第25話

「よーし!食べたら用意して狩りに行くぞ!」


片付けを手伝っているエイトにカズキが声をかけると…


『俺も…!』


ジャックが立ち上がってカズキをみる!


「ジャックも行きたそうにしてるよ、じいちゃん…連れて行ってもいい?」


エイトが聞くと


「もちろんだこれからは二人で組んで狩りを覚えるんだぞお前たちはパートナーだ!」


「ぱーとな?」


「相棒って事だな、お互い協力し合って助け合うんだぞ」


「ぱーとなー、ジャック一緒にぱーとなーなろうね」


エイトはジャックに抱きついた!


『相棒だと!この弱そうな奴とか!』


納得いかないとカズキを見つめるが、カズキは知らん顔で自分の用意をしている…


『カズキと組むのでは駄目なのか!?それでもこいつの事はちゃんと守る!』


ジャックがカズキに吠えると…


(エイト…だ。こいつじゃない俺が相棒になれと言ったんだ聞けないなら出ていってもいいんだぞ)


振り向きもせずにカズキが答える…その背中は怒っているように感じた…


ジャックは歯を食いしばるとじっとエイトを睨みつけた…


こんな…甘ったれたガキの言う事を聞かないといけないなんて…俺は強くなりたいのに…カズキに教えを乞いたいのに…


納得しないままカズキ達と狩りの準備を終えると


「じゃあ今日は西の山の方に行ってみるか…」


「はい!ジャック頑張って獲物捕ろうね!」


ジャックはふいっと顔を逸らす…


「じゃあ行くぞ!二人ともしっかりと着いてこいよ」


「はい!」


「ガウ!」


カズキが走り出すとエイト、ジャックの順でついて行く、先を走るエイトにジャックは少し感心する…


てっきりおんぶでもされて行くのかと思ったが…なんだ少しは走れるようだな…


ジャックは思ったより早く走るエイトの後を追いかけた…



「よし、今日はこの辺で狩りだな…さて何を狩るか」


クンクン…


ジャックは周りの匂いを嗅ぎ出すと…


ピクッ…


『カズキ、こっちの方角からオークの匂いがする』


ジャックがクイクイと首で合図をすると


「おっエイト、ジャックが何か感じ取ったみたいだぞ」


「えっ本当に!ジャックすごいね!」


エイトがジャックの背中を撫でる…


(ふ、ふん、当たり前だ…俺は鼻がいいからな)


褒められて悪い気のしないジャックの様子にカズキは…


「じゃあふたりで行ってこい」


「僕とジャックで?」


エイトが驚くと


「ああ、ふたりなら大丈夫だろ」


(オークだし…気配的にも数体…ふたりにはちょうどいいだろ)


カズキが頷くと


「いいか、無理はするなよ。駄目だと思ったらすぐに撤退しろ!エイト教えたことは覚えているか?」


「うん!まずは逃げ道を確保しておく!」


エイトが真剣に頷く。


「よし!」


カズキはエイトによく出来たと頭を撫でていると


(ジャックも無理するなよ。深追いは禁物だ)


『はい』


ジャックがコクっと頷くと


「じゃあ俺はここで待ってるからな」


カズキの言葉にエイトとジャックは目を合わせて走り出した。

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