第11話

「そうだよな。俺はお前とは違うよな。

勉強しかできないお前とは違うんだよ...」


満足気に頷き手を離してくれたけど。

捨て台詞の内容がちょっと引っかかった。


「今は、事務所に書類を送ってるとこなんだよ。俺、きっと将来は億を稼ぐ、売れっ子アイドルになる...!!」


「お前なんかな、東大行けるって騒がれてるけど、そんなに簡単に入れないだろ。。

どーせ、何回か浪人するだろ...?

俺は勝ち組になって、お前は挫折を経験し、

再起不能になればいいんだ...」


藤島くんは。


そう自分自身に言い聞かせて、

何だか自分を落ち着かせているようだった。


授業についていけずに、

ちょっと落ちこぼれ。


俺はこのとき。


彼が少なからず、焦っているように感じたんだ。

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