9-26【村以外の町へ2】
◇村以外の町へ2◇
予定としては、【トリラテッサ】に昼までに到着し、ミーティアたちが村に着くであろう夜までに村へ帰る事だ。
なのだが……これは無理かもしれん。
「えへへ、楽しいね!ミオにいちゃんっ」
「……だ、だな」
ガラガラと荷馬車を
いくら駄目だって言っても、聞かないんだもん……俺のせいじゃねぇし。
乗る為の馬車ではないし、俺は隣に居るよ。歩いてるだけだけど。
「ミオにいちゃん、リアも今度から戦うからね」
「――え、急にどうしたんだよリア……駄目に決まってるだろ?」
「や!!リアも戦えるもんっ」
いやむくれられても。
戦力なのは理解できるし、実際強いんだ……だけどまだ九歳、もう直ぐ十歳くらいか。
「気持ちは嬉しいけどなぁ……危ないし、それにまた戦いが起こるとも言い切れないし」
いや……戦いは起こる。
王国は絶対にまた、俺の前に現れる気がする。
それが聖女か、それ以外かまでは分からないが、聖女もあのままで居るとは思えないんだよな。
「む~、リアも戦えるのにぃ」
意外と聞き分けはいいんだよなぁ。
いい子なんだけど、少し危うい感じ。放っておけないんだよ。
「リアは、故郷……お家に帰りたくはないのか?記憶、戻ったんだろ?」
「お家は分からない。
一ヶ所に留まらない
つまりリアの家族も、今もどこかを旅している可能性がある訳だ。
偶然出会ったりしないだろうか……いや、都合よすぎな考えか。
「まぁリアがいいなら、いつまでも村に居ていいからな。戦いは別として」
「うん!!」
◇
荷馬車を笑顔で引っ張り、休憩も挟まずに進む俺とリア。
途中、魔物が出たが……【
しかし気付く。リアがガチの戦力になるのか、試せばよかったんだと。
勿論最大限の安全を
「……こりゃ夜までに帰るのはキツイかなぁ」
「??」
俺の独り言に、リアはきょとん顔で首を
君の事を考えてんのよ。
幼いとはいえ、そこは最強種族【
鍛え方によっては、きっと子供でも戦える。
俺としては極力戦わせたくはないが、自衛と守護を出来るのなら、これほど頼りになる種族はいないだろうと結論。
「リア、魔物だ」
「あ!ボアボアっ!」
そう
「戦えるか?」
「うん!リアやる!!」
目を輝かせちゃ……って!紫色に変わってる!!
もう戦闘楽しみで仕方ないじゃん!いいのかこれ!?
戦闘狂【
俺は知らしめられることになる……【
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