第64話 結婚式

「今日は頼み事2回分を一挙にやらせてもらうわ」

「何をしたらいい。早く言えよ」

「モーラと一緒に結婚式を挙げて」

「うーん、俺達成人したとは言えまだ15歳だぞ」

「貴族では珍しくありませんわ。覚悟はよろしくって」

「出来る事はすると言った手前。喜んで、やってやるよ。今晩は二人とも寝かせないぜ」


「ほらアイナ、大丈夫と言ったはずですわ。心配しすぎです」

「でも女の影がちらつくのよね」


 ぎくっ、ばれたのはリンダとの事か、それともシャノンで空気嫁をやった件か。

 それとも、ストリップバーを手に入れた奴か。


「とにかく、今日は特別な日ですわ」

「そうね。楽しみましょ」


 連れて行かれたのは高級レストラン。

 中に入ると婚約式おめでとうとのディスプレイが。

 何だ、結婚式じゃないのか。


 ちょっと安心。

 クラスの人間やトニアやリリー先生の姿も見える。

 ノルド老も護衛を引き連れ参加していた。

 リンダが居なくてほっと一安心。


「誰か探しているの」

「いや」

「それとも来てほしくない人がいるとか」


 アイナは鋭いな。

 表情を読まれやすい俺がいけないのだが。


「とにかく楽しもう」

「ええ」


 全員がグラスを手に持つ。

 俺に注目が集まり、アイナが肘で俺を突く。

 挨拶しろって事か。


「お集まりの皆さん。今日は俺の婚約式に参加してくれてありがとう。食って飲んで楽しんでくれ」

「「「「「婚約おめでとう」」」」」


 各人が俺達の所に挨拶にくる。

 ノルド老の番になった。


「ヒロ先生、おめでとう。リンダも来たがったのじゃが、熱を出しましてな」

「そうか。後でリンダの見舞いに行くよ。お大事にと言っておいてくれ」

「伝えときますじゃ」


「ヒロ、リンダって誰?」

「ノルド老の孫娘だよ」

「アイナ、嫉妬深い女は嫌われますわ。ここはどしっと構えないと」

「私、モーラほど寛大になれないわ」


「出来る男には女が群がってくるものですわ。ある程度は許容しないといけません」

「でも」


「信じてくれよ。浮気なんかしてない」

「でも、女の影がちらつくのよ」

「わかりますわ。わたくしもそう思います」


「正直に言ってごらんなさい。怒らないから」

「ごめん。シャノンという女の子で幻影を楽しんだ」

「やっぱり。私達二人以外ではやらない約束よね」

「いいのではないですか。幻影なら。触ってもいないのでしょう」


「おや、汗をかいているわね。暑いの? アイスハンマーで冷やして上げましょうか」

「追っ手が居たんでおんぶした。緊急だったんだ」

「まあ、いやらしいですわ。後で懲らしめて差し上げないと」

「どうもそうだと思ったわ」


「ほら、招待客と話さないと」

「なんか怪しいわね。まだ隠している気がするわ」

「隠してなんかいないさ」

「今は信じてあげる」


 アイナとモーラが中座した。

 二人で俺の事を探っているんじゃなかろうか。

 リンダとの2回のエッチの約束がばれたら、どんな目に遭わせられるか。

 ノルド老にばれると俺との関係がギクシャクする可能性もある。

 リンダはちょっと不味かったか。

 いいや、エロ魔法道を極める為には必要だ。


 二人がウェディングドレスを着て戻ってきた。

 うん、美しい。

 そのままエッチしたい。

 エロゲやAVなんかだとウェディングドレスネタと喪服ネタはたまに見かける題材だ。

 エロ心がむくむくと湧き上がってくる。


 早くパーティが終わらないかな。

 二人を抱きかかえて連れ込みたい。


 パーティが終わった。


「しばらくそのままの恰好でいて」


 そう二人に耳打ちした。


「まったく、いやらしい目つきになっているわよ」

「いいじゃありませんか。愛してくれていると思えばですわ」


 このまま二人を抱きかかえるのは無理があるな。

 馬車を頼もう。

 レストランの店員を呼んで貸し馬車を手配してもらう。


 馬車が到着したのでアイナに手を差し出す。


「お嬢さん、お手をどうぞ」

「妙に優しいのね」


 アイナの手を引いて馬車に乗りこませる。

 続いてモーラの手を引いてやった。


「わたくし、正妻の座を譲った覚えはありません事よ」

「二人とも正妻ってのは駄目か」

「駄目ですわ」

「駄目よ」

「この問題は結婚する時までに決めよう。ここからはエッチタイムだ」


 アイナのウェディングドレスネタのスカートの中に俺は顔をうずめた。

 うはっ、桃源郷とはこの事か。

 太ももとパンティというのは何でこうもそそるんだろうな。


「ちょっと」


 アイナとモーラにぽかぽかと背中を叩かれる。


「そう言えばお仕置きがまだですわ」

「任せて。氷の壁アイスウォール


 俺の背中に氷の壁が載った。

 ふんぬっ、この桃源郷を逃してなるものか。


 秘孔魔法・強化点穴で力を強化する。


氷の壁アイスウォールの二段重ね」


 うおっ重くなった。

 馬車の車軸がきしむ。


「アイナ、馬車が壊れますわ。いったん魔法を解除して下さりませんか」

「バトンタッチよ」


風の槌エアハンマー


 風の塊が股間を強打した。

 あうふ、それは反則だろう。

 痛みで声が出ない。


 そうだ。

 神経に作用する魔力を弄って痛みを消す。

 次はモーラの桃源郷に突撃だ。


 ガーターベルトもそそりますな。

 おや、黒のパンティですか。

 エロチックですね。


「どうやら、わたしくしにはこの殿方の手綱は握れそうにないですわ」

「ヒロ、おばさんに告げ口するわよ」


「俺の母さんに告げ口するなんて卑怯だ」

「だって」


 俺はアイナの唇を奪った。


「愛してるのはアイナとモーラだけだ。愛情表現にいちいちけちをつけるなよ」


 続いてモーラの唇を奪った。

 快感を送り込んだので二人はトロんとした。

 ここまでやったらな。

 振動を送りこんだり風の舌で悪戯してやった。


「ふぁっ」

「そんな、馬車の中でいけません」


※済まない、ここから先は自主規制なんだな。


 結局、また頼み事のストックが出来てしまった。

 頼み事も楽しいから、良いんだけどな。

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