第31話 完璧な変身
運命の日が来てしまった。
心なしかいつもより祈りの時間も早く終わったように感じられた。
「お兄様は今日から王城でお手伝いするお仕事があると伺いました!
アンは応援しております!」
ああ、僕の女神。
お兄様は今からお姉様になるんだよ。
これからは学園内でも毎日そばで見守るからね、、、。
「お嬢様、学園に遅刻してしまいます。
行きましょう。」
ああ、ついにマリエルが僕を見てもくれなくなった、、、。
父から僕の女装について聞いているのだろう。
王城へ着くと、殿下が迎えてくれた。
「エドワード様、申し訳ありません。
他の案をと知恵を絞ったのですが、良い案が思いつかず、、、。
教師として招き入れることも考えたのですが、エドワード様のままではエミリーは警戒してしまうので、、、ごめんなさい、、、。」
「全ては父とエミリー嬢、エミリー嬢の裏で暗躍する人々が悪いのです。
殿下は何も悪くない。
こちらこそ申し訳ないです、、、。」
二人で謝罪し合った後、部屋へと通された。
そこには学園の制服(女子用)、メイク道具、ウィッグが用意されていた。
「お待ちしておりました、エドワード様。
私共にお任せください。」
3人の女性によって僕はどんどん女の子にされていった。
茶色く短い髪は隠れ、赤毛のロングヘアーになった。
目の色はコンタクトレンズでグレーに。
まつ毛は倍くらいの長さになった。
肌の色も白く塗り替えられた。
男っぽい足はタイツで隠すことにした。
喉仏はハイネックのインナーで隠した。
「鏡をご覧ください。」
ウィッグ、メイク、着替えの全てが30分ほどで終わった。
多分早いんだろう。
恐る恐る鏡を見た。
「これが、、、僕!!??」
童顔から気の強そうな女の子に変化している。
物凄い技術だと思う。
僕の面影が全然ない。
これなら気づかれないだろう。
「王族は変装することが何かとありますから。」
この技術をどうやって身につけたのか聞いたらそう返ってきた。
王妃様とか変装好きそうだもんな、、、。
「エドワード様ですか!!??
すごい!!!
どこからどう見ても女性ですよ?」
僕の変身姿を見た殿下も驚いていた。
王妃様や陛下もよく変装するそうだが、毎回驚くほど変わるそうだ。
「声はご自身で少し高めにしてください。
エドワード様は男性の中では声が高めなので、バレないと思います。」
「あ、あ、あーーー。
こんな感じでどうでしょうか?」
少し高めの声を出してみる。
「さすがです、エドワード様!!!」
ずっとこの声で話すのか、、、キツい。
でも絶対にバレるわけにはいかない!!!!
この国の未来と、愛するアンと、僕の未来のために!!!
僕と殿下は共に馬車で学園へと向かった。
僕は今から関係国のお姫様、サラ・ジェシカ・ルーナだ!!!
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