第31話闇のダーク
スマホの音で目覚めると、従魔は戻って来て居なかった。
携帯食を食べながら缶コーヒーを飲んでいると、黄金コンビが階段を下りて来た。
俺の前でププィとカードを吐き出して、自慢そうにしている。
拾うと光球カード6枚で、カードホルダーに収納するとカードが変化。
取り出したカードを見る。
超光球カード
光り輝き辺りを永遠に照らす
絶対に永遠は有り得ないし、主観的表現なのかも知れない。
次々に戻ってきた従魔らは、合計6枚の光球カードを持って帰って来た。
『主、今回はカード3枚はワシが倒した奴らから出た物です』
「アイは頑張ったなーー」
『そうだワシは頑張った。主の為に、もう二度と1階の様なふがいない姿は見せませんぞ』
どうやら1階のことを気にしている。
ならば2階層で頑張って貰えば、自信を取りもどせるだろう。
「あの2階層へ行くから、カードに戻すぞ」
『今度こそ実力を見せます』
『いつでもOK』
超光球カードを持って、階段ワープを発動。
やはり暗くて見えない。魔物探知で調べるが魔物の気配は無いので決める。
目の前が急に真っ暗に、超光球カードを具現化させ従魔も呼び戻した。
超光球は十分な明かり照らしている。
「さあこの階層を攻略するぞ」
従魔が進む姿が頼もしく見える。
ようやく近場の魔物がやってきた。
3メートル程の全身黒い人型で、口を開けると赤い口と白い牙が目立ち眼は無い。
手を振り被り、物凄い勢いで振り下ろした。
リップが盾で何かを防いだ。
次の攻撃も又も防いだが何を防いだのか見えなかった。
アイの光線で額を打たれ呆気なく倒れた。
そして俺の体が光りレベルアップした。
『主やりましたぞ』
「よくやった」
見るからにダークサイドの魔物に見えて、コイツをダークと命名。
案外良い名を付けてしまい従魔に申し訳ない。
そしてアイが魔石の方へ行こうとする。
「アイ止まれ」
『何故』
魔石に近づき魔石を拾うと、間違いなく上級魔石だった。
何故だろう20階層の魔物から出る魔石なのに、20階層からの魔物は急に強くなるのが定番。
なので20階層で戦うことが出来れば、冒険者ランクがあがりAランクと言われる様になる。
その上にSランクも存在するが、世界でも数人だけの存在。
もしかして、ここの2階は他のダンジョン20階に相当するのか?
イヤイヤそんなバカな話が有ってたまるか?
だから急にレベルアップしたのか?
疑問だけが頭の中を駆け巡る。
アイが目の前に来て、魔石を見ている。
目の前に魔石をだすと、魔石が浮かびアイに吸収されてしまう。
『まろやかな熟成した味がする』
眼はトロンとしている。そんなに旨かったのか俺には分からない世界。
「リップ、あの攻撃はなんだか分かるか?」
『あれは凄い空気の塊だったよ』
成る程だから見えなかったのか?
「右の通路に待構えている」
『あの通路』
現れたと思った瞬間に攻撃をして、身をすぐに隠した。
ツタが1発とリップが1発を防いだ。
「ツタ!何とかやっつけろ」
『分かった』
天井を滑る様に進み、出てきた瞬間に首に槍を突き刺していた。
だらりとしたダークを天井まで持ち上げて、ツルによって吸収されてしまう。
こぼれ落ちた魔石もツルがキャッチして吸収。
その瞬間にツタが光った。ツタもレベルアップした様だ。
そうだ思い出した。20階層から急にレベルアップするとネットでも書かれていた。
どうやら7体のダークが向かってくるが、俺が先頭に出て剛腕の刀を相手の振り下ろす前に何度も斬りつけた。
バラバラになったダークが地面に散乱して転がっている。
魔石2個を頂き、残り5個を食べていない従魔に分け与えた。
ダークのバラバラになった肉片を、リップとツタが奪い合いながら次々と無くなると、カード1枚が残っていた。
俺は駆け寄り拾ってすぐに見た。
風魔法Ⅱ
圧縮させた空気が渦を巻き自由に操れる
なんと風魔法。しかも後ろに数字が書かれている。
それに風魔法にあの様な魔法は見た事が無い。
普通は
風斬の発展系で
あとは
この3つが俺の知っている魔法で、まだ知られていない魔法は確かに有る。
魔術士は結構得意な魔法を秘密にしている。
危機的な状況下のみ使用される。魔術士は秘密主義が大半でトップ意識が根強い。
早速カードにイメージすると、体が浮き上がり体に気が駆け巡った。
ああこれが風魔法か、見て聞いて知っている物と別次元の魔法に接して驚く。
右の手の平に小さな渦が出来上がり、徐々に大きくなり圧縮した物が回転し続ける。
それに触ると粉々になるイメージしかわかない。
左手に持った超光球に気を注ぎ込み、2つが頭上高く浮かび上がり1つになった。
成る程、出来るかと思った瞬間に出来てしまった。
光り照らす超光球を持たなくて済む。
頭上から明かりを照らして、手がフリーになれた。
右通路から現れたダークに光を放つと、ダークの体は粉々になり消えてなくなった。
超光球は既に戻り頭上で照らし続けている。
照明と攻撃にも使える良い物が出来た。
何度もダークを倒して更に倒し続ける。
広大な迷路をようやく攻略を終えた。
2階層は俺と従魔らにとって、既にレベルアップの場でしかない。
従魔ら幾度もレベルアップをして、同じく俺もレベルアップを繰り返した。
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