★★★ Excellent!!! 登場人物達の『感情』と風景描写が非常に深く、魅力に感じる物語です。 秋月 このレビューは小説のネタバレを含みます。 全文を読む(521文字) レビューいいね! 1 2022年10月3日 23:52
★★★ Excellent!!! 迷ったときに効くヨミ薬。ゆっくりじんわり味わう滋味のような 柚子シトラス これは成長のものがたり そして旅立ちのものがたり ここではないどこか いまではないいつか 建国の神話が、確かにあった歴史として息づいている世界で ひとりの青年が道を見つけるものがたりです。 鮮やかに切り取られる風景は、平地を越え川を渡り、山裾の館を訪ねと旅情にあふれ、 ひとを描けば、喜怒哀楽から人となり、家人との関係に趣味嗜好と信条までが登場する人物の数だけ、いや水面下で支える名もなきモブまでもがきっと。 その手に取れるようなリアルさに驚嘆しながらページを繰れば(イメージです)、トキと呼ばれる人物の去就を巡る不可解な事象が、一枚また一枚とベールを剥がすように明らかになっていきます。 大河の風格を宿すこの作品がみせてくれるのは、先の見えない切迫感、ナゾがほどけていく解放感、胸のすくような断罪のとき、別れの切なさと希望の旅立ち。 ものがたりのすべてがここにあります。 レビューいいね! 4 2022年8月20日 21:47
★★★ Excellent!!! 宮中の思惑が交錯する。静かなる和風? ファンタジー 小濱宗治 トキと呼ばれる謎の存在を巡り、宮中の意見が割れる。解決に奔走するのは、なんと、皇帝の天元だ。だか、若い天元には自信がない。家臣共も、口を開けばやれ、国の為だ、民の為だと宣わる。 これはファンタジーとしては、とても異色な作品である。 古代の日本や中国を思わせる世界観に、緻密な感情表現。文章も至極丁寧で、独特の品性が備わっている。 縦読みを推奨したいファンタジーである! レビューいいね! 4 2021年12月26日 13:19