第22話 詩乃とデート③

「……」


「……」


 ファミレスの件で俺と詩乃はちょっと気まずくなっていた。

 だか、手は繋いだまま。


 チラッと詩乃の方を見る。


 はっきり言って詩乃は可愛い。

 童顔で優しく人懐っこい性格で。

 こんな風に2人でデートしていると、友達が知ったら、さぞ羨ましがられるに違いない。


 それくらい魅力的な女の子——


「ま、万尋様、顔をガン見されると恥ずかしいです……」


「す、すまん!!」


 ついガン見していた。


「では今度は私が万尋様をガン見します」


「へ?」


 言葉通り、詩乃がジーと見つめてくる。

 た、確かに見られる側はずかしいなぁ。


「……えへへ、万尋様カッコいいです」


 っ、この〜〜っ!!


「し、詩乃、次はどこに行きたい?」


「そうですねぇ〜。じゃあゲームセンター行きましょう!」




「今日は楽しかったですね」


 夕暮れ前。

 水族館とゲームセンターを満喫した俺たちは、手にたくさんのお土産を持って帰り道を歩いていた。


「詩乃が楽しめて良かったよ」


「私が、ですねぇー。奥さんを決めるデートだとスッカリ忘れていましたよ」


 ……そうだった。俺も忘れていた。


「でも俺は、素の詩乃が一番好きだから、アピール的には効果抜群だったぞ」


「……もう、万尋様はそうやって勘違いさせることを言うんですからっ」


 2人して顔を見合わせる笑う。


 しばらく景色を見ながら会話していたが、ふと、詩乃の足が止まった。


「詩乃?」


「万尋様。最後に私から一つ言わせてください」


「お、おう?」


「私は、万尋様が好き……大好きです」


「っ……」


 頬を赤らめ、真剣な表情で告白してくれる詩乃。


「昼間、万尋様に愛してもらえるなら、二番目でも全然、いいって言いましたけど……やっぱり一番がいいや。だって、万尋様の愛情を一番受けれるんだもん」


 目の端には涙。

 俺は言葉に詰まる。


 そのまま答えが出せないまま、詩乃とのデートを終えた。

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