3-36【個人的に始めさせて頂きます】+用語5
◇個人的に始めさせて頂きます◇
魔力切れで気絶したクラウ姉さんを部屋に寝かせて、俺たちは夕食を済ませた。
父さんは
本当に、
そんな両親は今、リビングでミーティアとジルさん……そしてジェイルと話をしている筈だ――そう、筈だ。
こら、別に追い出された訳じゃねーよ。
なんでも、ジェイルが父さんと母さんに
きっと、俺には見せたくないんだろうさ……父さん母さんはな。
仮にも息子を痛めつけた人物だ。
それが、目の前にいるんだ……気持ちは分かるよ。
だからって……なんで外にいるかって?
それは――これさ。
「……さてと。一人だし、勝手に始めちゃおうかね」
ジェイルが持って来た資材を、俺は一人で運ぶ。
誰にも見られていない、暗~い夜に。
資材である加工された木材を、【
もう割り箸だよこれ。
それを、家の隣に並べていくのだが。
「どんな家がいいって……なぁ」
「任せる!」それがジルさんの一言だった。
もう無責任なんだよ……ミーティアも「可愛いの」って言うけどさ、俺にはそんなセンスはないからね?
そんな事を思い出しつつ、まずは
「う、う~ん……」
置いた木材を元の大きさに戻し、土台となるようにしてみるのだが。
どうも違う。これではただ並べただけだ。
「切ないねぇ」
土台さえまともに設置できない自分のセンスに、ダメージを受ける俺。
「こう……か?」
今度は、自宅を参考にして床上式にしてみる。
柱を立てる様にし、その上に木材を並べていき、接地面の数値を固定。
さっきよりはマシだ。
「――そのまま家と同じでいいんじゃないの?」
「まぁ……そうなんだけどなぁ」
それも考えたよ。
お
「――なら、二階建てにしたら?」
二階建てか……この村にはないな、そう言えば。
【ステラダ】では当たり前のようにあるんだし、あってもおかしくはないな。
うん、いいかもしれないな……その案、頂こう。
サンキュー、誰か知らんが――って!!
俺が慌てて振り返ると、そこには小さい女の子が。
「――コ、コハク!?」
「うん、なに?」
いつからいたんだよ、この子は!
あれ、俺……変な事言ってないよな?
「コハク、いつからいた?」
「――勝手に始めちゃおうかねってとこからだよ。ミオ」
ニッ――と笑う妹の笑顔に、俺は内心ガックガクになりながらも、心の中で叫ぶ。
初めからじゃねぇか!!……と。
――――――――――――――――――――――――――――――
・【澪から始まる】用語その5
【クラウソラス・クリスタル】。クラウの使う光の剣【クラウソラス】の、実態バージョン。発動名は【
実体が無かった【クラウソラス】に、魔力を
見た目は薄緑色の刀身で、鏡のように反射する。
が、現時点では非常に魔力の
使用を続けるほどに魔力を消費する状態である為、まだ未完成ともいえる。
魔力を爆発的に注ぐと、刀身が爆発し鏡が散らばるような状態【ミラーリフレクション】を引き起こす。
その破片一枚一枚が、魔力を反射する鏡となっており、【
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます