東へ西へ編 その20 お姉様方とお風呂(入りてぇなぁ・・・)

肉体的にはそれほどでも無いけれど精神的に物凄く疲労したので休憩・・・ではなく晩ごはんの用意を始める俺。

『いや、どうして休むんじゃなく料理始めようとしてるんだよ!』だって、黙々と何かを熟すのって落ち着くじゃないですか?あとお腹もすいたし。

つくづく日本人メンタルな俺である。

てか帰ってきてから二時間くらい説明とお互いの自己紹介に費やしたからね?・・・もちろん触りの部分だけでまだまだ詰められるんだけどさ。


無実だ!

俺は何もやってない!

ただこう、タイミング的なモノが良かったというか悪かっただけなんだ!

とりあえず王都に残ってた奥さん全員これと言って怪我や病気が無くなによりである。

ああ、料理の前に南都までドーリスのお迎えに行かなきゃ!!


さて、本日の我が家の晩ごはんは『餡かけ焼そば』ならぬ『餡の上のせ焼きそば』と『蟹の身と卵のカレー炒め』である。

最近食べてなかったしさ、甲殻類。てか食べる時も海老ばっかり食ってたよな。ほら、女の子(だけじゃなくおっさん連中も)って海老大好きじゃないですか?

餡かけじゃなく『餡の上のせ』とかいうちょっと聞き覚えのない料理が出てきてるけど何のことはない『梅○』の焼きそばのパクリである。

八宝菜の様な餡の上に丸く整えたかた焼きそばを乗せたやつ。ふた月に一度くらい無性に食べたくなるよね、○蘭の焼きそば。


あと蟹と卵のカレー炒め(そうだね、みんな大好きプーパッポンカリーだね!)は蟹の殻をちゃんとむき身にしている。ソフトシェルな蟹じゃないから当たり前なんだけどさ。

蟹の殻とか海老の頭とか入ってると見た目は何となく豪華に見えるけど非常に食べにくいのでお店でも是非とも身だけにしていただきたい。

あ、スープはどうしよう・・・卵がかぶるけどかきたまでいいか・・・。

厨でドーリス(調理補助)&メイド隊(配膳)と一緒にどんどんこしらえてゆく。


てかさ、どうしてこんなディナータイムの○将みたいに厨房が忙しいんだよ!・・・もちろん義父が義母を連れて来宅しているからである。当然のように義兄もいる。

そもそも晩飯時に他所ん家にくるなら屋敷でご飯くらい食べてきてもらえないですかね?もちろんオッサン連中以外のお姉様方のご来宅はいつでもwelcomeです♪


ちなみに今回のような冷めると美味しさが半減する料理の時は出来た順にとっとこテーブルに並べていくので調理担当ではない奥さんは先に食事を済ませるので俺とドーリスは最後に2人で食べることが多い。

フィオーラやリリアナもだけど特にサーラが最後まで俺より先に食事を済ませることなんて出来ないとごねたが『もうただの護衛じゃなく俺のお嫁さんになったんだから』となだめすかして渋々了承させた。


ミヅキとヴィオラ?当然の様に最初から何も言わなくとも食卓に並んだ瞬間に食べ始めるさ。ほら、奴らは年中欠食児童だから・・・。

少なくとも自宅に在宅の時は他の全員も気を使わずそれくらい気楽にしてもらいたいものである。

てかそこそこ全員食休みに入ってフルーツ食べながらお茶とかしてるのに何故だか馥郁おじが普通の勢いでまだ焼きそば食ってるんだよなぁ。いや、他のメンバーがフルーツを食べる速さもデザートの速度では無い気もするけれど。

人数に対して二倍半くらい注文(おかわり)があったんだけどどれだけ食べたんだこのおやじは・・・。



食事が終わればみんな集合して今回の帝国行きの報告タイムとなる。

うちの奥さんとお姉様方&帝国からの女性グループは入浴タイムなんだけどね?

流石に大人数だし男子風呂もお姉様方に開放したので俺もお背中を流すのにご一緒しようとしたらフィオーラににっこりとされたのでこちらも満面の笑顔を返して回れ右した。

聖女様のとても良い笑顔にあまりの恐怖でちびりかけた。


「お前は本当に相変わらずだな・・・」

「はい!初志貫徹をこれからも貫く所存です!」

「奥さんも沢山出来たんだから少しは落ち着いてほしいんだけどね?」

「聞いてるかエオリア?」

「そこで僕に振るの!?」


なんかこう良い匂いと淫靡なフェロモンが漂ってそうなお風呂ではなくオヤジ臭とニンニク臭が漂ってそうな会議室、いや、普通に香辛料っ臭いんだけど・・・。

当然のように俺の膝の上にはミヅキが鎮座ましましている。ミヅキ、神様のくせに一人ぼっち(封印期間)が長かったから妙に寂しがりやさんなんだよなぁ。

てか王様も居るのに膝の上に幼女が座ってるのに誰も特に気にしてないとかそれはそれでどうなのかと。


これまでの帝国での出来事を説明するのはもちろんこの中では一番下っ端扱いとなるエオリア、そろそろこのメンバーにも慣れて落ち着いたもの・・・でもないな、脇汗が凄いし。


「ほう・・・帝国内でクーデター未遂か。あれだけの死者を出して何の成果も無ければ仕方のないことかもしれぬな」

「むしろ早めに不穏分子のあぶり出しが出来て良かったとも言えるでしょう、もっともラポーム候がその場に居なければ未遂でなく成功していたと言う所に不安が残りますが」

「確かに。しばらくは対等な同盟国としては少々頼りないかもしれぬな。もっとも先の戦争で王国内から内応者を出した我々も偉そうに言えた立場ではないが」


報告を聞いた国王と王太子がそう声に出す。

皇太子の命を助けたことに関しては二人とも、と言うか室内の全員が問題視をしていない様で少しホッとする。

まぁ帝国の皇太子、今のところは王国と協調路線な考えの人だからね?それに成り代わってまた戦争起こしそうな人間が皇帝になったら物凄く面倒くさそうだし。

そして皇太子は俺が居たから助かったけど俺が居なければ巻き込まれなかっただろうと言うマッチポンプ状態・・・いや、皇女様に関しては間違いなく助けたんだから大丈夫なはず!


「問題は帝国よりも教国だな。何だその『魔物を封印する魔道具』と言うのは・・・。その様なモノをあちらこちらでまとめてバラ撒かれたらとても対応が追いつかんぞ」

「でも今のところ量産のきく物ではなさそうではないですか?もし数が揃えられるのなら帝国の迷宮で一つと言わず二つ三つと使用したでしょうし。そもそも数があったら王国で混乱を起こすために戦争前にも使っていたでしょうし」

「それもそう・・・だと思うが、いつ量産可能となるかも解らぬしな。かと言って王国から教国までは帝国だけでなく都市連合も間に挟んだ向こうだからな。流石に遠すぎて情報を集めるのもままならん」

「それ以上に宗教的な問題もあるのであるな!現状では王国内に関しては光神教の狂信者と言えるほどの信者はそれほど多くはないであろうが・・・それでも信者数はかなりのものなのである!」

「光神教全体と言うよりも恐らくは強硬派のルフレ派の仕業だろうとは思うのですけどねぇ・・・」


宗教、マジ面倒くさいよね・・・。

てか聞き慣れない『ルフレ派』とか言うのが出てきたけど光神教、大きくは三つの派閥『エタン派、エクレ派、ルフレ派』に別れている。

俺が世話になって・・・世話に・・・なってたかな?のはその中のエタン教会だな。思想としては一番穏健派である・・・らしい。

いや、だって他の教会とか行ったこともないし信者と関わった事もないし特に街なかで勧誘とかもしてないしさ。


まぁ何にしても精霊様は6匹(6人?6柱?)居るのに『光の精霊様が一番偉い!』とか言い張るのはどうかと思うんだよなぁ。

だって6匹全員愛らしいじゃないですか?もふもふじゃないですか?


「今のところ教国に対しては帝国と共同で強めの非難声明を発するくらいしか出来ることは無さそうだな。まぁ教国側は知らぬ存ぜぬで通すだろうが、今後同じ方法で行動を起こすのは多少なりともやりにくくなるだろう。後は教国人の出入りを制限するくらいか?」

「つまり『遺憾のい』ではなく『遺憾のか』くらいの強さのお気持ち表明ですね?」

「何を言ってるんだお前は・・・」


後の『遺憾の意ライトバージョン』である。メテオストームじゃなくて良かったな!

てか国政的な話はお城でやれば良いと思うんだけどどうして家でこんなことしてるんだろう。

特に急ぎの話でもないし明日俺が王城まで出向けば十分な話だと思うんだけど?

あまつさえ遅くなったから全員泊まっていくとか意味がわからない。

うちの屋敷が爆発でもしたら国の重鎮全滅だよ?もちろんそんな危険なギミックは内蔵してないけどさ。


「婿殿!朝食はおにぎり中心でお願いしたいのである!あとだし巻きは絶対に必要不可欠!」


あんたは日本人か!!


―・―・―・―・―


ながらくおまたせいたしましたm(_ _)m

体調は回復していたのですがテンポや言い回しの勉強にM-○の古いのとかツベでサンド○ィッチマンとかノン○タとか観てました!


いや、なんでファンタジー作品の勉強で漫才観てんだよ・・・

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