第126話

その頃エイトはせっせと食べられそうな食材をジャックと集めていた…


そして目の前に倒れるよく分からないものの死体を見つめる。


「ジャック、これなんだろ」


エイトは食べられるかな…と触ろうとすると


「おい、エイトなんでもかんでも拾わない方がいいんじゃないか?」


「でもこれ魔物だよね?角生えてるよ」


頭らしきところに二本ニョキっと角が生えてる。


エイトがそっと触ると


「あれ?まだ温かいね…生きてるのかな?」


エイトが持ち上げると…


「まて!エイトそれドラゴンだ!」


ジャックが離せとエイトに言うと


「ドラゴン?こんなに小さいの?」


エイトがそっと下ろすと…


「ドラゴンの子供だろうな…なんでこんな所に、近くに親はいないみたいだな」


「子供なんだ…じゃあ可哀想だね」


エイトは布を取り出すとドラゴンの子供を包んで担ぎ出した。


「エイト…それどうするんだ?食べるのか?」


「食べないよ!じいちゃんところに連れくの!」


「はぁ…またエイトのあまちゃんが出た…」


「いや!僕だって大人の魔物なら戦うけど…まだ子供のドラゴンだよ?可哀想だよ…」


「でもドラゴンだぞ、子供と言えど危なくないか?」


「うー…じいちゃんに見せて駄目なら考える!」


エイトはジャックが止めるのを無視してカズキ達の元に走り出した!


「じいちゃーん!」


エイトが戻って来ると大きな獲物を腕に持っていた。


「おお!なんか大物捕まえたな!」


カズキが笑って近づくと…


「エイト、それ…ドラゴンじゃないか?」


「えっ!ドラゴンって食べれるの?」


ダレンが近づくと


「あら、小さいわね」


「なんかね、倒れてたの。まだ子供だから助けてあげた方がいいかなって思って…」


チラッとカズキを見ると


「でもドラゴンだろ…危なくないか?」


ラルクも心配そうに覗き込むと…


「どうだろうな…まぁ歯向かってきたら、返り討ちにするだけだ」


カズキはエイトの持つドラゴンに回復魔法をかけた。


ドラゴンの傷が消えるが目を覚ます様子はない…


「このまま捨ててきたらどうだ?」


ラルクが言うと


「そうだね、こんなに人がいたらびっくりしちゃうもんね!僕倒れてたところに置いてくるね!」


エイトがかけ出すと


「待て!危ないからな俺も行こう」


カズキが言うと二人でその場所に向かった。


エイトが案内すると


「ここだよ!」


カズキは周りを確認すると…


「うん…別に争った様な感じは無いな」


そう言って上を見ると、何かが落ちてきたような形跡が残っていた…


木の枝が折れて上にポッカリと穴が空いている。


「あー…落ちたんだ」


カズキはどうするかと頭をかいた…

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