008  ショップの仕組み

「革命者。めざしてみない?」


 たぶん男の人なられること間違いない笑顔で私にそういったユキ。

 ユキ、なんだか楽しそう。そう感じた私はそういえば最近こんなユキは見ていないな。とそう思い出す。

 ユキが最後にこころから素直に笑ったのは何時だっただろう?


 …ああ、そっかあの時以来だね。




 でも今、こんな感じで笑ってくれるなら。



「うん。いいよ!ひとまず革命者になることが目標ってことで」


 ユキと一緒にこのゲームで遊びたい。






「とまぁ、滅多めったになれるものじゃないんだけど〜。何となくナユカはやらかす気がするから〜」


「私変なことはしないよ?初心者なんだし!」



 初心者がそう簡単に革命者にはなれないでしょ?ユキと私じゃあ経験に差がありすぎるよぉ…。


「ひとまず、ここで基本的なのはスキルそろえとくのがいいかもね〜」


「うん!」


 ということでユキにからかわれたあと。うながされるままにメニューにあるショップを開いてみた。


「おおー。大量」


 そこにはたくさんのスキルが表示されている。が、パッと見内容がわかるスキルもあればこれはなんだ?と首を傾げてしまうようなものまであった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


・魔力

・火

・鍛冶

・剣術

・飛行

・水泳

・火炎

・剣

・設置

・回す

・止める

・水

・衝撃

・急降下

・飛ばす

・集める

・光

・槍術

・縦

・施設

・集中

・店

・躱す

・作文

・溜める

・植物鑑定

・頭

・楕円

・叩く

・記号

・押し出し

・加熱

・抽出

・植林

・画面

・定義

・あくび


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 そこにはずらっと並ぶ文字。スキルなのだろうそれは結構な種類が表示され種類もカテゴライズもされずただ適当に陳列されているように見える。



 ユキが説明してくれたのだがこれはある法則にのっとってランダムに入荷しているらしい。

 その法則とは需要じゅよう供給きょうきゅうだと検証系プレイヤーが結論を述べたという。


 いわく、需要が高ければ高いほど上に、ここで言う需要とはプレイヤーの願望。普段のゲームプレイ中に欲しいとその時願われているもの。またの名を流行りゅうこう

 それらが高いものほど上に陳列される。


 いわく、供給が高ければ高いほど上に、ここで言う供給とはその時のスキルの出現率。普段のオーブとしての獲得率、オーブのレアリティにより決まる。それらが低いものほど上に陳列される。


 これら2つが高ければ高いほどスキルは上になる。



 逆に、それら2つが低いほど下に。




 そしてショップに並ぶ商品はそれらを並ぶ全てのスキルで中央値となるようにスキルをピックアップする。



 簡潔かんけつにまとめよう。




 最上 需要があってありふれたスキル。


 上  需要のある少しレアなスキル。


 中  需要は無いけどそこそこの人が持ってるスキル。

 下  レアなスキルか、知らないスキル。


 最下 とんでもないスーパーレアスキルか、ゴミ。




 だそうだ。上が無難ぶなんだね。


 …でもでも、下にあるようなスキルはユキでも知らないようなスキルもちらほらあるらしい。そういった場合、もしかしたら思いもよらない使い方があるかも?ほうほう!



 スキルは1時間くらいで品揃しなぞろえが一新するそう。


 んー、悩ましいね。


 値段もそれぞれとんでもない値段のものからそこそこのものまで。ちなみに初期の手持ち資金は 10 000G 安いスキルは 1 000G とかなので何個か買えそうではある。


 上にあるものを重点的に少し挑戦して下の方にある安いスキルを買ってみるのもアリなのかな?ちょっとそういうのはワクワクするよね…。


 ということで私は持ち金ほぼ全てを使ってスキルをいくつか購入することにしたのだった。


魔力→1000G

火→1000G

回す→2500G

植物鑑定→1500G

躱す→1500G

火炎→1000G

叩く→1000G


合計金額 9500G


 まず基本は〔魔力〕。これがないと遠距離攻撃出来なさそうだし、何よりないと苦労しそう。

 それに必要そうな属性〔火〕。ユキの〔氷〕?とか〔雪〕?みたいなのはなかったので真反対のを購入してみた。

 次に適当に直感で選んだスキルが〔回す〕〔植物鑑定〕〔躱す〕〔火炎〕〔叩く〕。所持金ギリギリまで攻めてみたよ。


 計7つのスキルを購入し、そのことを満足気にユキに報告した。これでそこそこ?必要最低限なスキルは確保したから次からは少し戦闘もしてみたい。あ、でもユキみたいなのはまだ無理そう…。



「あ…、ナユカ〔飛行〕スキル買ってない…」


「あ…」



 そう言われて気づくも遅し、確かにユキは飛んでいたし相手も飛んでいた。これもしかして〔魔力〕の次くらいに必要そうなスキルを買ってないのでは?



「まあ初めは陸上戦からでいいかな?今じゃあまり見ないけど…」


 やっちゃった…。〔飛行〕取らないと空飛べないじゃん!!今からでも〔飛行〕買えるかな?





飛行→ 1 000G


所持金 500G



 無理みたいです。はい。


「あ゛ああぁー…。変なのばっか買わなきゃ良かったーー!!しかもなんで所持金全部使わないとって思っていた!?私のバカー!!!」


「まあまあそう言わずに〜。ね?〔飛行〕とかそういった基本スキルは意外と外でもゲットできるから。レア度も白だからすぐ取れるって!」



 こうして私の初めてのスキル購入は無事ぶじ終わったのであった。





 無事か?これ。







ステータス



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



名前 ナユカ


所持金 500G



HP 0├───────────┤


スキル


パッシブ


魅力 魔力



アクティブ


火 回す 植物鑑定 躱す 火炎 叩く



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る