三人用/【吐き露わし編②(終)】


こちらは【あらわし編②(終)】です。

諭と絢乃の初デート台本の【後半部分】となります。


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▶始めに

・台本の自作発言、作品の転載、登場キャラクターの性転換、台本の内容が壊れるような行為は禁止❌です。

・使用されるときは、不特定多数の目に入るところ(コメント欄やキャプションなど )に『台本タイトル』『作者名』の明記めいきをお願いします。


・そのほかの細かい お願い事は【台本利用上のお願い】のページ(▶https://kakuyomu.jp/works/16816700427787953461/episodes/16816700427788115278)を読んでください。


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【比率】

男声 1人:女声 1人:不問(ナレ)1人


【上演 時間】

25分〜30分程


【登場キャラ】


寒原かんばら 絢乃あやの

▷22歳

▷とある村の大地主おおじぬしの娘(次女)

▶喜怒哀楽がはっきりしており、押しに弱いので残念美人なところがある。

【恋人】との初デートに緊張しながらも相手と向き合い支えたい。と張り切っている。



風神かぜかみ まなぶ

▷25歳

▷国防陸軍 所属の幹部士官(少尉しょうい

▶常に不機嫌な顔つきで、話し方もぶっきらぼう。それでいて、不器用。

不器用ながらも【恋人】との初デートに心なしかうかれている。今作も頑張ってしゃべります。



不問 N(ナレーション)

▷長文が読む得意な人にオススメな役。この役なきゃ台本が回らない。

街の中の情景などを説明するシーンが多めなのでご注意ください。


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前半部分【吐き露わし①】(🔗https://kakuyomu.jp/works/16816700427787953461/episodes/16817330651983883593 )を閲覧/上演したあとに後半部分のコチラを閲覧/上演していただけると、二人のモダモダ感をより楽しめると思いますので、未読のかたは是非!


それでは……

引き続き、まなぶ絢乃あやのの初デートwithヨコスカをお楽しみください〜!!


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〜ロングタイトルver.〜

▷不機嫌なお見合い相手と、お出かけしながらココロのたけを語り合います。



〜ショートタイトルver.〜

あらわし編】


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諭:語り

『公園での会話を思い出す。

「心のトゲを抜いたり、包んであげたい。」

その言葉にどれほど心が救われたか。寒原かんばら 絢乃あやのさん。私の「恋人」。

私の一目惚れから始まった人捜しが、いろんな巡り合わせで今日のような日を送れること、私は恵まれている。こういうのを「幸福」というのだろう。

私は、気持ちを噛み締める。

これからは、貴女の下に必ず還れるように生きていこう。

私は、そう、心の中で誓いを立てた。』



(間)



──食事シーン──


諭:これ、食べきれるか?


絢乃:た、食べるしかないですよ!


諭:なかなかに凄い量だが?


絢乃:食べきれなかったら、持ち帰り用のケースを配るって店員さんも言ってましたっ



N:絢乃あやのが調べたうえで行きたいと言ったのは、アメーカ産のハンバーガーショップだった。

おいしそう!という理由でパティが二枚のチーズバーガーを頼んでみた絢乃あやのまなぶもオニオンフライが串で刺さされているバーガーを選んだ。しばらく、テーブル席で話していれば注文した品が運ばれてきて、さすが異国のサイズ感。

ニホンでは、なかなかお目にかかれない量に少し戸惑いを見せた絢乃あやの。その表情に目をせて笑うまなぶ



諭:まあ、無理はしないようにな。私も食べるのを手伝おう


絢乃:……まなぶさんって たくさん食べられますし、好き嫌いないですよね


諭:いいや、そんなことない。

演習で口にしたトカゲの串焼きとカエルの丸焼きは味にクセがありすぎて食べ切るのに苦労したからな


絢乃:トカゲと、カエルの丸焼き……?!


諭:ああ、野外演習の一環でな。

糧食りょうしょくきたことを想定した訓練があるのだが、そのさいにしげみにいる食べられそうなイキモノを捕まえることから始める。

同僚は、上官の悪ノリで マムシをしょくして酷い目にあった と泣いていたな。


絢乃:……アタシ、国防官こくぼうかんにはなれないです


諭:そんな顔をしないでくれ、これだと私がオカシイ奴じゃないか


絢乃:だって、マムシはオキナワの郷土酒にあると聞きますけど……トカゲとカエルを食べるって……


諭:まあ、そういうのに耐性がなくとも イナゴのつくだ煮 や白子しらことかは 我が国でも食べる地域があるだろ。似たようなものだ


絢乃:あれ、お父さんとお姉ちゃんが好きなんですよね……

アタシ、絶対無理だなって……


諭:だいぶ、変わり種ではあるからな。それは偏食のうちには含まれんさ


絢乃:だといいのですが……


諭:さて、こんなゲテモノ話は置いといて食べよう


絢乃:はい、いただきます

(手を合わせて お辞儀)


諭:いただきます

(目をつぶって手を合わせ)



N:ナイフとフォークで切り崩して ひと口、食べる。

口のなかに広がるパティのスパイスと肉汁が溢れ、スライスされたトマトの酸味、濃いめのソースと絡みあう。見た目のサイズ感で戸惑ったが、味は文句ない美味しさであった。



絢乃:美味しいですね!


諭:ああ、見た目はインパクトあるが。美味いな


絢乃:これなら、食べきれそうです!


諭:本当か?無理しなくて大丈夫だぞ?


絢乃:苦しくなったら言いますよ〜


諭:そうしてくれ



N:そんな風なやりとりをしつつ、食べる時は食べて 話す時は話す。そんななごやかな雰囲気のなかで昼ご飯を済ませる。



(間)



──食後。


諭:……けっこう、胃に来るな……


絢乃:大丈夫ですか?

お水と胃薬 買ってきましょうか?


諭:いや、大丈夫だ。少し休めば問題ない


絢乃:そうですか?無理はなさらないでくださいね



絢乃:心の声

《苦しくて当たり前よね。

結局、アタシの食べきれなかった分まで食べてくれちゃったし……。本当は持ち帰るっていう話だったけど、帰りの電車のなかでニオイが充満するのは周りの人に迷惑だろうから食べてしまおうって言われて、お願いしちゃったからなぁ……》



N:何だかんだと時刻は 15時20分。

ドブイタの通りからチュウオウの名前がついた駅の方面へと抜け、道端にあるベンチでひと休みをしている二人。

手を繋いだ状態で、持て余した時間を消費すべく道抜く人々をボーーーっと見ている絢乃あやの

彼女の隣りで、まなぶは、深呼吸したり上を見たりうつむいたりしている。



絢乃:あのー、まなぶさん。このあと、どうされますか


諭:(深呼吸)……うん?そうだな。

せっかくチュウオウの駅まで来たのだし、お土産屋みやげやに行くのはどうだろうか


絢乃:お土産屋みやげやさん ってあそこに見える お店 ですか?


諭:ああ、あそこは二階で海軍カレー専門のレストランを営業していて、一階が土産屋でな。この街の中でも品揃えが良いからな。覗いて損はないと思う


絢乃:わかりました。

まなぶさんが歩けるくらい大丈夫になったら行きましょ


諭:悪いな、気を遣わせて


絢乃:大丈夫ですよ。

アタシ、時間を気にせず のんびり過ごせて嬉しいですから


諭:(少し笑う)そうか。



(間)



──それからそれから、



絢乃:え〜〜〜、カワイイ〜〜〜!!



N:きゃっきゃっ と黄色い 歓声を発して、商品棚を見ている絢乃あやの

目の前には 水兵服を着たカワウソのぬいぐるみ が陳列されている。サイズ展開は てのひらに乗る小さいもの から 抱きしめられる大きいもの まである。

そんななかでまなぶは、所属部隊の隊員に渡す 箱のお菓子 を選んでいた。



諭:心の声

《ヨコスカに行きましたってのが丸分かりだが、食べられさえすればイイだろうし……

あ、これいいな。ゲテモノ好きの中尉殿ちゅういどのにはカレー味の激辛カステラにしよう。他の隊員にはバタークッキーとかの箱のお菓子でいいな。これと、あれと……》



N:考えるのが面倒になったのか、手当たり次第にカゴへと商品を入れるまなぶ。一応、入っている数が多めのクッキー や おせんべい を買うことにしたようだ。



絢乃:どうしよ〜、こっちのコは目がカワイイ〜!


諭:あー……、絢乃あやのさん、なにかメボシイものでもあったか?


絢乃:あの、まなぶさん。このコとこのコ。どっちが良いですかね!


諭:ん?大きいサイズの水兵服を着たカワウソか……

服の色が違ってて、水色とピンクがあるのだな?


絢乃:そうなんですよ〜

あ、駅のそばで見た すぅかれーくん はマスコットキーホルダーがあったので、それを買うつもりです!


諭:結局、買うのか?


絢乃:えへへ…ぬいぐるみ だと可愛く見えてしまって……


諭:そうか。絢乃あやのさんの好きにするといい。

それで、水兵服が水色かピンクかで悩んでいるのだな?


絢乃:そうなんです〜

どっちもカワイイから目移りしちゃって……


諭:なるほど。

では、最近 増やした ぬいぐるみ は何色だ?


絢乃:えっと、たしか 大華はるかちゃん がゲームセンターの景品としてくれたコが……

……あ、ライトイエローでした!


諭:そうか。では、水色なんて どうだ?

ピンクもいいと思うが、絢乃あやのさんの部屋にいる 先住せんじゅうのぬいぐるみ とのバランスを考えて買うといい


絢乃:アドバイスありがとうございます!そうします!


諭:どういたしまして



N:悩んではいたが、相手のアドバイスを素直に受け入れる分。絢乃あやのの押しの弱さは扱いやすいとも言える。

そうして、お土産屋で時間を過ごして……



(間)



N:時刻は 16時50分。

お土産屋での買い物を済ませたまなぶ絢乃あやのは、チュウオウの名前がつく駅から坂を登って、古き良き商店通りを抜け、とある展望公園へとやって来ていた。



絢乃:……夕陽、キレイですね


諭:そうだな。天気が崩れなくて良かった



N:沈んでいく太陽と、光に反射してキラキラと輝いてみえる海の水面、そして、吹き抜ける風で絢乃あやのの髪がなびく。



絢乃:あそこに見えるのって サルシマ ですか?


諭:ああ、あれがサルシマだ


絢乃:ここから見ると そこまで大きな離島じゃないんですね……

この展望台の眺めが良すぎるだけでしょうか?


諭:行ってみれば分かるが、二時間も歩けば島を一周できるくらいだからな。そこまで大きくはない


絢乃:そうなんですね……



絢乃:心の声

《太陽が沈みきったら、夜が来て、今日が終わってしまう。やっと、まなぶさんと会えて楽しくて嬉しかった。なのに、楽しい時間って本当にあっという間に過ぎちゃう……寂しい、なんてね……》



諭:……絢乃あやのさん


絢乃:あ、はい。なんでしょう?


諭:今日は楽しかった。休みの日にこうやって貴女と出歩けてい思い出になった


絢乃:それは、アタシもです。

まなぶさん、母国史ぼこくしが得意だったなんて意外でした。どちらかというと、理系ですよね?


諭:そうだな。

まあ、母国史ぼこくしが得意だとしても語り合える相手が少ないジャンルだ。なかなか話題にできないというのもあった。だから、今日はつい話しすぎてしまったな


絢乃:アタシは楽しかったです。いろいろ聞けて、見れて。とても、楽しかったですよ。本当に



N:髪を耳にかける仕草しぐさをし、まなぶに微笑みかける絢乃あやの



諭:絢乃あやのさん


絢乃:はい、なんでしょう


諭:……これを、受け取ってくれないだろうか


絢乃:えっと、これは、ネックレス…?


諭:ああ。先ほどのお土産屋で見つけてな。貴女の誕生石をめ込んで貰ったのだ



絢乃:心の声

《ピンクプラチナのチェーンに、星型のチャーム。

わざわざ、誕生石を入れて貰うなんてまなぶさんって、ほんと見かけによらず律儀な人……。お会計に時間がかかってたけど、これを作ってもらっていたのね……》



絢乃:……アタシ、まなぶさんに貰ってばかりで、何も返せてないのですが…


諭:私が貴女に贈りたいのだ。今日のお礼とでも思ってくれていい


絢乃:……わかりました。

(諭に背中を向けて、後ろ髪をあげる)

まなぶさんが、つけてください


諭:え、ああ……失礼する…



N:するり、まなぶの腕が前へと回され、香りが鼻をくすぐる。

その後、金属の冷たさを感じたかと思えば、うなじに少しカサついた指先と熱を覚えた。すぐに香りと熱は遠のき、背後から息を吐き出す音が聞こえた。緊張が伝わらないように呼吸を止めていたようだ。



諭:……よし、つけれた


絢乃:ありがとうございます。これ、かわいいですね


諭:気に入ってくれたか?


絢乃:ええ、これなら普段使いもできそうです♪



N:絢乃あやのは、無邪気に笑う。まなぶが贈り物をするのは二度目だが、今回はかなり好評のようで、嬉しげに星型のチャームを指先でいじる。そんな絢乃の姿に駆り立てられる感情とともに、とてもいとしさを覚えた。



諭:……絢乃あやのさん


絢乃:まなぶさん?

──えっ、え!ちょっ、わっ!ンっ……



N:絢乃あやのを木のあるところまで連れて行き、人目を避けつつ、そこで口づけるまなぶ

絢乃は、急なことに目を見開くものの、すぐにされるがままになった。やはり、相手の魅力的な仕草には 不機嫌な顔つき がデフォルトの諭でも我慢が効かないことがある。いわゆる、ムッツリだ。



絢乃:ぷはっ……//


諭:ふぅー……、すまん…


絢乃:ば、バカぁ!!まなぶさんのアホっ!!ここ、外ですよ!人が来るかもしれないところ なのにっ!!


諭:いてっ、いてて……

だ、だから少しでも人目を避けようとだなぁ


絢乃:もぅ!なんで、そうやって雰囲気 壊しにかかるんですかっ!


諭:うーん、男のサガだな


絢乃:開き直らないでっ!!


諭:そうやって怒る貴女も可愛らしいな


絢乃:ッ!//

……な、流されませんからっ!


諭:ふっ、そうか。残念だ。

……(ため息)今日は、本当に楽しかった。貴女を帰したくない…

でも、私はこれから職場に戻らねばならん


絢乃:まなぶさん……


諭:……本当は、泊まりがけの予定だったのだ。なのに、外出許可が今日の分しかりんかった。

……貴女に、次に会えるのは、いつになるのか…


絢乃:まなぶさん……



N:絢乃あやのの胸元へと頭をポスンともたれて、そう、つぶいた。贈ったばかりのネックレスの金属の冷たさが妙に現実味を帯びている。

まなぶの急な甘えた態度に戸惑いつつも、相手を抱きしめて背中をポンポンと撫でる絢乃あやの

諭は、目をつぶって鼻をくすぐる香りをめいっぱいに吸い込み、時を刻み続ける時計の針を少しだけうらんだ。



(間)



──カフェで小休憩──



絢乃:これ、美味しいです♪


諭:そうか。……絢乃さん、慣れていたな。あんな呪文のような注文名をスラスラと。よく来るのか?


絢乃:呪文って…w

村にはないので、都内に住んでた頃はよく行きました。学生時代とか、大華はるかちゃん とお出かけした時とかにも


諭:そうなのか。やはり、こういう お店 は女性に人気なのか?(周りを見て)


絢乃:あー……、どうでしょうね。今は冬の新作が出たというのもありますから、それを目当てに来店する人が多いのもあるかと


諭:なるほどな



絢乃:心の声

《…まなぶさん、カップを持つ仕草しぐさになっててカッコイイ〜…!

諭さんの切れ長な目元とか、やっぱり顔が整ってて人目を引くのよね……》



諭:心の声

《……注文の仕方が分からず、無難にブレンドコーヒーにしたが悪くないな。絢乃さんの嬉しそうに飲む表情は可愛らしいな…、また来よう……》



N:視線を盗みつつ、お互いのことしか見ていない絢乃あやのまなぶ

その空気は、ちゃんと甘い。他の来店客は、空気に当てられないように距離をとるのだった。



(間)



N:21時10分の別れの時間。

チュウオウの名がつく駅の改札付近で。お互いに見つめ合い、手を繋ぎながら言葉を交わす。



諭:本当にキャンセルしてしまって良かったのか?急いで帰らなくても──


絢乃:…だって、諭さんが居ないのに泊まっても……


諭:ッ…、それも、そうだよな。済まない。……また、会えるときは連絡する


絢乃:…はい、待ってます


諭:絢乃あやのさんも、なんでもいいから連絡してくれると嬉しい。

返信は遅くなるが、必ずメッセージを確認するから


絢乃:はい。必ず します。

……まなぶさん、異動先でも頑張ってくださいね


諭:な、どうして そのことを?


絢乃:あの、実は、五日前にまなぶさんのお父様からメッセージを頂いたんです。

連絡先は、次男さん。えっと、いつきさん から教えてもらった、とのことで……



諭:心の声

《私の知らないうちに絢乃さんに接触していたとは…!

…父さんもいつきも勝手がすぎるだろうが!!いくら結婚を前提に交際を始めたと報告したからと、いつ何が起こるか分からないというのに…!!次の帰省のとき、問い詰めなければ…!!》



N:内心、憤慨ふんがいするまなぶ。この怒りは種火の元へときっちり返すつもりである。



絢乃:まなぶさん…?


諭:あ、いや。そうか……、父さんとはどんな話しをしたんだ?


絢乃:そうですね……

やりとりのあいだ、アタシの気持ちを案じてくださいましたよ。……本当に、いろいろですよ。



絢乃:心の声

《本当にいろいろ話してくださったわ。まなぶさんのお父さんとのやり取りは"国防官と交際するのは大変だろう"とか"妻にも若い頃には大変な思いをさせたものだ"とか8割くらい、ご家族と、諭さんのお母さんとの話だった気もするけど……》



諭:心の声

《いろいろ?いろいろって何だ……、父さんが澪留みおるみたいにベラベラと話すとは思えんが…、定年退職してから暇を持て余しているし……嫌な予感しかない……》



N:気まずい空気が流れたかと思いきや。



絢乃:……あ、でも、まなぶさんの新しい異動先は、むしろ、アタシの実家との距離が近くなるそうですね。


諭:そうだが……

もしかして、記念公園きねんこうえんで言いよどんだことって、このことだったのか?

二度目がないような発言は。


絢乃:バレちゃいましたか?

でも、もう不安じゃないです。アタシ、大丈夫です。

こうやって会いに行けばいいんだって気づいたので



N:ふわっとおだやかな笑みでまなぶを見上げる絢乃あやの

その表情にまたまた気持ちがあおられた諭は、眉間にシワをよせるも鼻で息を吐き出し、落ち着かせる。



諭:絢乃あやのさん、またう日まで息災そくさいでな


絢乃:はい、まなぶさん もご武運を。

今日は、ありがとうございました。


諭:どういたしまして。

こちらこそ、ありがとう。

またな。


絢乃:はい、またいずれ。



N:するり、お互いに手を離して、見つめ合い。笑い合う。

──改札付近のスピーカーから高速列車の到着をしらせる音声が流れた。



絢乃:あ、電車 来ちゃった!まなぶさん、ありがとうございました!


諭:絢乃あやのさん!またなっ



N:慌てて、手荷物を抱えて、改札を通っていく絢乃あやの。少しだけ振り返り、深々とお辞儀をして乗車口のホームへと駆けていった。

その後ろ姿が見えなくなるまでまなぶは見送る。



諭:絢乃あやのさん、また、逢える日まで……



(間)



絢乃:語り

『乗り込んだ高速列車。

指定の座席に腰を下ろして、ひと息つく。

じわり、先程まで繋いでいた手が指先から冷えていく。

けれども、大丈夫。

会えない日が続いても、あなたが求めてくれるから会いに行く勇気が芽生えました。本当に楽しかった。これからも、どうか 元気で過ごしてくださいね』



諭:語り

『遠ざかっていく貴女の後ろ姿に、胸が苦しくなった。

けれど、これが最後なんかじゃない。最後にはさせない。

私が貴女の下にかえることを目的に国防官こくぼうかんとして生きていこう。


"少尉しょうい、弱くなりましたね"


どっかのナメた態度の部下はそう言ってきた。

けれど、これは弱みでも強みにもなる。

目的がある人間は、こころざしを強くいだいて生きる。

──どうか、風邪や体調を崩さぬよう日々を過ごしてくれ。貴女の日常を平和を護れるように生きていくから。』



─────────


〜ロングタイトルver.〜

▷不機嫌なお見合い相手と、お出かけしながらココロのたけを語り合います。



〜ショートタイトルver.〜

あらわし編】


おしまい


──────────



台本投稿日

2024年1月30日(火)



以上!初デート台本でした〜!!

ご閲覧ありがとうございました!!いやぁ、当作品比であまい二人だったのでは?(笑)

今後ものんびりと続きを書けましたら更新してまいります!!よろしくお願いします〜〜〜!! 瀧月狩織

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【声劇台本】不機嫌なお見合い相手と素直になれないアタシ。【シリーズ物】 瀧月 狩織─Takituki Kaori @sousakumin

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