だって私は、真の悪役なのだから。

境界のフェアリー chapter4

　 ☆登場人物

　 ○主人公

　 フェアリーン・クロス

　 (愛称をいれてね！)

　 ○攻略対象

　 黒の死神

　 S系シスコンの処刑人

　 グレインフェルド・ダナー

　 趣味 乗馬

　 白の貴公子

　 生真面目モラハラ騎士

　 フィエル・アトワ

　 趣味 絵画鑑賞

　 孤独な後継者

　 極度の二面性王太子

　 グランディア・グロードライト

　 趣味 お菓子作り

　 気弱な男の娘

　 デレ×女装異国の商人

　 ピアノ・ナイトグランド

　 趣味 狩り

　 ○サブキャラクター

　 メルヴィウス・ダナー

　 ラエル・フライツフェイス

　 エルストラ・フィンセンテ

　 オルガン・ナイトグランド

　 ○ライバル

　 リリー・ダナー

　☆☆☆☆☆☆

　 ～境界のフェアリー～

　 chapter-4

　 会社帰りの立呑屋で呑みすぎて、何処かの公園で休憩して、近道に林を抜けて、目が覚めるとここに居た。

　 いろいろ考えてみたけれど、ここってあの乙女ゲームの世界っぽい。

　 噴水広場を彷徨いていたら、灰色の怪しげな奴に声かけられて、それで〔境界のフェアリー〕だって確信出来た。

　 それからは境会に案内されて、聖女って呼ばれてあれこれ話し合ってみたんだけど、私は一人目に興味が無かったので、直ぐに王都に移動希望を出した。

　 グレインフェルドって見た目は良いんだけど、シスコンな上に、私よりも年下なんだよ。

　 このゲーム、攻略対象が全員年下過ぎるから、あんまり真剣にやらなかったんだけど、まあ結局全部やったけどwその中の商人兄弟のサブキャラに萌えた。

　 オルガン・ナイトグランド。

　 この世界に来たのなら、彼一択で進むしかない。

　 顔がちょっとエロいしw

　 どうやら私はゲームの主人公で、この年で学園とかはきついんだけど、ゲーム補正かなんなのか、周りは学生として扱ってくれている。痛くない。自分芸能人なのかってくらい学生と溶け込んでてw

　 取りあえず、弟くんを攻めて攻めて、つきまとって親密度上げて、早めにお兄さんに会いに行こー。

　＊＊

　 計画通りにお宅に訪問出来たけど、標的のオルガンは居なかった。あー残念。

　 あれから数日、学園とか通うの初めは久しぶりで新鮮だったけど、やっぱ興味ない座学に飽きてくる。

　 だから暇な授業中、各キャラのエンディングまとめてみた。

　 まずはグレインフェルド編。

　 皆に祝福されて結婚ハピエン。

　 駆け落ちノーマルエンド。

　 お城監禁のメリバエンド。

　 次にフィエル編。

　 定番結婚ハピエン。

　 恋人のまま終わるノーマル。

　 悪役に奪われる略奪エンド。

　 そして私の本命ピアノ編。

　 いや弟くんが狙いじゃないけど。むしろ弟、男の娘ってwいやwないでしょ。

　 でもゲームの中よりも、実物はそんなに男の娘には見えない。今のところ。まあそのうち、私の真似して休日にスカートとかになるのは時間の問題。

　 なのに趣味が狩りなんだよねー、あのこの趣味はきっと私の真似だよねー。

　 まだそんなに親密度上がってないのかな？ でもこの前家に行ったし、また誘ってくれるって言ってたし。これからこれから。

　 ーーカラーン…。カラーン…。

　 おっと授業が終わった。授業はサボるくせに、何故か中庭に居る弟くんに会いに行かなきゃ。

　 ーードンッ。

　 『いった……』

　 「……」

　 うっわ、やっべ。白の貴公子じゃん。

　 こいつモラハラ系でしょ？ 苦手だわー。エンディング思い出してたら、まさか引き寄せちゃった？ さすが私、主人公だなー。

　 「申し訳ありません」

　 早めの対処。

　 「おい、待て」

　 深々とお辞儀したのに、やめてよね。

　 「……」

　 来ちゃった来ちゃった。めっちゃ見てくる。興味持たれてる。でも私はあんたに興味ゼロ。スキップスキップ…出来ないか。

　 「お前、名はなんという」

　 「……フェアリーン・クロスです」

　 主人公（わたし）に、イケメンが自然に引き寄せられてくる。でもフィエルも年下過ぎて好みじゃないから、では、この辺で。

　 「ぶつかって申し訳ありません。私、急いでますので、失礼致します」

　 「…………」

　 早歩きで立ち去ったけど、回避出来た？

　 「！！」

　 やっば、振り返ったら、まだこっち見てた。モテる女は辛いわー。