第15話 舞衣の嫉妬2

 四月二十四日、五日目。


 朝食後は、釣りと畑での収穫だ。そして、その後は、舞衣たちを妊娠させるための、大事な大事なお勤め…。


「舞衣さん、君が何かすると、気持ち良過ぎてすぐに射精しちゃう。だから、今日は何もしないでね」


 舞衣は少し不満気ながらもうなずいた。


 慎也は舞衣を仰臥させ、上に乗って、唇を合わせた。


 いつもの胸の愛撫から下へ…。

 そして、その、舞衣に…。

 慎也は指を入れたのであった。


 右手の人差し指を一本、ゆっくり深く…。


「い、いやだ、指なんて…」


 そう言いながらも、舞衣は身をよじる。気持ち良いようだ。


 指を二本にする。


「あ、いや、我慢できない…。あ、あ、あ~!い、イッちゃう~!」


 舞衣は激しく体を痙攣けいれんさせる。透明な液が噴き出した。

指を入れて三十秒程度しか経っていないのに、もう潮吹きか?

 余りの激しい反応に驚きながら慎也は指を抜き、舞衣と繋がる。


「ひい~!だ、だめ! イッたばかりです。し、死んじゃう! ひあ~!」


 再び、激しく痙攣する舞衣。

 慎也は少しの動きで一気に、舞衣の中へ精を放つ…。


 舞衣から離れ、かたわらに坐るが、舞衣は、まだ痙攣していて、起き上がらない。

 優しく、ゆっくりと舞衣を抱き起した。


「う、うう、良かったです…。気持ち良過ぎて、死んじゃうかと思いました」


「そう? 良かった。じゃあ、二回戦…」


「えっ、そ、その……。 今日は、もういいです。まだジンジンしてるの。

これ以上したら、私、本当に死んじゃう……」


「は?」


 慎也は、呆気あっけにとられている。

 昨日は、あんなに求め、「早い」などと屈辱的な言葉を投げかけられたのに…。指開始から最後まで、一分程度の超短時間で、もう良いとは……。


 舞衣は股間を抑えながら、蟹股がにまたに近いような、奇妙な歩き方で祥子のところへ行く。


「バトンタッチです」


 祥子も、あまりの展開に、口を開けたまま固まっていた。


「あ、あ、ああ…。もう良いのじゃな。では、ワラワが」


 おずおずと、ベッドに上がる。訳が分からず、しかし、あの指でのが良かったらしい…。

当然ながら祥子は、それに興味がいた。


「よ、よろしくお願い致す。

 そ、その、出来れば、ワラワにも、さっきのやってみてくれぬかのう…」


「良いですよ」


 慎也は同じように、祥子を寝させ、キスから…。


 豊満な胸を…。

 秘部を…。


 そして、指を一本、ズブッと……。


「あ、何じゃこれは。すごく良いぞ。あ、たまらぬ。」


 指を二本…。


「あ、あ~! これは、堪らぬ! い、イク~!」


 一気に体を痙攣けいれんさせる祥子。

 指開始から、やはり、三十秒くらいでだ。


 慎也は指を抜き、即、繋がる。


「ひ~っ! 勘弁じゃ、これはいかぬ。死んでしまう!許してたもう!」


 舞衣よりも、長目の出し入れ。そして精を…。


 祥子は体を大きく痙攣させ、白目をむいていた。

 口を開け、よだれがこぼれる…。

 完全に失神だ。


「しょ、祥子様? 大丈夫?」


 繋がりを解いた慎也に揺り動かされ、少しして祥子は意識を取り戻した。


「し、慎也よ」


(え?名前呼び? 今まで其方そなたとしか言わなかったのに……)


 驚く慎也に、色っぽい声で、一言。


「よ、良かったぞ」


 慎也は、ドキッとしながら…、


「そうですか? 喜んで頂けましたら何よりです。じゃあ、二回戦を」


「い、いや、もうよい。まだジンジンする。この余韻に浸っていたい……」


「へ? そ、そうですか……」


 あれだけ積極的だった二人が、一気に大人しくなってしまって、拍子抜けだ。

 しかし、これで消耗が減り、楽になる。


 慎也は気づいていない。そして祥子も、舞衣も…。

 挿入した慎也の指からは、治癒の気に似た性質の「癒しの気」が強く放出されていたことを…。


 これにより二人は、凝縮されたトテツモナイ快感を超短時間で味わうことができたのだった。


 そして、この気は、経験回数を重ねることによって、徐々に慎也の股間のモノからも放出されるようになってきていた。

 もちろん、ソチラの方は、指から程の強さでは無いのだが…。




 四月二十五日、六日目。


 舞衣、祥子、二人とも、異様にしおらしい。ちょっと気味が悪いくらいだ。

 朝食、釣り、収穫。そして交合の時間。

 恒例で、舞衣から。


「あ、あの、また昨日のお願いできますか?

慎也さんに御奉仕できないのがちょっと心苦しいのですが…」


 なるほど、短時間で自分ばかりが気持ちよくなって申し訳ないと思っていたのか。

 性行為は新たな命を生み出す聖なる行為。一方的でなく男女互いに気持ちを高める方が良いに決まっている。慎也は少し考えた。


「よし、じゃあ、また昨日のを。但し、今日は少しこちらも楽しませてもらうよ。それから……」


「それから?」


 舞衣は首を傾げる。


「俺は決して早漏じゃないから! 舞衣さんが良過ぎるの」


「ご、ごめんなさい。私、早過ぎるとか、すごい失礼なこと言っちゃった……」


 慎也は笑いながら、あせり顔の舞衣を横にさせた。……実は、「早い」と言われたのを、かなり気にしていたのだった。



 口付けから始まり、胸の愛撫。そして下へ…。

 ここまでは、昨日と同じ。しかし、今日はここで、一旦繋がってみた。


 舞衣は少し戸惑とまどった表情になるも、されるがままにしていた。


 慎也は、あまり動かず、一つになった感触を楽しむ。

 だいぶ舞衣の「名器」に慣れてきたし、舞衣の方も加減が分かってきたようで、締め付けたりしない。

慎也は、すぐに射精してしまうこと無くゆっくりと動き、絶頂を迎える前に一旦繋がりを解いた。


 そして舞衣を起こし、口での御奉仕を願った。

 舞衣も、もう一気に激しくなんてマネはしない。最初はゆっくり。だんだん速く…。


 絶頂を迎える前に止めさせ、舞衣を再び横にした。


 ゆっくり指を一本だけ使用し、昨日と同じように絶頂を迎えさせる。

 その上で繋がり、射精した。

 慎也の方も、舞衣と繋がる快感を十分に味わうことができた。



 快感で放心状態の舞衣をお姫様抱っこでベッドから降ろし、次は祥子の番。


 祥子も気持ち悪いくらい、しおらしい。

彼女の場合、もともと慎也も、舞衣のときほど早く射精してしまうことは無い。

しかし、攻め立てられると、やはり絶世の美女。すぐ果ててしまう。

 また、こんな、今までとは正反対の態度をみせられると、それはそれでたまらない。


 舞衣と同じ手順で、但し、途中の挿入は舞衣より少し長目で、行った。


 舞衣が嫉妬するかなとも思ったが、十二分に満足しているようで、幸せそうな表情でこちらを見ている。

 これで何とか、良い塩梅あんばいのところに落ち着けそうだ。


 しかし、『神子かんこの巫女』はいったい、いつ来るのだろう。

 そして、来た場合、またこのバランスがどうなることやら……。

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