東へ西へ編 閑話 全員でファッションショー?

最近ヒロイン成分(つまりお笑い要素)が不足気味だとお嘆きの貴方に!

いや、どうしてヒロインがお笑い担当の扱いなんだよ・・・。

てことで(?)まったく本編とは関係のない閑話を挟んでみたり。


―・―・―・―・―


冬も近づいた、むしろ地域によっては既に雪がちらつく季節。

まぁ屋敷のそこかしこに魔道具(エアコン)を設置しているから家では暑さも寒さもそれほど関係は無いんだけどね?

省エネなんてくそくらえと言う、このご時世に真っ向から喧嘩を売っているというか非常に地球に優しくない俺の屋敷・・・いや、そもそもここ地球じゃ無かったわ。

温暖化?知らない子ですね?


で、そんな屋敷の中なんだけど・・・ほら、一応お貴族様の屋敷だけあって奥さん全員、普段着がドレスとかじゃないですか?

一部の人は年中全身鎧着用してるけど。

だからこう何ていうの?部屋着的なモノをですね、着せてみたいわけでして。

だってみんなそこそこ個性的な髪の色してるじゃん?だからスエットとかトレーナーとか着せたら面白いんじゃないかなって。

・・・そうだよ!昔憧れてたんだよ!おそろいのスエットとか来てコンビニとかド○キとか行くの!昭和のヤンキーか俺は。



「てなわけで知ってる人の分も含めて部屋着?屋敷着?を作ってみました!!」

「くっ・・・は、ハリス・・・ふ、ふふっ・・・そ、その来ている服・・・が部屋着?と言うものなのかしら?」

「君・・・それは・・・ふ、ふふっ」

「いや、俺はどうしてこんな催しに呼び出されたんだよ・・・何も始まってないのに既に帰りてぇよ・・・」


広間に集まっているのは奥さん全員&エオリアと緊張で顔を青くしたおっちゃんである。

おっちゃん、うちの身内しかいないからそこまで緊張しなくてもいいからね?

身内にお姫様がいる?むしろ全員お姫様みたいなもの?確かに。

そして室内の全員がうつむいて肩を震わせているのは何故かというと・・・俺のスエットの胸元に


『よーめの実家が大貴族~♪』


と書かれているからである。

ほら、普通に服を配るだけとか面白く無いじゃないですか?

なので日本でよくある『自虐ネタ風Tシャツ』を作ってみたのだ。



「じゃあ・・・そうだな、まずはエオリアから?」

「えっ?僕もそれを着るの?うちの奥さんの実家ってそこまで大きくないよ?」

「大丈夫!全員本人に合わせた感じで文面は変えてあるから!」


てことでエオリアにはさっそく隣の個室で着替えてもらう。


『僕はね、嫁の尻に敷かれてるわけじゃないんですよ。むしろ自分の方から嫁の尻の下に潜り込んでるんです。りあお』


「何なのこれ!?ただの変質者みたいになってるんだけど!?」

「んー・・・ちょっとスベった感じがエオリアって感じ?」

「そもそも君が作ったんだよね?どうして僕の責任みたいになってるのさ!」


だってみんなの反応が失笑なんだもの。



「では気を取り直して次はミヅキ!」

「む?よくわからんが着替えてくればよいのか?」


『HEBI (亀の絵) トカゲ』


「・・・なんなのだこれは?」

「・・・うん、作ってる時はそこそこ行けるかと思ったんだけど結果的には大惨事だったな」

「まったく意味がわからんが・・・亀の絵がリアルでキモいだけじゃの」


異世界ではまったく伝わらなかったよ・・・。

てかそもそもアレって本当に面白いのか?



「ヴェルフィーナ、君ならこの空気を変えてくれるって信じてるからな!」

「服を着替えて出てくるだけなのにそんな期待をされても困るんだけどね?」


『露出狂』


「何なのさこれ!ほぼほぼただの悪口じゃないか!!」

「くふっ、ちょっとおもしろい。さすがは俺のヴェルフィーナだな!」

「そ、そうかい?それならまぁ・・・」


ちょっと『俺の』と付けただけだ頬を少しだけ赤くしてまんざらでもない感じになるヴェルフィーナ。

ちょろい、ちょろすぎるよエロフさん!でも胸元には『露出狂』の文字が踊る。



「よし、この勢いを維持しながら・・・『ヴ』繋がりで次はヴィオラ!」

「ふっ、任せておきなさい」


『合法ロリ』


「合法って何なのかしら?そもそも非合法なロリってどう言うものなの?」

「非合法なロリはもちろん本物のロリに決まってんだろうが!」

「どうしてそれが非合法になるのかまったく意味がわからないんだけど・・・あと私の方が歳上だって口を酸っぱくして何度も言ってるでしょうが!!」


・・・そもそも婚約にも結婚にも年齢制限が無い世界だから非合法が無いかもしれないと言う異世界の現実。

『成人の儀』もあるし、一般的な常識の範囲ってものはあるんだろうけどね?



「んー、次・・・とりあえずアリシアにしとこうかな?」

「お前はいつも妾の扱いが雑すぎるぞ!ある程度の年齢になると『いちおう』とか『とりあえず』とか『で、いいかな?』とか言われるととても傷つくんだからな!」


『真紅の妻』


「お、今までのモノに比べるとかなりマシ、いや、むしろ良いではないか!特に『妻』と言う部分が良い、とても良い」

「それをいいと思える残念な感性がアリシアの可愛いところだよな」

「そうだろうそうだ・・・いや、それ、1ミリも褒めてないよな?」


『真○の稲妻』のほぼ丸パクリである。てかこれだとただの赤い嫁なんだけどな!

『赤い彗○』?冷静に考えなくてもあの人の乗ってる機体って赤じゃないよね?

近いものだと『生肉』とか『ちく(ピー)』とか『(ピー)』みたいな色だよね?たとえるなら何かエロい系の色。



「ちょっと色物が続いたから次はドーリスかな」

「・・・他の男性がいる前でいつもの様な衣装は恥ずかしいのですが」

「どうして今までの流れを見ていて、ここで急にエッチなコスプレをさせると思ったのかな?あと普段からそういう格好をさせてるみたいに聞こえるからみんなにはナイショにしておきなさい」


『奉仕の精神』


「ご主人様、この様な大勢の前でご奉仕は・・・」

「いや、『ご奉仕』じゃなくて『奉仕』だからね?そこ間違えると『雪○下さん』に詰められるからね?」

「そうですよね、それは3人の時だけですものね?」


『2人の時じゃなく3人の時ってなんだよ?』って?ほら、ドーリスはいつもヴィオラと一緒だから・・・いや、そんな事はどうでもいいんだよ。

てか書いてあることは完全に健全なのにドーリスが着るとインモラルな雰囲気になるのは何故なのか?



「なんとなく周りからの視線が痛い気がするけど気にしないで次はリリおね・・・リリアナ!」

「ふふっ、ハリスちゃんはしょうがない子ね?」


『元清純派』


「ハリスちゃん?お姉ちゃまは今も昔も清廉で純情でしょう?『元』と言うのはどういうことなのかな?」

「いや、最近は闇、むしろ漆黒・・・何でも無いです。ほ、ほら、最近は純情なふいんきから色気とかが出てきたなって思って!」

「ふふっ、確かにそうかしらね?でも、それもこれもハリスちゃんがお姉ちゃまを変えたんだからね?・・・逃さないよ?」


怖い、あと怖い。ヤンデレまでは良いけどヤンデルだけなのはマジ勘弁してほしいです!!

・・・まぁそれはそれで嫌いではないんだけどね?愛の重さで押しつぶされるならそれは大歓迎、男として本望である。



「よし、そこで小さくなってる人相の悪い奴、いけ」

「お前マジそういうところだぞ!?呼び出したならもっとちゃんとかまえよ!!」

「寂しがりやさんか」


『おっさん言うな!』


「いや、俺の家名オッサンだよな?坊主が付けたんだよな?じゃあなんて呼べば良いんだよ?」

「んー『オッサン(笑)』かな?」

「お前いま完全に小馬鹿にしただろ!?」


さすがに『オッサン』は奥さんとお子さんが恥ずかしいと思うので正式には『オットーサンジェルマン』とか言う妙に長いものになったおっちゃんの家名。

まぁ通称はオッサンなんだけどな!

または『オトーサン』でも可。

ちなみに『オトーサン』の発音は『後藤さん』でお願いします。


「さて、いよいよ大とり!フィオーラ、よろしく!」

「これほど気が乗らない着替えもなかなか無いと思うのだけど・・・」


『(直線と曲線と陰影の表現により正面から見ると巨乳に見えるTシャツ)』


「ええと、この・・・これはいったい何なのかしら?他のシャツの様に文字ではないし・・・と言うかどうして皆そんなに愕然とした表情をしているのかしら?」

「ああ、自分で着ているとわかんないよね。それは・・・」


はたして正直に『巨乳に見えるTシャツです!』って伝えてよいものなのだろうか?

着せておいてから言うのもなんだけど絶対に叱られるよね?俺。


「フィオーラちゃん・・・胸が大きく・・・あれ?なってないよね?もしかしてそんな風に見えるだけなのかな?」

「ああ、なんだ、正面から見ると大きいが横から見ると普通にぺったんこなのだな!いやそれはそれで凄いな!?」

「本当なのだ!不思議なのだ!主よ、我もこのシャツが欲しいのだ!」


うん、そんな大きな声で本人に伝えるの止めて?

あとぺったんこじゃないからね?

普通に手のひらで包み・・・押さえられるくらいはあるんだからね?


「ハリス」

「あっ、はい」

「少しこちらに来なさい、ええ、大丈夫よ?決して肉体的な苦痛は与えませんから。ただどうしてこの様な暴挙に出たのかというその理由を説明していただきたいだけですので」


・・・ちなみに奥の部屋に連れて行かれて一番最初にしたことは『大きな姿見を用意する』ことだった。

てかその鏡を見つめながらうっとりとした表情で「これが・・・本当の私?」とか囁くむっちゃご満悦なフィオーラだった。


あっ、「ドレスにもこれと同じ仕立てをお願いできるかしら?」とか言われましても申し訳ございませんが絶対に無理でございます・・・。


―・―・―・―・―


どうしても『巨乳に見えるシャツネタ』がやりたかったんや!!

あと『ゆき○ん』大好き!!でも『さが○ん』もいいよね!!(屈折した性癖)


てかメルちゃんとサーラ嬢、最近登場回数が多いから普通に忘れてた・・・ほ、ほら、彼女たちは鎧を脱げない子だから・・・ダークエルフ姉妹?知らない子ですね。

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