第74話 お礼

ぜひお礼をさせてください。

「そのお礼はやっぱり竜宮城? 選択肢はほかにないの?」

竜宮城はお嫌ですか?

「嫌ってわけでもないけど、できたら選びたいかな。選択肢がないと強制感があるから」

わたしの一存ではご返事できかねます。しばらくお待ちください。乙姫様に確認して参ります。


そういって亀が海へ潜って行ったのは、さあ、何十年前のことになるか。おそらく、わたしが死ぬまでに戻ってくることはないんだろうな。

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