2-51【知ってるだろ?知ってるよ】
◇知ってるだろ?知ってるよ◇
俺とアイシアは、大量のアボカドを
俺は背負うタイプの物を、アイシアは
これは、【
だから、
「これくらいあれば、皆に食べて貰えるね!」
「……うん。だね」
あーやばい。自然とアイシアの口元を見ちゃうんだが。
【
操作に慣れてきたら自動ドアみたいになって来たな。と言っても、操作してんのは俺だけどさ。
気づかれないようにやったらそう見えるってだけで。
「じゃあ、行こうか」
「うんっ!!」
いい笑顔で言うなぁ、もう気にしてないのかい?
俺は更に気にしちゃってんのに……女の子の切り替わり、凄いね。
◇
時刻は昼前だった。
当然村の皆も起きていて、それはうちも、アイシアの所もそうだった。
「父さん……」
「おっ、ミオか……朝からいなかったが、
俺の背の
「うん、ちょっとね。これを食べてみて欲しいんだ。っと……」
どさりと置かれる
触り、嗅ぎ、あちこち
「どこで……?」
「えっと……裏山、かな」
種を拾ったのは裏山だし。
あらかじめアイシアにも言い聞かせてある。
そのアイシアも、少し遠くにいた自分の母親、リュナさんを呼んで来た。
「なになに~……もう、引っ張らないでって」
「だって!ママっ!凄いんだから……新しい野菜?だからっ」
強引に引っ張って来て、リュナさんもしんどそうだ。
俺は「お疲れ様です」と頭を下げ、リュナさんにもアボカドを渡す。
「食べてみて欲しいんです、これを……二人に。後、母さんと……クラウ姉さんにも」
名指しです。クラウ姉さんには
だってそうだろ?クラウ姉さんは、絶対に知ってるんだ……アボカドを。
しかも長年の経験で、どうやらクラウ姉さんはベジタリアンだと分かっている。アボカド好きかも知れないって予測も出来るもんだ。
正直言えば……反応が見たい!
「分かった。呼んで来よう……」
父さんは真剣な顔で家に戻った。
皆を連れてくるはずだ。
◇
「こ、ここ……これって……!」
開口一番、これだよ。はい黒確。
クラウ姉さんはアボカドが好きです。
「知ってるの?」
俺はわざとらしく、クラウ姉さんに聞いてみる。
「え?いや……は、初めて見るなぁ~」
だからさ……これの名前と、切り方とかをそれとな~く実演してくんないか?
「クラウ姉さん、これ切って見て?アイシアが切ってみたんだけど、ぐちゃぐちゃになっちゃったんだよ」
先手を打っておこう。
「いや、でも……」
お、渋るのか?
「大丈夫です!クラウさんなら切れますよっ」
アイシアナイス~。
「あ~もう、はぁ……わ、分かったわよ……」
そしてこの村に……初の名物が誕生する瞬間が
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