3-53【皆で朝食を4】
◇皆で朝食を4◇
リビングには、追加で大きなテーブルが運ばれた。
いつものテーブル一つだと足りなかったんだよ。
だから俺が【
なので不格好だから、文句は言わないで欲しい。
「よっと……」
持って来たテーブルを置くと、ゴン――!と、少し大きな音が鳴ってしまう。
当然、そんなつもりはなかったが。
「こら、もっと慎重に扱いなさいっ!」
「……分かってるよ」
父さんに怒鳴られた。
そこまで言う事ないだろ、わざわざ俺が用意したんだぞ?
そんな態度取られたら、反抗心出ちゃうじゃんか。
「――ちっ」
あ、やべ……舌打ち出ちまった。
「――ミオっ!!何だその態度はっ!」
あーはいはい。無視だ無視。
十四歳の身体は正直だね。
精神年齢は四十四のおっさんだけど、身体は少年だ。
脳から父親に反抗する年なんだよっ!
「――あなた。大きな声出さないで?……お客様もいるのよ?」
母さんは分かってくれるよな。
「しかしだなレギン……村長の息子として」
「……」
最近はいつもそれだ。何かあれば村長の息子、農家の息子……おい、なんだよそれ。確かにその通りだよ、大正解だ。
でもさ、勝手に俺の未来を決めたような事、言うなよ。
自分でも思ってるさ、将来はそうなんだろうって……だけど、思う事と思われる事は違う……違うんだ。
「……あなた」
俺は無視をして準備をした。
二人の話も、右から左に聞き流してさ。
◇
いつものテーブル、そして新しいテーブルを繋げて、まるで宴会だな。
いや……朝食だぞ?
「美味しそうだなぁぁぁ……じゅるり」
ジルさん、相変わらずうちの野菜を大好きでいてくれてありがとな。
「ジルリーネ……
「おっと!すみませんお嬢様……つい」
こんなに大勢で食卓を囲むのなんて初めてじゃないか?
父さんを時計回りに、母さん、レイン姉さん、コハク、アイシア、俺、アイズ、ミーティア、ジルさん、ジェイル、そしてクラウ姉さんだ。
ジェイル……しれっといるじゃん。昨日どこで寝たんだ?
クラウ姉さんは父さんの隣を嫌がってたし……めちゃくちゃアイズを見てる。
俺は……まぁ発見者でもあるし、アイズを隣に置くのは普通だとして、ミーティアがアイシアに俺の隣を
「では、頂こう……」
いつもの食事の
家族以外もいるし、別に宗教じゃないからな。
まずは腹ごしらえだ。そして、アイズの話を聞こう。
◇
食事を終え……第一声。
「改めまして、昨日はご子息さまに危ない所を助けて頂きました。誠に感謝申し上げます。
ねぇ誰これ。
背筋をただし、深々と頭を下げるアイズだった者……その姿に、ポンコツの面影は一切ない。
「旅の途中、まさか盗賊の縄張りがあるなどとは思いもせず、踏み入ってしまった
俺が設定した事を話すだけなら、噓とは違う。
自分が体験してない噓を言うのと、誰かに言われた噓は、大きく違うらしい。
盗賊なんて本当はいないが、それは俺が決めた噓であって、アイズは一切知らないんだからな。
やりようでどうとでもなるもんだ……
それにしても……こ、心にもない言葉をスラスラと言うじゃないか、なんだコイツ。
だけど、これには父さんも母さんも、嬉しそうだ。
あ~……クラウ姉さんは俺の心の中と同じ顔してるなぁ。
だけど、どうするつもりなんだアイズ……お前、これからここに居座る気なんだろ……?そんな
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます