第二章
プロローグ
夢を見ていた。
「いいかい、
彼女は雄弁に、それでも半分はにかみながら言った。
「ほら、君の番だ」
俺?
「君は、どうしたい?」
どう、って。やりたいことは……ないかな
「じゃあなりたいものだ。何かないのかい」
……ない
「つまんねーやつ」
仕方ないじゃないか。
そういう性分なんだ。期待なんてされたことないし
「本当にそう思ってるやつが、物語なんて読み耽るかね?」
うっ。
「言ってみな。笑わないから」
本当に?
「もちろん」
じゃあ言うけど──
そうだ、これは記憶。
ずいぶん昔の、何も知らず、何も起こってなかったときの夢。
相応に心の奥底にしまっていた幼稚な願望を、彼女に曝け出した。
「小さい頃、魔法使いに憧れてた」
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