第150話 第1回パーティー会議
邪神教の情報提供をしてから1週間が経った。
サリーちゃん達は無事に邪神教の祭壇の調査を終え、3日前に帰還した。
そして昨日、情報提供料として金貨35枚と大銀貨5枚をもらった。
5人で山分けしても1人あたり金貨7枚と大銀貨1枚と、かなりの価格である。
邪神教はなかなか足取りを掴めない集団であるため、情報の希少性が高かったらしい。
そして現在昼、情報提供料を山分けすると同時にソフィアを含めた6人でパーティー緊急会議を開いている。
何故か俺の部屋で、議題はパーティー資金と今後についてだ。
「アルフレッド様、パーティー資金はどうやって集めているのですか?」
「クエスト報酬から最低2割、最高5割の提出で設定してる。…まぁ全員5割出してるけどな。」
「ち、ちなみに資金は金庫に入れてアルフレッドの“アイテムボックス“に仕舞ってるのです!!」
「アルフレッドは絶対にパーティー資金に手をつけたりしないからね〜!!」
「…その役割は私に任せてくれないでしょうか?」
「実は俺も前々からそう思ってた。」
「どうしてだ、ソフィア?」
「本来ならパーティーリーダーではなくパーティーの管理職の私が資金を管理すべきなんです。」
「確かに…!!オレもそう思う!!」
「それに、俺みたいにパーティーの一員が資金を管理するのはいざこざの原因になる。管理者に管理してもらうのが無難だな。」
「あたしも賛成〜」
「私もです。」
「満場一致だな。じゃあソフィア、金庫を預けるぞ。アイテムボックスの魔道具に入ってるが…そのままでいいよな?」
「はい。」
「分かった。」
“アイテムボックス“から金庫の入ったアイテムボックスの魔道具を取り出し、ソフィアに手渡した。
「ちなみに今どのくらい溜まってるの〜?」
「皆装備の買い替えとかアイテム購入とかで引き下ろさないから結構溜まってた気がする。ソフィア、確認頼む。」
「かしこまりました。」
アイテムボックスの魔道具から一辺60cmの立方体型金庫を取り出し、鍵を開けた。
すると、中から金銀の輝きが溢れ出した。
「おぉ〜!!かなり溜まってるね〜!!」
「ただいま確認致します。」
大熊宿の会計として活動しているいつもと同じ手つきで数え始めた。
その手つきは正確で、かつ素早いものだった。
十数分後
「ふぅ…全部で金貨78枚と大銀貨186枚、小銀貨150枚です。」
「…オレ達そんなに稼いだっけ?」
「最初に所持金の半分集めたのを忘れたんですか?」
「特にクレアはかなり出してたじゃ〜ん!!」
「あぁ、そういえばそうだったな!!確かアルフレッドが出した量に驚いたんだよ!!」
「剣闘祭の賭博で稼いだ分とか全部…金貨40枚くらいだった気がするな。」
「…皆さん、重要な話があります。」
ワイワイ盛り上がっていると、ソフィアが真剣な顔つきで言った。
「どうしたんだ?」
「目標金額の金貨100枚分まであと金貨1枚と大銀貨9枚です!!」
「おぉ〜!!」
「安いパーティーハウスなら十分買える値段なのです!!」
「だがせっかくならいい家を買いたくないか?」
「私もアルフレッドに賛成です。」
「だが、下見くらいならいいんじゃないか?」
「えっ?」
クレアの何気ない一言に対し、クレア以外の5人全員が疑問の声を上げた。
顔を見合わせると、アイリスが代表するように言った。
「クレアはパーティーハウスをここに構えるつもりですか?」
「あー…そういうことか!!」
「も、もしブルーノ帝国を中心に活動するなら帝都に拠点を構えた方がいいのです!!」
「そうだな…1度全員に聞くいい機会か。クレアはどこがいいんだ?」
「オレはテレジア王国の迷宮都市ラビリンスだな!!あそこにあるダンジョンを全て攻略したい!!」
「あっ、それあたしと同じ〜!!」
「ボ、ボクも!!」
「私も同じです。」
「俺も同じ…ソフィアどうだ?」
「私は皆の望むところへついて行きます。」
「そうか…ならパーティーハウスは迷宮都市に決定だな!!」
迷宮都市ラビリンスは冒険者のなかで最も人気が高い街である。
というのも、無数のダンジョンがあるため冒険者として文字通り冒険ができるからだ。
「ソフィア、確かパーティーハウスの本を読んでたよな?」
「はい。」
「迷宮都市にパーティーハウスを構えるとしたらいくら必要になるんだ?」
「確か金貨100枚〜300枚だったと思います。」
「うげぇ〜…」
「あと何年かかるんでしょう…?」
「だがまぁ、俺達なら意外とすぐに稼げるんじゃないか?」
「そうだぜ!!」
「ボ、ボクも頑張るのです!!」
「パーティーハウス購入のために稼ぐぞ〜!!」
「おーー!!」
「では私達は魔物討伐クエストをやりましょう!!」
「俺は…そうだな。他に用事があるから今日は辞めておくよ。」
「おう!!じゃあまた夜にな!!」
「ああ!!」
4人が大熊宿から出るのとソフィアが仕事へ戻るのを見送り、俺はある場所へ向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます