第61話 テントが一つ

 ノルド老からお礼の意味を込めてある情報を貰った。

 それは魔脈の情報である。


 俗に言うパワースポットみたいな物だ。


 モンスターがうようよいる山に囲まれた湖。

 そこが目的地だった。


 モンスターは滅魔点穴で魔力を抜いてからの、金縛りがあるので問題なかった。

 死骸を持ち帰る事は出来ないので殺すまではしない。

 モンスターがいなくなれば、この場所が沢山の人にばれる事になる。

 秘密の場所という観点から望ましくないだろう。


 着いた湖は澄んだ水をたたえている。

 中央には小島。

 小島には石で舞台みたいな物が作ってあった。


 野営道具を適当な場所に降ろす。

 ボートなんかないので、全裸になって服を頭に縛り泳ぐ。

 行くての水が突如、盛り上がった。

 大蛇のお出ましのようだ。


 秘孔魔法・滅魔点穴と秘孔魔法・金縛り拳を打ち込むと、大蛇はプカリと浮かんだ。

 小島に着き石舞台に上がり、神経を調節、代謝を良くして体を温める。


 服を着ようとした時に。


「きゃっ」


 俺と同じぐらいの歳の女の子が手で顔を覆っていた。

 先客という訳ではないよな。

 服を着こんで話を聞く事にした。


 彼女はこの世界では珍しい黒髪で、眼鏡を掛けて白衣を着ている。

 巨乳ではないな。

 スレンダーな体形だ。


「人がいると思わなかった」

「いいの。私が後から来たのだから」

「湖はどうやって渡ったんだ」

「空を飛んだのよ。飛行魔法でね」


「それより、ここには瞑想修行でかな」

「そんなところよ」


「じゃあ時間も勿体ない。瞑想するか」

「ええ」


 座禅を組みせっかくだから彼女の裸の幻影を出す。

 おっと眼鏡は外せないな。

 空気嫁にして繋がりたいが、彼女がいるから出来ない。


「きゃっ」


 敵かと思って目を開けると彼女が俺の股間を凝視してた。

 そこにはテントが一つ。


「俺の流派の副作用なような物なんだ。気にしなくて良い。襲ったりもしないから。俺は紳士なんだ」

「誰が考えたって、信じられるわけないでしょう」


「先客は俺だ。嫌なら出直してくれ」

「一歩でも動いたら、犯す気があると思って反撃するから」

「それで良い」


 流魔呼吸法をして、瞑想を再開する。

 幻影の彼女には一人エッチをしてもらった。

 そそる。

 本物にやって欲しいなと思わなくもない。


 夕暮れになる時には体感で1000年ぐらいの魔力が溜まった。


「本当に紳士なのね。変態だけど」

「俺は湖を出て野営するけど」

「私はここで野営するわ。言っとくけど夜、小島に近づいたら殺すから」

「分かったよ。俺はヒロ。君は」

「名前は言いたくないわ」


「何か事情があるんだな。聞かないよ。じゃ」


 俺は湖を渡る為に全裸になった。


「ちょっと、いきなり脱がないでよ」

「悪い悪い」


 彼女は俺から目を背けないで、まじまじと見ている。


「男の体に興味がおありですか」

「なんですって」

「だって見てるから」

「それは」


「いいよ。聞かない。性癖はさまざまだ」


 俺は泳いで湖から出た。

 振り返ると彼女はずっと俺の事を見ていたようだ。

 むっつりさんなのかな。


 テントを組みたてて、夕飯に携帯食をかじる。

 彼女は小島で焚火をしている。

 赤く燃える様子が対岸からも見えた。


 対岸でも魔力はそれなりに濃い。

 全裸で座禅を組み、彼女の空気嫁を出す。


 アイナ、浮気するよ、ごめん。

 でもね色々な娘と試してみたいんだ。

 アイナとモーラ以外しないと約束したが、見てないとしたくなる。

 ゆるせ男の本能だ。


 空気嫁と繋がり、魔力を循環させる。

 出しておいた太鼓で彼女の嬌声を再現する。

 この訓練は楽しいな。


 彼女はなんで小島に来たんだろ。

 魔力感知で見ていたから、瞑想していなかったのは知っている。

 瞑想していると引き込む魔力の流れが太くなる。

 ここに来て瞑想しないなんて勿体ない。

 自然を楽しみにきたのかな。


 宝探しとかかも。

 埋蔵金とかだったらロマンだな。

 石舞台なんて隠すにはうってつけだ。


 おっと思考がエッチからずれた。

 邪な考えは瞑想に迷いを生むだな。


 大自然の中で一人エッチしにきたのかも。

 そう考えたら少したぎった。

 今頃してるのかな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る