第11話 反逆の時

 朝の6時。

 朝練はとっくに始まってるというのに、俺はまだベッドの上にいた。


 何故なら今日から2日間、休暇だから。

 しかし、早起きが身体に染み付き、自然と目覚めてしまった。


 何をするかボーと考え1時間。

 結局、何も決まらなかった。


 とりあえず起き上がり、朝のシャワーを済ませる。


 入団してから、胸板は厚く、腹筋は6つに割れ、腕や足も二回りほど太くなった。

 マッチョはマッチョなんだけど、決して暑苦しい感じはなく、いわゆる細マッチョってやつ。


 シーラがよくぺたぺた触っていたな。男の身体なんて触って何が面白いのかと思っていた。


「マジで何しよう……」


 私服に着替え、部屋をウロウロ。


 いざ休みとなると、やりたい事が思い浮かばない。


「やりたいことはないが、気になることはあるんだよなぁ……」


 昨日の任務中に起きた襲撃。

 その中でも、腕に蛇の刺青が彫られた男のアジト。今日、第3騎士団と補佐としてレイネとシーラが乗り込むと聞いたが……。

 元カノの浮気相手も関連があるし、俺も一緒にいきたい。


 だが、休暇の場合は、任務に参加できないどころか、剣や制服、防具の持ち出し、神護の使用は禁止。

 

 つまり、俺は大人しくしないといけないのだが……。


『もしかしたら――彼女は騙されているのか?』


 一度、頭によぎった可能性を振り払うことができない。


「……自分の目で確かめる必要があるよな」

 

 大概の相手は剣や神護を使わなくても余裕だ。


 まだ薄暗い早朝、あまり人影のない街を歩き、俺は聖騎士団より先にアジトに向かうことにした。



——※——


「あれれ〜? ルディー先輩とティアナ先輩もどこかに任務ですかぁ?」


 制服に着替えたレイネとシーラは、廊下でルディーとティアナと鉢合わせた。


「ええ。大した任務じゃないけど」


「そうですかぁ。でもお2人揃ってるのに大した任務じゃないとは……ちょっと不思議ですけどねぇ〜」


「そういうのは無闇に突っ込まないでおくのよ」


「は〜い」


 ぺろっと舌を出し、反省してない様子のレイネ。

 だがこれ以上は追及しなかった。


「シーラも任務に行くのね。てっきり、ユベルの方につくかと思ったけど」


「せっかくのユーくんの休暇を邪魔しちゃ悪いから。それにこの任務は私から志望したし」


「へぇー、珍しいわねぇ」


「まぁ気まぐれだよ。ところでティアナちゃんはどこに行くの?」


「わ、私は……」


「こーら。アタシが口を割らないからって、ティアナに聞くのは禁止」


「バレちゃいましたか。ティアナちゃん無理矢理聞いてごめんね」


「い、いえ……!」


「まったく……うちの可愛いティアナをあまり困らせないでよ? じゃあ2人とも、任務頑張ってね。やり過ぎには注意だけど」


「そちらだって、原型くらいは留めておいてくださいよー」


「ふふっ、手加減頑張るわ」


 にこやかに話す4人。

 しかし、これから行われることは決して笑える事態でないことは――彼女たちにしか分からない。

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