新しい年編 その2 邪教の神殿
そして翌日の朝。うん?昨日の夜何してたのかだって?
もちろん自慰じゃないからね?
ほら、ここの村、っていうよりも僻地の村全般に言えることなんだけど教会とかないじゃないですか?
泊まりがけで近くの大きい街まで行かないと10歳のスキル鑑定も15歳の成人も気楽なお参りも出来ないじゃないですか?
だから教会と言うか神殿でも建立してやろうと思って。
てか領主の館の隣にパルテノン神殿・・・は作りがよく分からなかったから領主の館と同じくらいのサイズで『ちっちゃい東大寺の大仏殿』っぽいのを建ててみた。
そんな気軽な感じで建てるものじゃないよな神殿。
パルテノン神殿も大仏殿もよく分からないのは変わらないだろって?
ばっかお前、N県の人間は大仏殿ならマッチ棒ででも作れるぞ?
あれって何なんだろうな、マッチ棒とか五円玉で金閣寺とか五重塔とか作ってるやつ。
中途半端な小金持ちのお家の玄関とか応接間に置いてるあるの。妙な形の木とか蜂の巣も高確率であったな。
そしてマッチ棒で作るなら『本能寺』が最適だと思うんだよね。敦盛唄いながら火をつけたら楽しそうじゃん?
人間五十年~。あ、歌うと某団体から苦情が来ちゃう!!
さすがに南大門までは無いので神殿(寺?)の玄関前に仁王像の代わりに黒い鎧の2人の像を設置しておく。もちろん用途は魔除けだ。
そこはかとなく人よけになりそうだけど魔除けなのだ。
屋根の上にある鯱(しゃちほこ)みたいな靴みたいな転覆してる船みたいな奴(鴟尾(しび)って言うんだぜ?)は『デフォルメした蛇状態のミヅキ』を象ってある。
おかしい・・・大仏殿のはずなのに全力で不穏な空気を漂わせてるんだけど?
中に入ると大きめの体育館くらいの広さの室内に精霊様をかたどったガラスの像を設置。
台座は6ヶ所あるけど像があるのは『光(コリ○ックマっぽい子グマ)』と『土(ベン○ャミンっぽいウサギさん)』と『風(コウ○ンちゃんっぽいペンギン)』の3体だけ。
色々なところからお叱りが来そうだけど異世界だから大丈夫。ポ○モン系のテーマパークに見えなくもないけど大丈夫。
あ、某団体もさすがに異世界までは・・・いや、(音楽系の)奴らと(放送系の)某団体と(電脳遊戯系の)弁護士は地獄の底まででも追いかけてくる。
もしそんな連中が追いかけてきたとしても
「いけ!精霊子グマ、電撃だ!」
「がおー・・・」
まぁ光の精霊はいつもやる気がないからなぁ。でもウサギさんは頑張る子だから!
あと風の子は遊んだことがないのであまり知らない。知り合い以上お友達未満なのだ。
残りは火の子と水の子と闇の子・・・火の子はアリシア王女にでも頼んで王城で見せてもらえばいいとして水の子は行方不明らしくて闇の子はこの国の建国には関与して無いんだよね。
うん、盛大に話がそれたな、神殿神殿。
そんな愛らしい精霊たちに囲まれて中央の一段高い場所に設置されるのはこちらもガラス製の女神像。
俺がまだ若かりし時代に大量生産した女神像を大きくしたもの。
そうだね『聖女フィオーラ像』だね。
ほら、この村ではいつの間にか信仰対象になっちゃってるからさ、光の聖女様。
だいたいは俺のせいなんだけど本人にバレたら叱られるので内緒にしておかないといけない。
これからはこの施設で、この領内で一番暇そうにしている幼女、ヴィオラが精霊の巫女様として魔道具を使いスキルの鑑定などを執り行う予定なのである。
「てことでこれから領民を集めるから挨拶とかよろしくな?」
「『てこと』で説明が住むと思ってるんじゃないわよ!そもそも巫女って何をすればいいのよ!いえ、そうじゃなくてこの建物は何なのよ!?」
「もちろん神殿?」
「疑問形なのがとっても気になるんだけど・・・」
ちょうど起き出してきたヴィオラが落成(いや、お寺だから落慶か)したばかりの大仏殿の前で『腹がへった』みたいな感じでぽかんと口を開いていたので巫女さん就任を寿(ことは)いでおいた。
少しだけ、心持ち、神殿の前に『邪教の』って付いちゃいそうだけど普通の神殿だから。そう、これはただの『六大精霊様の神殿』だから!!
またの名を『フィオーラ教総本山』とも言ったり言わなかったり。
お正月って事で集まった領民に配るお守り代わりに作っておいた大量の精霊様のキーホルダー(Ver.子グマ)をヴィオラとドーリスに渡した後は・・・うん、今日も王城に行かないといけないんだ。
ああ、その前に領民に『みんまあつまえー☆』って連絡しておかなきゃ。
あんまりと言うよりまったく娯楽がない領地だから喜んでもらえるといいな。
ミヅキにお留守番を任せて俺はメルちゃんとサーラ嬢を侍らせて公爵邸に移動。
「・・・俺の部屋で女子会とか止めてもらっていいですかね?ベッドとかものすごく寝乱れてるんですけど?」
「うふふっ、ハリスちゃんの匂いがおねぇちゃまの匂いでうわがきされちゃったよ?そう、うわがきしたんだから小さい子とうわきとかしちゃ駄目なんだからね?」
「くっ・・・あの時勝負で負けさえしなければ妾がお布団に潜り込めたのに・・・」
「・・・」
「おはようハリス、取り敢えず朝餉の用意をしてもらってもいいかな?」
本日も絶好調にヤンデルなこの人・・・。
まぁ言わなくてもお解りであろうが上から順にリリアナ嬢、アリシア王女、フィオーラ嬢、ヴェルフィーナ嬢である。
てかリリアナ嬢がちょっとエッチな感じで『俺の匂い』とか言ってるけどおそらく貴女が上書きしたのはそこですっと目をそらしてる『フィオーラ嬢の匂い』だと思われます。
そもそも同じ石鹸、同じシャンプーを使ってるんだからそんなに匂いに違いは・・・あるんだよなぁこれが。どうして女の子ってあんないい匂いがするのん?
ちなみに幼女組はミルクっぽい匂いがする不思議。
てか3000歳オーバーのミヅキもミルキーな匂い組なのは何故なんだろうか?
いや、そうじゃなくてマジで自分の部屋で寝ようねお嬢様・・・。そして百合百合しいのはちょっとだけ好物であります。
エルフさん以外のみんなもお腹がすいているらしいので昨日の夜にいっぱい仕込んでおいた生うどんを焼きうどんにしてお嬢様方に配っていく。
物欲しそうな顔でこっちを見てる久々登場のAさん、君の分は存在しないんだ。
この世の終わりみたいな顔をしても駄目だから。・・・お嬢様が食べ終わってから残ってればあげるからどっかいってなさい。
てか深窓の令嬢と焼きうどん、ビックリするほど似合わねぇな。
誰とは言わないが深窓の令嬢じゃなく真祖の令嬢みたいな人もいるけど。ほら、真っ赤なドレスの。
「メルちゃんとサーラも食べる?」
「いや、職務中にそんな」
「もちろん頂きます!!」
「お前、それはずるいだろう!?じ、じゃあ私も・・・」
フィオーラ嬢が『少し手元から離れただけでメルティスのポンコツ度が上がってる気がするのだけれど・・・』とか言ってるけど気にせずお食べ。
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