第22話14階層




早めに寝たのでスマホが鳴る前に起きることが出来た。

辺りを見回すと、まだあのコンビが戻って来ていない。

俺は『戻って来い』と念じると、あのコンビから『分かった』と返事が返ってきた。

今までは体による表現で表していたのに、脳内に言葉として伝わった。

俺は更に『急いで来れるか?』と念じる。

すると『なんとか急ぐ』とかえってくる。

これは新たな従魔らの意思疎通の始まりかもしれない。


携帯食で食事をすませて、1時間待った時にあのコンビが帰って来た。

そしてピーがプイッと吐き出したのは邪眼カード6枚。

『ほめて、ほめて』と脳内に響く。


「カードが6枚もあるぞ。頑張ってくれてありがとう」


喜ぶコンビ。


早速カードホルダーに収納。1枚の魔物カードが新たに誕生。

そしてカードを見る。


絵柄は赤い目玉で、コウモリの羽根が付いている。

裏を見る。


キラーアイ 【操・破】


HP150

HP150


攻撃スキル

光線


支援スキル

催眠


俺はカードを空中に放り投げてイメージする。

現れたキラーアイは、浮遊する邪眼と違って飛び回っている。


「お前の名は、短いのがいいからアイだ。分かったな」


『分かった主』と言ってきた。

早くもコイツと念話ができるとは、しばしアイを見てしまう。


アイの実力を試すため13階層を探索。

やって来た目玉は6玉。

早速アイが光線を発射。2玉の目玉を射抜いた。

それと同時に破裂している。

どうも俺を襲った赤い目玉より、強い光線の様で頼もしい限りだ。

更に光線が3発も発射され、目玉を全て討伐してみせた。


「アイ、サービスだ全部の魔石を食べてもいいぞ」


凄いスピードで魔石に行き、すると魔石が浮かび上がり目に吸収された。

コイツはこんな食べ方をするのか?

アイの実力が分かったので、階段に戻り下の14階層へ下りることにする。



階段付近に従魔が集まると前進する。

遠くから魔物の気配が15も感じられ、俺らの方へ向かっている。


「敵は15だ。気を引き締めて行け」


ソイツは黒い50センチの球で、そこから柔らかい足が10本も生えて、上手く動かして向かってくる。

天井や壁を這いながら、口をパカリと開けると火球を発射。

15発の火球が一斉に俺らに向かう。

しかしツタのツルによって叩き返されている。

ツルに火が燃え移らない速度の連続攻撃に、俺は感心するしかない。

そのお返しと従魔が攻撃を開始。

皆の攻撃は素晴らしいが、アイの攻撃は光線を連射してマシンガンの様に、壁や天井に穴を開けている。


次に現れた10体の黒い球は、キーの雷撃が1度だけ轟いて落ちた。

それだけで黒球は倒された。

雷撃攻撃がパワーアップした様で轟く音も凄いことになっている。


「キー、強くなったな」


そんな俺の感傷も、襲う側の魔物にとってはどうでもよくて、新たに13体がやってくる。

通路内に従魔らの攻撃で爆音と土煙が舞う。

土煙がおさまると魔石だけが地面に残っている。


「両方から黒い球が来るぞ」


数が増え、襲う頻度も増えた気がする。

戦う回数がまし、従魔らのレベルアップを確認。

そして俺もレベルアップをした。


青柳誠あおやぎまこと


Lv13


HP160+50

MP140


STR7 VIT4

DEF3 INT7

DEX6 AGI7


固有スキル

カードマスター

カード化・カードホルダー・従魔・カード鑑定


魔法スキル

黒魔法


攻撃スキル

スラッシュ・パワースラッシュ


防御スキル

毒無効・状態異常耐性・透明化


支援スキル

魔物探知・罠探知・階段ワープ・催眠



更なる力で剛腕の刀で横一文字に振ると、天井にいた黒い球を4体も斬り落とした。

残った黒い球14体は、火球を発射するもツルに落とされ、次々と遠距離攻撃の餌食になる。


そしてドロップしなかったカードが地面にあった。

そのカードを拾い確認。


「スキルカードだ」


全範囲探知


半径1キロ内を探知


内容はこんな感じだが、多分あの黒い球も全範囲探知を持っているのだろう。

だから集まって襲って来たのだ。

カードに集中してイメージすると、速攻で体の中を駆け巡った。


試しに発動してみると、半径1キロ内には10体の黒い球しか残っていない。

罠探知で警戒しながら最短で進む。

ダンジョンの迷路も全範囲探知で大半をカバーしている。

後の範囲は探索済み。


やっと見えた敵に従魔らが総攻撃を仕掛ける。

それは一瞬で戦いを終了させた。

残ったのは魔石だけ。


地図アプリで探索していない部分を、ランニング気分で罠探知で警戒しながら走る。

地図アプリの階層を制覇しておけば、後々地上でも利用できる。



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