君がいる場所

夕暮れどき空に広がる淡い色が

ゆっくりと今日を終えようとする


ぼんやりと空を見上げるたびに

僕は君に想いを馳せては思ってしまう

こんな日々が永遠に続いてしまうのかな


僕は随分身勝手だからさ

君といた時は正反対のことを

こんな日々が永遠に続けばいいな

笑い合ってそう言ったっけ


淀んだ気持ちを抱えたままで

どこにも届かない想いを抱えて生きて


それほど君のいない世界は

長くてつらくて仕方ないんだ

君なしで生きるには命は長すぎる


陽はまた昇る

止まない雨はない

明けない夜はない


どんな言葉でだって僕の心

救いきれやしないのにさ

そんな陳腐な言葉をのこして

空へ消えていった君のこと

僕は少し恨んですらいる


めぐり、めぐり、めぐり

何度目かのあの日が来るの


僕の永遠が終わるまでの

カウントダウンがまたひとつ

終わったんだって少しほっとして


何年経っても色褪せない記憶を

僕は何度も反芻しながら生きている

君のいない世界を生きていけなんて

随分苦しい宿題を残していったね


目を閉じれば昨日のことみたいに

暗闇の中に映る君の光が瞬いて

プラネタリウムみたいだ


その光は儚くていつのまにか

ひとつか、ふたつ、みっつ

消えてしまうかもしれないと

いつも恐れているくらいにね


忘れたくないよ

会いたいよ

もう終わりにしたいよ

夢でもいいからなんて

本当は思ってないよ

だってこんなにもつらくて

こんなにもせつなくて

忘れたくないことばかり

どんどん忘れていくんだよ


君の温もりが思い出せるうちに

僕は君のところにいきたい

そんな弱音を今日ばかりは

聞いてくれてもいいじゃないか


いっそ忘れてしまえたら

いっそ出逢わなかったなら


僕はもっと楽に生きられた

そしてもっと早く死んでいた


君が生きながらえさせたのだから

その責任くらいとってくれよ


瞼の裏の君にぶつけた慟哭は

あまりにも寂しく響いて

君の記憶の星空が

ゆっくりゆっくり滲みゆく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る