第三話 過去

① 碧風の過去1

碧風:「………」

彼女…碧風は、喋ることを嫌っていた。

小学二年生の時に、

たった一人の友達を

『言葉』で傷つけた。

友達は、自殺してしまった…。


それ以降、碧風は小学五年生になるまで

一言も、喋らなかった。

小学五年生のある日、

ある子と出逢った。


??:「何一人でいるの?一人でいるならさ、空でも見ながら喋ろうよ!」

碧風:「……‼︎(えっ。どうして、私に?)」

??:「ねぇ、見てみて。今日の雲!私の大好きな雲なんだ」

碧風:「……。(なんで、雲?)」

??:「ほーら!空見て!」

碧風:「っっ。」

そこには、暖かい、ふわふわの雲があった。

当時の碧風は、何かに惹かれるような感じがした。

??:「眩しくない?大丈夫?直視しちゃって」

碧風:「…え。あ、、」

久しぶりに声が出た、瞬間だった。

喋ることが楽しいと、とても久しぶりに感じた。

??:「やっと喋った。ねぇ、名前教えて!」

碧風:「ぁ、ぇ…光野碧風みつのあおかぜです。

   ぇ、ぇと、あなたの…名前は?」

全力で出した、言葉だった。

声が出にくかった。

少しだけ、間があった。


??:「あおかぜって言うんだ〜。ふふっ、かわいい!

   私の名前はね……」


  「◯◯◯◯だよっ!」

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