番外編②-20 – 赤いミサ
「クソがッ! これで満足か? 出て来いよ!」
舌を根本から噛み切り、それが気道を塞いで窒息死に至るまでの間に笑みを浮かべながら藤村を見つめる
(〝思念〟は普通、対象者が死んでからだろ!? 俺から捕らえられることを避けるためにッ……! 俺を……! 俺を完全に動けなくするために自殺を開始してから絶命するまでの短時間を条件に俺のサイクスを封じた……!)
––––
藤村は自分の身体が動き始めたことを察したその瞬間、気味の悪いピアノの高音オスティナート(ある種の音楽的なパターンを続けて何度も繰り返すこと)がその空間を包み込み、それに呼応して
––––〝
藤村の目の前に
(こいつは)
藤村は〝
「無駄ダ」
「俺ハ〝
〝
この超能力に宿る楽曲は〝
ピアノの音色によって奏でられるこの楽曲は、〝
「お前だろ。ずっと俺たちの戦闘を監視していたのは。もう一度聞くぞ。満足か? 仲間が死んで自分たちのことが暴かれることが無いってな」
藤村のサイクスからは明らかに怒気が見て取れる。
「ヤハリ先ホドノ言葉ハ私ニ向ケテダッタノカ。サスガダナ。
変わらず抑揚のない機械音で喋る
「
藤村は「ペッ」と唾を吐き捨てた後に
「暇潰しだなんだと言う割には意外と戦略的じゃねーか。面と向かってかかって来いよ。いくらでも俺の
藤村の身体から膨大な量のサイクスが溢れ出す。
「ソモソモ我々ノ目的自体ガ暇潰シダ。コノ退屈シタ世界ヲ打破スル。ソノ過程ヲ楽シンデイル。ソノ過程ニオ前ガイル。
役割を終えた〝
「藤村洸哉。貴様ノ相手ハイズレコノ第1音・
「上等じゃねーか。何ならこれからでも良いんだぜ?」
〝
(〝
藤村は新たに煙草に火を点けて一服した後にD–2ビルへと向かった。
#####
––––〝
––––〝
(床が
2人を中心にD–2ビルの床が凹み、クレーターを作り出していた。
(徳田は上で連絡を取り合ってるな。上階を中心に突然現れた数名の連中はDEEDの残党か……? 実力的には大したことねー。
瀧は一瞬ニヤリと笑う。
瀧は
「シッ……!」
瀧は若干サイクスの出力を上げて
「今のは効いたぞ」
––––ヒュオッ
「丈夫だな」
吹き飛ばされた先で何なく立ち上がる瀧を見て
「それが取り柄なもんでね」
瀧はそう言うと拳を構える。
(これ以上、出力上げると建物自体が壊れかねんな。さてとどうしたものか……)
瀧はそう思考しながら再び〝
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