第9話

歳月は無情にも流れていった。

できた筈の彼女に会うこともできずに、

俺は高校生になり、高校生になってから

少しオシャレに目覚めて、一応見てくれが

良くなった。


都内で一番のトップ高校に、藤島くんも

もれなく入学して。

ま、でも、俺の方が

勉強はできて、学年で一番だったから、

おまえは東大に入れるんじゃないか?

と授業中、先生に真顔で言われたりして。


そんなセリフを聞いた女子達が、

俺の下駄箱にラブレターを入れたり、直接、

告白をしてきたりしたんだ。


無視したり、俺、彼女いるんだ、と

断り続けた。


「え、彼女??」


「どこにいるわけ??

いっつも、一人じゃん!」


「私より可愛いわけ?だったら

諦めるけどさ...」


「いるんだよ、、、」


「ふーん、嘘くさいなぁ...」


「写真見せてよ?そしたら、少し信用してあげるw」


学年一のモテ女に告白されたんだが、

やたらしつこく絡まれた。


彼女の写メを見せろと、壁ドンまでされた。


胸の谷間、もろに見せてきて。


「私より、いい女??」


俺は返答に困り、黙っていることしか

できなかった。


やがて、俺のこと諦めるのを待つ。

そんなスタンスでいた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る