第49話 エロ魔法道に永遠あれ

 世界がスローモーションになる。

 俺は手に握ったCランクポーションを飲もうとポーションに意識を集中させた。

 あれ、ポーションの中の魔力が見える。

 魔法陣みたいなのが無数に見えた。


 それは立体だった。


 俺はFランクポーションを見る。

 点の魔法陣が見える。


 魔法使いのランクは規模で決まる。

 起動する脳内の魔法陣が違うからだ。

 F級の想見点は点。

 E級の想見線は線。

 D級の想見面は図形。

 C級の想見像は立体。

 B級最下位の想見流転点は点のアニメーション。

 B級下位の想見流転線は線のアニメーション。

 B級中位の想見流転面は図形のアニメーション。

 B級上位の想見流転像は立体のアニメーション。

 A級下位の想見光陰過去は過去。

 A級上位の想見光陰未来は未来。

 S級の想見次元は異次元。


 こうなっている。

 ポーションも同じだ。

 Fランクポーションが点で、Cランクポーションが立体。


 考える時間が欲しい。

 残ってるCランクポーションを全て飲み干した。

 傷は塞がらない。

 血が止まる事さえない。

 しかし、痛みは少し治まった。


 FランクポーションをCランクに上げよう。

 これしか生き残るすべはない。

 俺はお触り魔法でFランクのポーションの中の魔法陣を立体に書き換えようとした。


 駄目だ、失敗だ。

 何が駄目なんだ、イメージか。

 FランクをEランクにしてみよう。

 点を線にする。

 駄目だ上手くできない。


 アイナの裸が脳内に浮かんだ。

 今わの際の映像としては俺に相応しい。

 アイナの幻影で限界を散々超えたのを思い出した。

 そして、桜色のポッチに集中してから、股間の縦筋に集中した。


 俺の中から魔力が吸い出されて、Fランクポーションが赤から橙に変わる。

 やったEランクになった。

 集中力の勝利か。

 限界を超えたからに違いないような気がする。

 集中力と魔力操作の合わせ技って所か。


 どんどん行くぞ。

 次は面だ。

 草むらの茂みを想像する。

 EランクはDランクになった。


 体全体をイメージする。

 DランクはCランクになった。


 次はアニメーションだ。

 裸体が動くのをイメージする。

 Bランクになった。


 次は過去未来だ。

 過去のアイナは子供だ。

 気持ちが萎えて想像できない。

 俺にロリ属性はない。


 俺は磔になったアイナの顔をまじまじと見つめた。

 顔をまじまじと見るのは久しぶりだ。

 天啓が降りた。

 転生する原因になった事故のお姉さんの顔にアイナが似ている。

 もしかして、アイナってお姉さんの転生した姿なのか。

 過去とこれからアイナがなるであろう未来の顔がイメージできた。


 ポーションがAランクになる。

 ここまで来たらSランクだ。

 Sランクの異次元は地球でのアイナのあの胸の柔らかさをイメージ。

 やったポーションが紫になった。

 ぐっと飲み干す。

 体が全快した。


 これで後、五回負傷しても戦える。

 魔法にポーションのランクアップが応用できないか。


点火イグニッション


 魔法の中にも魔法陣が見える。

 これに今分かった魔法陣の書き換えをする。

 魔法の規模はFランクの物が書き換えでSランクに。

 炎の大きさは部屋の半分ほどになった。

 長椅子が轟々と燃え、壁や天井も燃え始めた。

 煙が充満する。

 これで光線は怖くない。

 煙で見えなくても魔力感知で教主の位置は分かる。


「秘孔魔法・滅魔点穴からの心臓金縛り」

「無念! 色魔に栄光あれ!」


 そう教主の声が聞こえた。


 火が回り過ぎて、入口が塞がっている。

 火事の死亡で終わりか。

 そうだ竜化だ。


 俺は服を脱ぐとドラゴンになった。

 俺は服を口に加えると、アイナとモーラを掴んだ。

 そして、尻尾で塞がれた入口を壊し、外に出た。


 施設から少し離れた草むらに二人を横たえる。

 二人の草むらもなかなか良い。

 竜化を解除して、拝んでおいた。


「むー、寒い。はっ、ここは。モーラも起きて、助平が体を舐め回したように見てる」

「ここはどこですの。きゃ」


「助け出す前に、上着ぐらい貸しなさいよ。収納ストレージ。ほらモーラも早く服を身に着けて」

「そうですわね。服を着ないと」

「何時まで観察しているのよ。後ろを向きなさい」


「へいへい」


 俺は後ろを向いた。


「ところで、感謝の言葉を貰ってないんだが」

「エッチな事させろって言うんでしょ」

「その通り」


「無事で良かったとかないの」

「貞操が無事で良かったな」


「もう、最低。調べたの」

「うん」

「貞操は大事ですわ。貴族の子女には怪しい人もおりますけど」


「でも、そういうのはもっとやんわりと言って欲しいわ」

「やんわりとねぇ。触られたりしなかったか、もしかして男の物を受け入れたとか。そう言う風に聞けってのか」


「大変だったね、体は大丈夫ぐらいで良いのよ」


 着替えが終わったので二人のほうを向く。


「裸体を観察した罰よ。氷の槌アイスハンマー


 針指弾をアイスハンマーに撃ち込む。

 裸体のイメージをサクラ色のぽっちにイメージを書き換える。

 魔法のランクがFランクになり、1メートルのアイスハンマーが5センチに縮んだ。


「何をしたの。早すぎて分からなかった」

「吹き矢あるだろ。あれで針の弾を打ち出した」

「魔法のランクを下げたのは何?」


「魔法に限らずポーションもだが、魔法陣を含んでいる。それをFランクに書き換えた」

「それは凄いですわ。応用の利きそうな能力ですこと」


 モーラの目が金貨を見る目になっている。

 金儲けは落ち着いてからだな。


 今回はもう駄目だと思ったが、新しい能力を得てなんとか切り抜けた。

 流石エロだな。

 魔法陣のイメージに使えるとは。

 エロ魔法道は最高だ。

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