第100話 『解放するリリース』
「バビロン、貴様は、此処でッ!!」
伏見清十郎が叫ぶ。
「俺の、やる事は、変わらないッ」
殺してやると、狩人に敵意を向けて夜行武光が言う。
「化物が、儂の前に現れおって、根切にしてくれる!!」
浅深一刀斎が憤り。
「取り合えず、化物退治っすよ、先輩がたッ」
紀之國冥がそう言って岸辺と角狩に言う。
「あぁ」
岸辺玖が体に力を籠める。
「……いや、違うな」
そう告げる、角狩。
岸辺玖に顔を向けて。
「お前が、俺を超えるかどうか」
「あ?」
岸辺玖に向けて、狩猟奇具を構える。
そして、手に握り締める注射器を首へと向ける。
「ノルマだ、お前にとってのな……俺とお前は、同じだ。だからこそ……越えなければならない、岸辺玖か、角狩か……あの化物を倒す狩人がどちらになるか」
「何言ってんだ、テメェ」
『玖……あぁ、私は、どちらを手に掛ければ……いや、もう……どちらでも、いい』
狩衣を着ていた東王子月千夜は、狩衣を脱ぐ。
ぷしゅう、と音を立てて、拘束が解除されると。
彼女の姿が露見される。
「――――お前を殺して、私も、死のう」
東王子月千夜は、目を真っ赤に腫らした顔を浮かべて、そう呟いた。
全て同時。
全員が首に向けて注射器を向ける。
化物の体液が肉体に循環。
血管と同化しつつある狩人の原動力である化石へと到達。
肉体が変貌し、眼から赤涙を流し出して背中から隻翼が生え出す。
十人十色、夫々が様々な形状として武装展開を果たす。
岸辺玖が吼える。
「
背中からギロチンの刃を噴出させる。
角狩が口遊む。
「
額から仮面を形成し、手に握り締める狩猟奇具は大型の斧と変える。
夜行武光が叫ぶ。
「
その身を覆う片腕の鎧、狩猟奇具は一太刀の曲刀へと変わる。
紀之國冥が喋る。
「
二つの狩猟奇具が混ざり合い、完全に一つの武器となる。
彼女の背中から生える隻翼は、白と黒の色をした翼となって生える。
浅深一刀斎が怒声する。
「
皮膚から化漿が噴出すると頭部を覆うヘルメットとなる。
握り締める細長い竿の如き刀身は以前顕然のまま。
伏見清十郎が告げる。
「
口元を覆い隠す化漿。背中から生える隻翼は二つの触手。
片腕に絡まり磁極のSNの様に二股となる。
東王子月千夜が啼く。
「
自らの体をドレスの様に覆う隻翼。
化漿に食いつくされるかの様に自らの肉体から化漿が噴出していく。
角斬が声を漏らす。
「
全身から噴出する化漿、肌を突き破り白く滑らかな牙が生え出した。
肉体を変貌させる狩人たち。
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