第46話 和平もクソもないのです。
おはようございます。
無事に今日を迎えました。
何事にも事前準備と言うものが必要なのです。
それを教えてくれたのは、現世の父では無く前世の父でした。
すっかり、平民が板についた僕は元王子ことユーラです。
オアシス生活127日目
いよいよ本日、マルクス王国とガーラン王国との和平会談が行われます。
っと言っても、すぐに王子同士が話し合うわけではなく、最初は部下同士の話し合いから始まります。
両軍の境に作られた東家。
そこに設置されたテーブルと席。
そこにガーラン王国宰相補佐官ヘテさんとマルクス王国外務補佐官リューンが座る。
向かい合う2人……その間の席に座る……僕と桜花さん(人)。
なんでやねん!!!
よくわからないけど、桜花さん(人)曰く、ヘテさんとリューンに頼まれたとか…………。
桜花さんの挨拶で事前会談が始まる。
主な内容は………僕と桜花さんについて………
だから、なんでやねん!!
そんな僕の気持ちなど関係なしに、桜花さん(人)が話を進める。
………まるっきし嘘の史実を………。
国を追い出された僕こと第3王子ケビン。
そこで、精霊王とほぼ同格の妾……精霊(桜花さん)に出会う。
そして、その精霊の導きと指示により『忘れられてオアシス』にたどり着いた僕は開拓を始め、『木々に囲まれた楽園のオアシス』を作り上げたのだ。
ドヤ顔で嘘を並べる桜花さん(人)。
あんたはすごいよ………ほら、2人が感動、尊敬? なんか凄いものを見て聞いたような表情になっているよ。
まぁ、その話はどうでもいいとして、今度は両方から和平条約の話を聞く。
既に国王同士で話がまとまっている。
その条約内容を確認する。
・新しく発見されたオアシスの所有権をガーラン王国へ。
・そのオアシスを通る新交易ルートの開拓を両国で行う。
・そのルートを使った際のマルクス王国の租税の免除。
・10年間の不可侵協定。
妥協点としてはいい所だ。
今回は両国の
両国としては、本当に戦争をしたいわけではない。
3陣営の周知を行えたところで、会談の本番がはじまる。
もちろん?………僕と桜花さん(人)も参加だ。
解せぬ………。
東家の両方の陣営から王子達が入ってくる。
〝〝ドカリ!!〟〟
両王子……同時に席に着くが……行儀が悪い……これから和平を結ぶ人の座り方じゃない。
先に口を開いたのは
「こんな内容の協定は結べない! オアシスから立ち退いて欲しければ金を払え! 闘いで傷ついた兵士の慰謝料もだ!」
………はい?
「それと、そこにいるのは元とは言え我が国の第3王子だ。それが開拓したこのオアシス。ここも実質我が国の領土となる。立ち退きして欲しければ、その分の金も払え!」
……………はい? 何言ってくれてるの! このバカ!!
その
「この協定を結ばないことは同意する………が………そちらこそ、新しいオアシス及びここ『忘れられたオアシス』を不法占拠したことについて。即刻退去し、賠償の支払いと謝罪をしろ!!」
うわぁ………こっちはこっちで何か言い出した!!
テーブル越しに睨み合う
その背後で頭を抱え蹲る
「「どうやら、会談は決別だな。」」
………息ぴったりだね………。
「「我が国をバカにするとはいい度胸だ!!」」
………だから、息ぴったりだよね………。
「俺はお前が気に入らない。」
「私は貴方が気に入らない。」
……いや、めっちゃ気が合ってるじゃん………。
「こうなったら、実力でお前にわからせてやる!」
「こうなったら、実力で貴方にわからせてやる!」
……裏で練習でもしてたの…………?
「騎士団長! 総攻撃の準備を!!」
「近衛団長! 総攻撃の準備を!!」
……お前ら双子かよ!!
急いでヘテとリューンが止めに入るが治らない。
両軍の隊長が陣営に戻り戦いの準備を始め出す。
バカなの?
ねぇ………バカしかいないの?
もう、和平もクソもないんだけれど………。
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いつも読んでいただきありがとうございます。
少しづつですが修正を入れています。
今後ともよろしくお願いします。
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同瀬馬野抱枕
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