこの世界では異質。
従来の瓶詰めに変更。この世界で売られている瓶は使わず。
異世界から購入した密封が容易な蓋付き瓶。
今では瓶欲しさに購入する人が増えている。
今流通している砂糖の価格と同じ価格で販売。
安くすると販売していた商店からクレームが付きそうで、出来るだけ問題を大きくしたくない。
同じ価格でクレームを言えば、難癖でしかなく商業の道に反する。
商品名も白砂糖にして、上流階級に広まりつつあった。
バレイ領主には、必要経費を引いた金額の3割を納める事になっている。
本当は収めたくないが、他の領主の横槍を防ぐ後ろ盾をしてもらう為だ。
この機器を設置するに為に、村全員を導入して工場建設を行なうことに成った。
基礎の地盤から始まり鉄筋の扱いも教えて、大工仕事の枠組み作りも教えて作業を開始。
ここで重要なのは、異世界通販で重機レンタルが出来る事だった。
異世界通販の取引き回数1万回プレゼントで、新たに加わった機能。
大型コンクリートミキサーで地盤のコンクリートを一気流し込んだ。
固まるとクレーンでH型鋼を吊るして、工場の柱にする。
この中でレベルの高い俺が、高所での作業を一手に引き受けた。
壁には壁材パネルを使用。
出来上がった工場内に機械を出したが、思うような位置に設置できない。
重い機械の為、人の力で簡単に動かせない。
ユンボで何とか出来ないかと思考中に、ララが無魔法で運べると言った時には驚いた。
あの重い機械を10センチ浮かせて、言われた位置に正確に設置。
この工場。色々と開発して粉末の【旨みだし】を瓶詰めにして販売。
庶民でも手が届く価格で販売。一躍ブームになった。
更に村民も増え、農業も商品販売も順調。
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