第51話 エロ仲間
「なあ、ロイド。女は胸だと思うんだが」
「同志ヒロよ。尻に決まっているだろう。そしてな、尻には横尻と縦尻があるんだ。横尻が最高だな」
俺と話しているのはロイド。
ぽっちゃりした体にわりと童顔。
なんとなく憎めない雰囲気を持つ奴だ。
ランクエレクションを頻繁に買いに来るので仲良くなった。
俺が教えたらこいつは速攻で幻影魔法を覚えた。
まあ、エロ仲間だな。
「縦に長い尻もそれなりに良いだろう」
「締まって美味しそうなのは横尻。縦は駄目だ、垂れている。これは譲れない」
「お前が言うならそうなんだろうな」
「気持ち良くなる呪物を使ってみたよ。あれは良いね。何回でもお替わりできる」
「ほどほどにしておくんだな。成績が下がって痛い目をみるぞ」
「エロの為なら、成績なんて下らない事さ」
「それは俺も同意見だ」
「そんな事言って、ヒロは一年目の単位を全て取ったじゃないか。実技だって負けなしだし」
「集中力だよ。エロを極めると集中力が身につくんだ」
「じゃなおさらお替わりしないとね」
「ヒロ、友達は選びなさいよ」
アイナが汚物を見るような目でロイドを見た。
「こいつは良い奴だよ。エロが分かる男だ」
「良いよな、ヒロは妻がいてさ」
「まだ婚約者だ。いいかロイド。エロの探求にパートナーは必須だぞ。幻影だって実物を見ておけば再現度も上がる」
「もう、そういう話は男同士でしてよ」
「女だってエロの話は好きだろ。そうトニアに聞いたぞ」
「あんな、さかっている女達と一緒にしないで」
アイナが満足しているのは俺が発散させているせいだと思うんだがな。
そこは言わないでおこう。
モーラが男と連れだってこちらに来るのが見えた。
男は気障な雰囲気の奴だった。
「もうあなたとは関係ありませんわ」
「そんな事を言わずにさ。よりを戻そうぜ」
「あなたから婚約破棄したのをお忘れですか」
「だから言っている。俺にまだ未練があるんだろ」
俺は二人の間に割って入った。
「お前は何だ」
「俺はヒロ。モーラの婚約者だ」
「何だと。もう男を作ったのか。この尻軽が」
「俺の婚約者に対する暴言はよしてもらおう」
「さっきから生意気だぞ。俺を誰だと思っている。Cランクのヘクター様だ。もうすぐBランクになる男だ」
「俺は無敵のXランクだ。文句があるなら掛かって来い」
「修練場で勝負だ」
「望むところだ」
ヘクターと勝負する事になった。
「では両者とも構えて」
「俺はいいぞ」
「先手は譲ってやる掛かって来い」
そう言って俺は手招きした。
「吠え面かくなよ」
「御託は良い。さっさと掛かって来い」
「くそう。
「ふっ、秘孔魔法・霧散拳だ」
俺はヘクターの魔法を消した。
「消去魔法で、無詠唱だとぅ! Fランクの癖に」
「ぬるい炎だ。炎ってのはこうやる、
俺は魔法をSランクの規模まで引き上げた。
「
炎の包まれるヘクター。
ここにはダメージが痛みになる結界が張られているんだったよな。
泡を吹き、白目で失禁するヘクター。
根性のない奴だ。
「見事だった」
拍手しながら、上級生と思われる男が見物人から出て来た。
男は長髪のオールバックで冷徹な感じに見える。
「どうも」
「勧誘の手紙を読んでくれたかな」
「ええとどちらさんで」
「階級突破クラブの者だ。そこのヘクター君もクラブに入っている」
「話だけは聞いてやるよ」
「階級突破クラブはランクアップを至上としてる集まりだ」
「俺はFランクだぞ」
「だが国王様に認められたXランクだ。相性さえ合えばSランクにも勝てる」
「俺は群れるつもりはない。群れるならトップだ」
「残念だ。私はガイという、覚えておいてくれたまえ」
「野郎の名前は忘れる事にしている」
ガイはヘクターを担ぐと引き揚げていった。
「厄介な者を敵に回したのですわ」
「所詮お子様がやっている集まりだろ」
「いいえ、バックにはエクセレントが付いています」
「エクセレント? 初めて聞くな」
「魔法使いには五つの派閥がありますの。その一つですわ」
「勧誘を断ったぐらいで、殺しにくるような事はないだろ。その派閥は法を無視できるほど巨大なのか」
「いいえ、五つの派閥がけん制し合っていて、法を犯すような事があれば他の派閥の攻撃材料になりますわ。ですが、油断はできません。何らかの報復があるやも」
「俺は派閥を作る男だ。報復ぐらい跳ね除けてやるよ」
学園生活も退屈しないな。
エロ方面で退屈しないなら大歓迎だったけどな。
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