東の果て編 その31 フランス的な王宮に咲いてる赤い花
キーファー公爵邸で滞在すると(御令嬢方から)いろいろなプレッシャーを受けそうなので新しい従業員(ヴァイデ男爵家家臣団)の面接までは普通にヴィーゼンで各属性の魔水晶を量産しながらだらだらと過ごす。あまり大きいものは目立つので直系3cmくらいのやつ。
うん、なんていうかこの『俺、働いてない』感・・・実に良い。
そう、俺が求めているのはこう言う生活なのだ。
てか最近まったく関係無さ気なゴタゴタに巻き込まれすぎじゃね?
寝転んでポテチ食いながらコーラ飲んでビー玉(出来上がった魔水晶)を転がす。完全に怠惰。
ミヅキが腹を枕に寝てるので少々重い気もしなくはないが実に良い。
まぁそんな生活も3日(実質2日)だけなんだけどね・・・。あえて言おう、働きたくないでござると!
幼女二人とメイドさんを伴って訪れたのはもちろん王都のキーファー公爵宅。だってここしか借りられる広い場所とか無いんだもん。
中庭でわいわいがやがやと騒ぐ人間を横目に奥の面接室(それらしく整えられた待合部屋)に移動する。
ちなみに集まった人数は約200人。見た感じだと女性が多めだったような?
今回は俺だけじゃなく何故かコーネリウス卿やフィオーラ嬢、リリアナ嬢にヴェルフィーナ嬢、誰が呼んだのかアリシア王女まで参加しているという。
王族参加とか下級貴族や平民にとっては圧迫面接通り越してただの威圧、嫌がらせ以外の何物でもないと思うんだ。
順番に入ってくる人々・・・こっそりとステータスの確認なんかもしてるんだけど特にこれと言って能力のありそうな人間がいないんだよなぁ。
いや、別に能力なんてそんなに要らないんだけどさ、多く見積もっても全員で500人も居ない村の管理だからね?
でも、その程度も出来そうにもない連中なんだよね。真剣に大丈夫なのかこの国の行く末は・・・。
そして少し見目のいい女性が入ってくると御令嬢方が4人揃って威嚇するのはどうかと思うよ?
そんなこんなで50人を過ぎた頃に部屋に入ってきた『男装の麗人』って感じの美人さん(所謂ヅカ系ってやつだな)が目に留まる。
ヴェルフィーナ嬢?あの人はヅカ系じゃなくてエルフ系だから全然系統が違うよ?
HPや体格と筋力が10を超える前衛特性の高いステータス、スキルも『剣術、格闘、盾術が全てランク3』の他に『短剣術や弓術はランク2』まで持ってるし礼儀作法や料理などの女性的なスキルも備えている。
さらにレベルも4とくれば・・・この国だと軍人としては超逸材。
もしかしたらメルちゃんよりも優秀ではないだろうか?間違いなくうちの上の兄貴よりは強いはず。
そして見た目。流石に並んで睨みつける御令嬢程ではないが間違いなく美形。個人的にはメルちゃんとかこの人みたいな派手すぎない美人って大好きなんだよなぁ。
そしてこの人も・・・間違いなくア○ルが弱いはず。それは大切な情報なのかって?当たり前だろうが!!
「お、おはちゅにおめにかかかりましゅっ!!」
・・・どうやらポンコツな所もメルちゃんと同じらしい・・・。
てかわざとじゃなくマジでそんな噛み方する人いたんだ?
うむ、恥ずかしかったのか真っ赤になる所も非常に高得点である。
「採用で」
「ハリス、流石にあの方の見た目だけで決めるのはどうかと思うわよ?」
「いや、全然そんなんじゃないですよ?だって彼女、そちらの護衛騎士様と同等の強さをお持ちのようですし」
「ほう、それは聞き捨てならないな」
てか見た目だけなら先程もっとエロい感じのお姉さんがいたじゃないですか?涙目で帰っていったけど。
そしてなぜメルちゃんは喧嘩腰なのか・・・。
そして真っ赤だったヅカの人、驚いた顔でこちらを見ていたかと思うと微笑んで
「伯爵様は見ただけで相手がどの程度の使い手かがおわかりになられるのですか?」
「そうですね、たしょ「ふんっ、お前などが私の相手になろうはずがないだろうが!」メルちゃん、会話に被って来ないようにね?」
うん、むっちゃ嬉しそうヅカの人。初対面だよね?ヅカの人。なんか好感度高すぎないかなヅカの人。
あと、さっきからメルちゃんの雑魚キャラムーヴがすごい。妙に似合ってるところがまた何とも・・・。四天王で最弱って感じ、つまり五番目だな。
部屋で(フィオーラ嬢の後ろで)立ってるだけだしストレスでも溜まってるのかな?
ちなみにヴェルフィーナ嬢の後ろにはクリクリが立ってるけどその子は護衛として役に立つのだろうか?
俺も座ってるだけに飽きてきた、むしろ完全に飽きてるからおあいこなんだぞ?
「良ければそちらの騎士様と手合わせしていただいてもよろしいですか?」
「もちろんです閣下!!」
「・・・よかろう、三秒で片付けてやる・・・だから後で褒めてくれる?」
いや、メルちゃんはフィオーラ嬢に褒めてもらってくれ・・・。
他の面々のお茶休憩(ティータイム)の時間も兼ねて中庭に出て二人の手合わせの見学をする事に。
メルちゃんが両手用の長い木剣を手に持つとそれに合わせるようにヅカの人も同程度の長さの両手用の木剣を握る。
裂帛の気合の声とともに振りかぶった木剣を相手に叩きつけるメルちゃん、知らない人との稽古なのに少々殺意が高すぎると思うんだけど・・・。
多少の怪我(死んでない)なら治療できるからいいんだけどね?
でも女の子が怪我するのとかあんまり見たくないんだよなぁ。
うん、やっぱり普通に強いなヅカの人。綺麗な防御でメルちゃんの素早い攻撃をいなしている。
・・・公爵令嬢の護衛と同等の強さとか普通に考えて引く手あまただろうになぜわざわざ(言っちゃ悪いが)男爵家なんかの面接に来たんだろうか?
あ、結構ギリギリだったけどメルちゃんが勝った。完全に力で押し切った感じだな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます