王都公爵邸編 その13 平日の昼間から部屋でゴロゴロ・・・したかった
翌日、よし今日は1日寝てやるぞ!と部屋で引きこもりを誓った俺。
「もどったのじゃ!」
「おかえり、早かったな?じゃなくてだな・・・えっと、笑顔で帰宅の挨拶してもらったところ言いにくいんだけど蛇はうちの子じゃないよな?」
「ひ、ひどいのじゃ!おっぱい触ったくせに!」
「完全無欠の冤罪はやめろ!てかどうやってここまで来たんだ?」
「我、これでも一応神ぞ?人の気配を追うくらいわけないに決まっておろう」
「ほーん」
「興味なしか!ホントに我の扱いが雑じゃなお主は!!」
うるさいのが一人増えた・・・。まぁいいけど。
そして蛇『のじゃロリ』なの?いや『の蛇(じゃ)ロリ』か。みんな、俺今いい事言ったよ!!
「とりあえず俺は今から二度寝」
「ハリス!今あなたの部屋に小さい子が来たって聞いたけど・・・やっぱり、蛇の神様でしたか。ご機嫌うるわしゅうございます」
「ほら、見てみ?あれが神に対する正しい姿勢ぞ?主(ぬし)ももっと敬うがよい!」
いえ、あれはただの下心だと思います。
昨日も帰ってからやたらとリリアナ母娘のお肌の話されたもん。
で、部屋に戻ると俺の肉を勝手に食いやがったAさん(と話を聞いた北都組)がおやつ(Aさんは肉)が食べたいですアピールを繰り返すし。
何だかんだで賑やかな毎日を送ってるな最近。もちろん嫌ではない、むしろ楽しいと思えるんだけどさ。
「で、コレに御用なら連れて行ってもらっても構いませんが」
「コレはないじゃろ、コレは」
「だって名前とか知らないし」
「名前?・・・そういえばそんなものがヒトにはあったな。よし、特別に名付けさせてやるのだ!」
近所に蛇に名前付けて散歩とかさせてるご家庭が無かったから蛇の命名法とかわかんねぇよ・・・。
ちなみにブタとヤギはリードを付けて散歩させてるのを見たことはある。普通の住宅街で。
「じゃあシロで」
「雑っ!?」
「じゃあシロノ○ール」
「とりあえずその『じゃあ』から始めるのを止めよ!あと何となく旨そうな名前じゃなそれ!」
もういっそ『な○こ』でいいじゃん『○でこ』で。うん、全然良くないな。
あとはコ○ラとか?イメージカラーが白から赤に変わりそうだけど。いや、蛇の名前だしコブラは特に伏せなくてもいいよね?
「・・・あなた、蛇の神様とは随分と親しげに話すのね?」
「ふっ、我らは命の盟約を結んでおるからの」
「さらっと嘘を言うな嘘を。・・・いや、待って、そもそもお前、本気でここで住む感じなの?」
「何を当然の事を。そもそも岩の中に居た我に住処など有ると思うのか?それを加味してお主が助けた、つまりお主の家は我の家」
お前はジャイ○ンか。逆にどうしてそんな条件が加味されていると思うのか?
てか蛇だけど見た目幼女と同じ部屋で生活とかどう考えても明るい未来が思い浮かばないんだが?
回りからはロリコン好き扱い、最悪不治の病に(つまりロリコン)かかっちゃうこともありえなくはない。
いや、ロリコン好きはロリコンじゃなくてホ○だな。まぁ最悪公爵家に丸投げするとして
「よし、とりあえず一旦全部投げ売って二度寝しよう」
「うむ」
『オー!』
「いつ来たクマ?」
「もういっそそれでいいわ」
「いや、貴女は駄目ですからね?マジだめですから!俺の布団に入ろうとしないでっ!!」
クマ以外は私のお布団に入らないでっ!あ、ここには居ないけどウサギさんもOKだからね。
もちろんウサギさん衣装の女の子もだよ!とか言うと北都組の『あの』メイドが衣装を用意して本当に来るかも知れないからとても危険。
「で、どうなさったんですか御主人様?」
「はぁ・・・私の事は気にしないで頂戴。ちょっと面倒くさいのが来るっていう先触れがあったので顔を合わせたくないだけだから」
あまり人前では見せないようなぐでーっとした態度のフィオーラ嬢。誰か知らないがよほど嫌いな相手が来宅するのだろう。
そしてかすかに聞こえる「・・・ーラ!どこにいるフィオーラ!」の声。
「もう来ましたね。てか探してますね。そして呼び捨てにしてますね。〆てきましょうか?」
「ふふっ、流石にそれは・・・いえ、この際一度そう言うのもありかしら?」
ちなみに俺の貸してもらっているこの部屋、床にはコルクっぽいフローリング敷きにしてその上に起毛させたカーペット、大きめのローテーブルとふんわり綿入りクッションを並べているのでごろ寝にも最適な環境となっている。
ゴロゴロ寝転がってまったりとした時間・・・。眠く・・・。
「うん?何だ?お前はリリアナか?ふん、どうやらあの気持ちの悪い肌になる病は治ったようだな?」
どうやら招かれざる客はどうして居るのか分からないが公爵家に訪れていたリリアナ嬢に絡みだしたようである。
「・・・何やらあまりよろしくない雲行きですね?」
「そうね、本当に面倒な男だわ・・・」
慌てて立ち上がるフィオーラ嬢と俺。・・・と蛇とクマ。いや、君たちは要らないからね?特に蛇、お前は現状不法侵入者だからな?
現場(裏手側、メイド寮側の本館の廊下。そこそこ俺の部屋とは距離があるのにここからよく声が届いたな)に到着するとそこにはリリアナ嬢と見たことがある男、そしてそれぞれの取り巻きっぽい鎧姿のむさ苦しい男と楚々としたメイドさん。もちろんリリアナ嬢の取り巻きがメイドさんな。
公爵家のメイドさんたちとは違いものすごく大人しそうで清楚な感じがしてとても良いです。
いや、ここん家のメイドさんも見た目だけなら普通に美人だし清楚なんだよ?でもほら、内面的なモノがさ・・・。
「おお、フィオーラ!出迎えに現れるのが遅いではないか!」
こいつ声でかいな!?他人の家でここまでの大声とか頭おかしいんじゃね?
「少々取り込んでおりまして失礼いたしました殿下。それで本日は何かご用向でも?」
「用向き?決まっているであろう、お前と私の結婚についてだ」
「・・・そのお話ならご遠慮いたしますと父から再三お伝えさせていただいているはずですが?」
「ふっ、お前もいい歳だろう?そこを我慢して正室に迎えてやろうというのに何を遠慮する必要がある?ああ、病が治ったのならリリアナも元のように迎えてやろう、俺の心は寛大だからな!うむ、三大美女と呼ばれるうちの二人を嫁にする、俺様の力と魅力を誇示するには丁度いいだろう」
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