3-75【煉華1】
◇
「――だあぁぁぁぁぁぁああっ!馬鹿ぁぁぁぁ!」
ズッッスーーーーーン!!
と、俺の頭上から降ってきた大きな影。
その正体は、クラウ姉さんが中途半端にダメージを与えて落としたと思われる、【グレートワイバーン】だった。
「――へ、平気か!?ミオっ!」
ジルさんの心配する声が聞こえる。
煙で姿は見えねぇけど。
「だ、大丈夫!ですっ!」
「――そうか、なら立て直せ!そいつはまだ生きているぞっ」
「……はいっ!!」
俺は
上空ではクラウ姉さんが、俺を確認して両手を合わせていた。
ねぇそれどっち?ごめん?それともご
「……クラウ姉さんっ!気を付けてくれよ!」
小さく「ごめん」と返ってきた。
まぁ、わざとじゃないよな。
それにしても、よく一人で戦えるもんだよあの人。
本当なら、俺が【
女神さまさまだぜ。
「っと!……お前もそう思うのか?大変だよな、あんなじゃじゃ馬を相手にするとさ?」
起き上がってくる【グレートワイバーン】。
右翼をもがれ、フラフラだ。
落下のダメージもあるだろう。
でも、油断はしない……俺にだって、まだやれることがあるんだ。
せっかく目覚めた
「――ジルさん!ジェイル!そっちの魔物は任せたっ!!俺は、こいつをやるっ!」
「心得たぞミオっ!しっかりやれっ」
うん、分かる人だねジルさんは。
ここで援護でもされたら、俺の見せ場が無くなっちまうからな。
皆全力で戦ってくれているんだ……俺だって、やってやる!
「……行くぞ、俺の新しい力――【
【カラドボルグ】を左手に持ち替えて、右手の平に集中する。
心の奥底から引っ張ってきた能力の一つ……【
その力を見せてやるっ!
「……炎よ――燃え盛れぇぇっ!!」
俺が
真っ赤じゃない所が、俺らしいな。
ところで【
この能力の正式名称は、【
パーガトリーって確か、
そこに咲く炎の華……ってとこか?
ふふふ……カッコイイ。厨二心がくすぐられるっ!!
「……ワイバーン。そのデケェ身体、斬られるのと燃やされるの、どっちがいい?」
左手に【カラドボルグ】、右手に【
うん。もう完全に厨二病です。
ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁ――!!
ワイバーンが
御大層に
だ、だが――
「やってやる……俺だって、クラウ姉さんに負けてられるかよっ!!」
俺にはもう、そんな事しか考えられなかったよ。
だってさ、もうこのデカトカゲなんかに負けるビジョンなんて……ねぇもん。
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