第54話 新婚旅行の夜2

 その夜の、営みの時間……。


 二階広間に七人分の布団が並べられている。

 この部屋は角部屋で、下の階にあるのは風呂である。よって、多少大きな声を出しても、迷惑にならない。

 まあ、もともと貸切状態なのだから、他の宿泊客はいない。

 ただ、隣の部屋は空き部屋ではない。真奈美が寝ていた…。


 今日の順番をどうするかという話になり、本日一番の功労者、恵美の意見に従うことになった。


「え~と。どうしようかな~。でも、新婚旅行として来ているから~、やっぱり、正妻様から番号順でいいんじゃないですか~」


 皆、この意見に賛同し、早速、舞衣から始まった。

 場所が違うといっても、いつものように、みんな同じ部屋での交合。

他に何か変わったことがあるわけではない。

 いつも通りで、十分満足させられて終了した。


 次の祥子も同じ。


 そして恵美の番となった。


「さあ、今日一番の功労者だ。ご褒美だよ」


 慎也は恵美の顔の前に、人差し指を立てて見せた。


「ひ~っ。ほ、本気だったの~?! 冗談やめてよ~。それ、ホントに、ご褒美じゃなくて、拷問だから~」


 みんな笑っている。


「何で? 痛いわけじゃないでしょ?」


「痛くは無いですよう。とてつもなく気持ちいいんです~。

でもね、それを通り越してしまうの~!

燃えるようにアソコが熱くて寝られなくなるし。翌日もジンジンするし~」


 舞衣と祥子も、ウンウンとうなずいた。


「なるほど…。二日酔いみたいな感じかな…。飲んでるときは良いけど、後が大変って…」


「う~ん。ちょ~っと違う気もしなくは無いけど~、まあ、似たようなモノなのかな~」


「ということはだよ。程度の問題じゃないかな。

少しだけなら、気持ちいいだけで終わらない?」


 杏奈と環奈が布団に横になったまま、二人でボソボソ話す。


「どうかな? 少しだけでも、強烈だったけど……」


「そうよね。翌日までジンジンすることはなかったけど。でも、十分強烈よね……」


 この二人は、もともと少し入れられただけで、フィンガーアタックで失神させられたことは無い。


 恵美は少し考えている。そして結論に至った。

 慎也の右手を取り、人差し指を立てさせ、


「よろしくお願いします~」


「うわ、チャレンジャーだ」


 舞衣が茶化す。

 みんな布団から起き上がり、注目した。


「ちょ、ちょっと、待ってよ~。そんなに見られると恥ずかしいじゃないですか~」


 あせる恵美を無視して、慎也は唇を合わせた。

 ネットリしたディープキス…。


 控え目な胸の膨らみを……。

 いつもより注目される中での行為に、恵美はいつも以上の興奮を覚えた。


 秘部を優しく…。


 そして、指が入ってくる。


「あ…。ああ……。んっ! あ……」


 慎也の指が、恵美の中で動く。


「は~っ、あ、凄い、ダメ、ダメ、ダメ。もうダメだってば! イッちゃうよ~!」


 二十秒も経っていないが、恵美はギブアップのようである。

慎也は指を抜き、恵美と繋がった。


「ひいっ、あ、だめ~、もうイッちゃうの! あ~!」


 恵美はもう果ててしまう寸前である。

 慎也は一旦動きを止め、唇を合わせた。

 恵美の方から舌を入れてくる。

 互いに吸い合う…。


 そして唇を離し、またゆっくり……。


「あ~、いい。とってもいい~」


 ………。


「あ、ダメ、イク。もうダメ。あ~、あ、あ~!!」


 恵美は激しく体を痙攣けいれんさせた。

 慎也も、それに合わせるように精を抽入した。


「チャレンジャーさん。感想は?」


 繋がりを解いての慎也の問いかけに、恵美は布団で顔を隠しながら、答えた。


「イジワル……。気持ち良かったです~。ものすごく……」


 まわりから、どよめきと拍手が起こった。




 隣の部屋。真奈美は眠れなかった。

壁越しに漏れてくる声が気になって…。


 民宿の壁は、そんなに厚くない。

さっきから、あえぎ声が続いているのだ。


 最初は舞衣。次は祥子。そして自分の娘である恵美の激しい声。

さらには拍手?

 いったい隣は、どういうことになっているのか…。

 あの時、見ると言えば、見せてもらえただろうか。

 いや、いくらなんでも、娘の・・・を見るなんて。でも気になる。

 それに、


 (フィンガーアタックって何?…)




 慎也たちの部屋では、沙織の番となっていた。


「あ、あの…。皆さんがフィンガーアタックを怖がってるんで、とんでもないモノだろうなと思っていたんですけど…。

実は、私だけしてもらってないんですよね……」


 言われてみればそうだ。沙織はフィンガーアタックを受けていない。

 布団から上半身だけ起き上がった状態のまま、舞衣と祥子、それに杏奈と環奈がそれぞれ顔を見合わせた。そして、互いにニヤッと笑って、一斉に慎也を見た。

 沙織も、周りの反応に気が付いた。


「あ、いや、ダメですよ。拷問は!

でも、少しだけなら気持ち良いみたいだし、私だけ全くしてもらってないってのも、不公平かなと思うんですよね!」


 外野が一斉に頷いた。


「チャレンジャー二人目だ。祥子さん、気の注入お願い!」


 舞衣の要請に、祥子が元気に応じた。


「よし来た」


 祥子は嬉々として慎也に唇を合わせ、気を注入してくれる。そして、終わった瞬間、沙織に分からないようにウインクした。

 慎也の頭の中には、舞衣の声が響いた。


…『慎也さん、沙織さんにも、十分、フィンガーアタックを堪能させてあげて!』


 舞衣を見ると、怪しく笑っている。

 双子も目を輝かせている。


(…こいつら、悪いヤツらだな~)


 あきれながらも、慎也にも悪戯心いたずらごころが芽生えてしまった。


「よし、じゃあ、沙織さんにも、ご褒美だ。車の手配とか頑張ってくれたからね」


「よろしくお願いします」


 顔を赤めながら、恥ずかし気に言う沙織に唇を合わせた。

 舌をからめ合い、吸い合う。


 豊かで張りのある胸を……。


 秘部を………、そして…。


 指が入れられたとたん、沙織は体に電気が走ったような衝撃を感じた。


 指が出し入れされる。

 中身をねまわされる。


 痛くは無い。気持ち良い。


 ……とても気持ち良い。


 ……とてつもなく、気持ち良い。


 ……いや、気持ち良いのを通り越す、なんとも表現不可能な感覚!


 ……体液が沸騰し爆発してしまいそう!


 ダメだ! これはダメ! 限界!!


「ひゃ~!! ダメ、ダメ、ダメ、もうダメ! 死んじゃう~!! イヤ―!!」


 沙織の絶叫。そして体を大きく痙攣けいれんさせた。

 慎也は指を抜き、すぐに沙織と繋がった。


「あう~、だめ、許して~!」


 そう言われても、まだ終われない。


 ………。


「あ~ダメ、ダメ、ダメ~!!」


 再び絶叫し、沙織は失神した。

 慎也も何とか精を放つ。


 その射精中、外からドアが叩かれた。


「なんか、すごい叫び声がしたけど、大丈夫?」


 真奈美の声だ。


「大丈夫よ~、母様~。沙織のあえぎ声だから~」


 恵美が大きな声で答える。

 慎也は恵美の返答にむせ、沙織と繋がったまま、その発言主を軽くにらんだ。


「喘ぎ声って……。悲鳴みたいな、凄い声だったわよ」


「大丈夫だって言ってるでしょ~。フィンガーアタックよ、フィンガーアタック~!

開けちゃだめよ~。沙織のセックス中だから~!」


(フィ、フィンガーアタック……。

フィンガーアタックって、いったい何なのよ~!)

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