1-63【協力してほしいんだ】
◇協力してほしいんだ◇
「お、女……って、それじゃあ」
やっと分かってくれたレイン姉さん。
顔を赤や青に変えて、考えを巡らせているようだ。
まぁ
「ミオ、あまり時間がないよ……急がないと」
「あ、うん……」
どうでもいいが、クラウ姉さんは隠す気あんのか?転生者だって事。
もう今日のクラウ姉さんは別人だよ?あぁいや……それを言ったら俺も同じか。
盗賊の行動理由や村が
これは最悪、クラウ姉さんには話さないといけないな……
「――レイン姉さん。僕を……僕たちを通して?」
「で、でも!……子供が何かできるような事じゃないよっ、少し待てば、大人が……」
ごもっともなんだよなぁ。正論だよ。ド正論。
十歳と十三歳に何が出来んねんって話だもんな。
「――大丈夫。私に考えがある。パパには黙らせられたけど……」
あ、クラウ姉さん根に持ってるなコレ。
この事件が片付いたら、親子関係が不安だよ、まったく。
まぁ――それも無事に終われば……の話だけどさ。
◇
俺たちは盗賊の所に向かうと。
だけど、別に危ない
――うん。これは
「それで、クラウの考えって……?」
「……残念だけど、ここでは言えないの」
いや、なんでだよ。
俺と同じ
「ど、どうして?」
「……ごめん。そういう
――!!……まさか、能力か!?
考えって言うのは、クラウ姉さんの
って事は、クラウ姉さんはもう自分の能力を
そう言えば、この人は俺に比べて自由だな……一人の時も多いか。
「で、でも……それじゃあ
そりゃそうだ。言ってくれないと信用できないよな。
クラウ姉さんは言葉足らずだ……これではレイン姉さんでも聞き入れられないはずだ。
“信頼はしても、信用するな”。“言葉は尽くしても、心は尽くすな”。
それが人との上手い付き合い方だと……俺は思っている。
だからレイン姉さんの場合……そうだ。
思ったことを、そのまま告げればいい。
「――レイン姉さん、クラウ姉さんの言うことが納得できないなら……僕の言葉を聞いて。僕は、レイン姉さんに協力してほしいんだよ」
「「え?」」
クラウ姉さんもそこまでは考えなかったのか。
俺はクラウ姉さんからの視線に
「きっと、父さんは見に来るよ。僕たちが大人しくしているかどうか……そこの窓からさ」
部屋
床上式のこの家の窓は、立った大人が背伸びをすれば
抜け出さないか、見に来てもおかしくはない。
「だからさ、レイン姉さんにはあの窓を
レイン姉さんだけは、父さんに協力していると見せて欲しいんだよ。
「――それで、屋根裏から出ていくって言うのね……」
そう……だから、レイン姉さんには俺たちを
しっかりと妹と弟を見張る……長女の役目を、
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