第236話
正式に聖女として認められたローラ嬢は、その新たに得た能力と権力を十分に
「兄には悪いのだが、私はローラ・ベルナールと非常に深い仲となる事も、正式に婚約者とした事すらも間違いだと思うがな」
「それはレギアス殿下だけでなく、この場にいる全員が思っている事ですよ」
「マルグリット嬢は人格的にも性格的にも
「寧ろ、マルグリットの方が突然変異なんだと思います。あのベルナール公爵家に生まれた、数世代に一人と言っていい良心の持ち主なのではないでしょうか」
「いえ、私はそこまで言ってもらえるような人間では……」
「
「…………ありがとうございます」
副都から王都まで情報共有の為に訪れていた、レギアス殿下の心からの
「……レギアス殿下、本題の方をよろしくお願いします」
「そうだったな。すまない、カノッサ公爵」
「いえ。レギアス殿下のご気分を害されたのならば、大変申し訳なく思います」
「大丈夫だ。父や兄がどうだか知らないが、私はこのくらいの事で怒ったりはしない」
「ありがとうございます」
「では、我々の方で得られた情報から共有していこう。まずは、封印場所に関してからいこうか。現在副都全域に存在する教会を調べているが、現状七割から八割程調査が完了している。しかし、今の所はそれらしいと思われる様な場所は存在しない」
「一つもそれらしき
「ああ、無かった。……これは私の直感になるが、封印の隠し場所は副都には存在しないと考えている。封印されている状態なのは分かっているんだが、あの闘技場で感じた
古の勇者を知るアモル神によると、直系王族であるレギアス殿下は古の勇者の血が色濃く出ている様で、宿敵であった暗き闇に直接出会った事で、暗き闇に対する感知能力が高くなっているそうだ。その先祖返りであるレギアス殿下が、副都において何日にも及ぶ調査の日々の中で、暗き闇の気配を微塵も感じる事がないと言う。
暗き闇がこうして表に出ているという事は、少なくとも封印が少しだけ
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